PENTAX『645D体感&トークライブ』参加!:鈴木 一雄先生ライブ #645D
レポートが遅くなりましたが、4月9日のPENTAX 645D体感トークライブ、後半のセッションは風景写真家のプレゼンテーションの報告です。
◆鈴木一雄さんのプロフィール
サラリーマンを経て自然写真家に
独自の撮影術
2月に15年かけて制作した櫻乃聲―鈴木一雄写真集を2月に出版
独自の露出理論に定評がり、著書よくわかる一眼レフ露出のテクニックでそのノウハウを公開
◆645D 驚愕の世界
- フィルムを愛しているので現在もフィルム中心の作品作り
- 645Dと出会って4000万画素は別次元 世界観が違うと感じた
- 画素数が多く解像力だけ良いという問題では無い、645Dの画像は描写力、立体感が違う
◆フルサイズデジタル一眼レフカメラとの比較
- 作例を見る:645Dとフルサイズ一眼の描写力の違いは数字以上のものがある
◆偽色が少ない
- ローパスフィルタが無いが逆光で白飛びするような場面で45D方が偽色が出ない
- これはフィルムと同じ特製である とても感心した
◆抜群の操作性
- ミラーUP WB ドライブ 画像仕上げ ブランケットなど単独のスイッチに与えられている
- 風景写真ユーザーのように高齢の方となると細かい操作が苦手になってくる、手袋をしている時も有利
- ヒストグラムが正しく正確に表示され、表示が画面内に大きく配置されているのにも感心した
- ファインダー視野率が98%はすばらしい
- スポット測光の精度が良いので露出計が必要無い
◆撮影時のセットではフルサイズより総重量が軽い
- 200mmまでのレンズ数本とボディのセットで645Dシステムの合計の方が軽かった
◆画像処理についてPENTAXの考え方
- RAWデーターで撮るのことが本当に面白いかは疑問
- 他メーカのようにパラメータの組み合わせで画像を考えることは本来の写真の楽しみと違う、なんでも自分でやりたいという方はそうすれば良い
- フィルムと同じような感覚で仕上がりの特徴を選べ、それぞれの仕上がりの完成度が高ければそれで良いのでは無いか
◆各画像処理モードの特徴
- 風景で使えるのは風景モードだけでは無い、各モードの特徴を生かす使い方
- ナチュラルモード 例えば滝の撮影に適している。階調ががしっかり出ているのを実感
- ほのか ハイキー超が好きな人が使えば良い
- 鮮やか 階調が狭なくなり、写真が少し締まる
- 雅 なかなか面白い 独特の世界 青と緑が独特
撮るシーンによって、鮮やかモードよりも締まる、逆に、ナチュラルに近いイメージで仕上がるケースもある。 とても面白い - 風景 シャドーがつぶれる力強くなる
- リバーサルモード 更に黒がつぶれる
リバーサルフィルムという言葉を使うのがおかしい例えばベルビアでも3種類がある。もう少しわかりやすいモード名にした方が良いのでは無いか - 風景モードで、黒が締まるが、その中でシャドー表現が良く出来ているので35フルサイズよりも階調が良く撮影出来る
◆魅惑のレンズワーク
従来の645レンズはデジタル専用設計レンズに決して負けていないのが結論
専用レンズは防滴防塵が利点
- 単焦点35mm 一番使うレンズ ズームレンズより接写が可能なのでダイナミックな表現が可能
- 45?85
- 80?160 見事 違和感が無い 新しくレンズ買わなくても良いのでは無いか
- 200 シャドー部がしっかり 立体感につながる
- 300 一番驚いた
1.4のテレコンをつけてもしっかりと写る
基本性能が良くないとテレコンでこれほど写ることは無い - 120マクロ 自宅で使ってみたがこれもすばらしい
所有するすべてのレンズが問題無く十分に楽しめた
ペンタックスというメーカー 出来るだけユーザーに買い換えさせないようにしているので貧乏になる www
◆ホワイトバランスの調整が大切
- 最近CBLという機材を使っている 凄い道具、ホワイトバランスが一発で決まる
◆デジタル世界観 幸せな写真人生のために
- これまではフィルム8割で撮影していた
- 645Dでようやくフィルムのカベを超えた 今後はデジタルとフィルムの比率が半分になるだろう
- 35mmに近い広角レンズが近いうちに出る筈
- 画像処理でパソコンを楽しみたい人は楽しめばよい
- ペンタックスには撮影が好きだがパソコンが苦手という人も楽しんでもらう姿勢、写真に対する思想がちゃんとある
- 風景はお年寄りの方が多い 風景を撮影する方は、人生の集大成を撮っているということ
- 風景写真は現場に行くこと、そしてそこでシャッターを切る瞬間が一番楽しい
- 家にもどって画像処理を楽しむのが苦痛であればペンタックスを選択すれば優しく迎えてくれる
- なぜフィルムに拘るか 写真を感動して撮ることが重要 モニタや設定を気にすると写真が弱くなる
- メーカーはどこに向いてカメラを作っているのかが重要
- 本来銀塩もフィルムを両方楽しめるのが本当の贅沢
◆まとめ
- 逆光でフルサイズを大きくしのぐのは本当に驚いた
- 細かい画像調整についてはペンタックスに改良をお願いしている
- 撮影するときもモニタに頼るのなら遮光ルーペが必須である
- もしどうしても自分で画像処理し、自宅プリントに拘るのであれば正確に画面のキャリブレーションをやらなければ絶対にに良いプリントが出来ない
- それが出来ないのなら、シャッターを切ることに喜びを感じ、印刷はプロに任せ、仕上がりを楽しむという考え方もある
- フォトコンに出すなら画像をいじったりしちゃいけない
- 画像をあとからいじくる始めると無限大の作業になる。すなわち達成感が得られない、満足感が得られない
- 鈴木一雄先生が提唱するスポット測光術 スポット測光+1の手法
白なら+2 緑なら2・3 など 露出を大切にすること。
田中先生がRAW撮影を強く勧めていたのに対し、鈴木先生は、仕上がりモードを中心としたトークということで、カメラマンの方それぞれの思想や、写真に対する強い思いが伝わって来て面白かったです。
特に、鈴木先生のトークを聞くと、何故ペンタックスという小さなメーカーがこれほどまでに、カメラ内での画像処理に拘るのかが判ったような気がします。
645DもK-7もK-xも同じ思想で作られているということも良く判りました。
ますますペンタックスファンになりそうです。