PENTAX K-3 タッチ&トライ レポート その5「 機能とデザイン/プレミアムシルバーエディションが限定である理由」
続いてデザイナーの浜村氏から、K-3の機能とデザインの関係について教えて頂きました。
K-3には多くの新機能が搭載されたが、それはデザイナーにとっては決して嬉しいことばかりでもない。
■デザインで解決しなければならないコト
測距点で増えたことによって、これまでの操作系ではその選択の手間が増えてしまった。
性能/機能向上の為の内部パーツ/モジュールの大型化は、いったん完成したデザインを一から変えなければならないこともある。
K-7ではできるだけペンタ部の出っ張りを抑えたデザインにしていたが、それを変える必要が出てきた。
デュアルスロット化するにしても、他社のようにカメラをの高さを増やしグリップを大きくすることは許されない。
グリップ部を闇雲に高くすれば、SDスロット2枚のレイアウトは簡単に出来るが、その代償としてグリップ形状が縦長になり、グリップ感が犠牲になる。
K-3では頑張って重ねるレイアウトを考えた。(良く見ると、2枚のスロットが若干オフセットされている)
■デザインで解決したコト
新しいボタン配置と、十字キーの工夫。
2方向同時押しが出来るように形状の工夫で実現。
よりシャープなデザインに。
K-7では、あえて少し丸みのあるデザインにしていた。
その理由は、マグネシウム合金ボディの製造に用いる金型への負荷を軽減することだった。
金型を使い続けると、どうしてもシャープなラインが崩れて来る。
K-3では、社内で調整しよりシャープなデザインにチャレンジすることが出来た。
それでも金型を使い続けると造形のラインが変化して行く。
特にシルバーボディは金型の変化が顕著に現れる。
よって、プレミアムシルバーエディションは金型の初期ロットものでしか製品化出来ないので、あえて限定モデルにする必要があった。
ということで、私も金型の変化の話についての話は一部で耳にしたことはありますが、デザイナーの方がそこまで考えたデザインをやる必要があるということに驚きました。
また、最近、一眼レフカメラ/ミラーレスカメラにはシルバーカラーのモデルも準備されることが多いのですが、ペンタックスがあえて限定モデルにしていたのは、マーケティングの理由よりも、その真面目過ぎる品質への拘りがあるからこその決断ということで、大変貴重なお話をお伺いすることで出来たと思います。
となると、4日で完売したプレミアムシルバーエディションをゲット出来た方は大変ラッキー、、、というか、素晴らしいご判断だったということで羨ましいです。
勿論、金型の変化がどのように現れるかについては、おそらく、普通の人では区別出来ない筈ですので、その後のブラックモデルであってもペンタックスが保証する品質としてまったく問題無い筈です。
K-3の造形に対する拘りをショールームや店頭で是非ご確認した頂けれたらと思います。
機能とデザインの関係は興味深い話でした。確かにまじめすぎてユーザーに伝わっていない部分が多いと感じました。これを機に、ペンタックスユーザーが増えてくれればと思います。
既存のペンタックスのファンの方は、そんな拘りを既にしっかり感じ取っている方だと思います。
とは言え、最近ドイツ人のカメラな方と仕事しましたが、PENTAXを殆ど過去の会社だと思われているのも残念でした。
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