13:00からプロカメラマン田中希美男先生トークライブが開始されました
田中先生のトークの抜粋を掲載いたします
- 決して安くないカメラなので良いところも悪いところもしっかり知ってもらいたい。
- 645を仕事でも愛用し、複数のボディと十数本のレンズを今でも所有している
- これらのレンズ資産を生かすには645Dを熱望していた
- 645Dが出るまで紆余曲折があった2008年にプロトタイプをペンタックス社外で唯一使うこと出来た
645Dの特徴
- 高解像度による高画質
- 頑丈なボディ
- 軽快な操作性 (K-7より簡単)
- 明快なインタフェース
- FA645レンズとの互換性
◆高画質について
- 立体感を優先したノイズ処理 処理は強く感じないが写真的なテイストに大賛成
- 645Dはローパスフィルタが無いので非常に解像度が高いその代わり、偽色やモアレが発生する場合がある
- 645Dは後でローパスフィルターを組み込むことが出来るスペースがあらかじめ設計されている
- 要望が強ければ、別売としてローパスフィルターを組み込むサービスを行う可能性がある
◆作例を用いた35mmフルサイズデジカメとの比較
- フルサイズ一眼レフ XDmk2と、645Dを同一場所で撮影した画像を比較
- 解像度が大きく違うのはローパスフィルタの影響である
- とにかくローパスフィルタには大反対
- XDmk2の画像はノイズ処理によりのっぺり、645Dはよりディテールを表現出来ている
- 画素数が大きい方がピクセル単位で発生するノイズの影響は少なくなる
- 新デジタルレンズではディストーション補正と色収差補正が可能
- 処理の大きく時間が掛かるで普段はONしないことがオススメ
- 桜の写真で色収差補正を行うとピンク色が消えてしまい残念w
◆ボディについて
- 645はプラスチックボディだだったが、645Dはマグネシウム合金ボディアルミダイキャストシャーシ
- 頑丈なボディーが精密はシャーシを守る構造
- 強化ガラスなので、三脚で倒した場合もよりダメージが減るのでは無いか
- キズが付きにくい 保護フィルムやレンズ保護フィルターは一切しない、大嫌い
- ゴミ除去はオリンパスがダントツだが、ペンタックスのDRIIはほぼそれに匹敵す同格と言って良い
- 防滴より、防塵の実現の方が困難、水は表面張力で浸水が防がれるが、ダストは水よりも侵入しやすい
- マイナス10度の耐寒性を保証する為ペンタックスが独自に部品をテストした。より低温でも動作可能な筈
- 撮影時よりも、持ち歩くときに片手で持てる大きなグリップで非常に安心出来る
- シャッターフィーリングがすごく良い
- 独自の円形ドラムブレーキ機構で中判の大きなミラーのショック低減に成功
- このような機構は日本の一眼レフメーカーしか作ることが出来ない
- ライカの一眼レフも実は日本の一眼レフメーカーのユニットを採用、口が裂けてもそのメーカは言えない
- ファインダー視野率98%は驚異的、645では92%だったので大きなインパクト
- 要望があれば、SDXCにファーム対応可能な筈(但し転送速度は基板で制限される筈)
- バッテリ性能が800枚はスタジオを前提とした他の中判カメラとして画期的
- 645と同じくフォーカシングスクリーンを前傾させることで大幅な小型化を実現出来ている
- 写真は一期一会なので、絶対にRAW+JPEGで撮影すること、実際にRAWを使うのは10%?20%くらい
- 独自情報も保存出来るようになったのでRAWフォーマットは絶対にDNGがおすすめ
- 金持ちのAdobeは今後良い画像処理を出す可能性が高いが、貧乏なPentaxでは望みが薄い
◆リバーサルフィルムモードについて
- リバーサルフィルムとは、ベルビア、それも先代のベルビアということ
- 富士山マークなんだから誰が見ても解るのにペンタックスはキリマンジャロだと言っている
- ベルビアモードではシャープネスしか変更出来ない
- フィルムと同様に使い方を誤ると失敗作となる可能性があるモード
- ホワイトバランスは晴天に固定、AWBは選べない。勿論RAWで撮影するのなら後処理も可能
- 日本の風景を曇空の元でも非常に美しい写真が撮れる
◆レンズについて
- 35mm換算0.8倍(645換算1.3倍)
- FA645 33-55m F4.5AL は大外れだった
片ボケが発生している。調整に出したが修正出来ない。衝撃を与えたからかもしれない。 - その他殆どのレンズは期待以上の結果となった
- 75mm F2.8
- 45-85 ものすごく良い
- 150mm F2.8 ピカイチのレンズ
17歳の女の子の作例で瞳に田中先生とそのアシスタントの方まで写っていた
17歳以上の女性の方を撮る時はアウトフォーカースさせないと、大変なことになるので注意 - 80-160 こんなに良いとは思わなかった
- 400mm
- 150-300 単焦点レンズが必要無いくらい素晴らしい
- ライカS2の最新デジタル専用設計のレンズと比較しても、銀塩時代に設計した645のレンズも同等の性能
価格も大幅に違う
◆645Dを使いこなすポイント
基礎が大切
- 正確にピントをあわせる?被写界深度がものすごく薄い
- ぶらさない
ヤワな三脚ではなんの役にも立たない
ミラーアップを活用すること風景写真家の方はミラーアップ後10数えてリモコンで撮影されている - 正確な露出で撮影する
- 絞り込み過ぎないこと
絞りを11以上にすると、解析現象が発生するので明らかに解像度が落ちる - RAWで撮影すること
1)ー3)が出来るのがプロ
田中希美男先生のブログを読んでいる方は、お判りだと思いますが、時には辛口でしたがペンタックス645Dの魅力を伝えていただいたと思います。
フルサイズ一眼と比較した画像が興味深く、特に晴天の風景など解像感が大切なシーンでは、ローパスフィルター、ノイズ処理の相互的な影響で解像感が全く違うのも驚きました。
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