リコー代表取締役社長執行役員の近藤史朗氏とHOYA代表執行役最高経営責任者の鈴木洋氏の会見の模様がデジカメWatchで詳細に報道されています。
既報の通り、10月1日付けでPENTAXイメージング・システム事業が手がけているデジタルカメラ、交換レンズ、デジタルカメラアクセサリー、セキュリティカメラ関連製品、双眼鏡など光学製品の開発、製造、販売事業をリコーが買収する。買収金額は非公開で、今後も開示の予定はない。
リコー代表取締役社長執行役員の近藤史朗氏とHOYA代表執行役最高経営責任者の鈴木洋氏の会見
■ HOYA 鈴木洋氏
- リコーはカメラを真剣に捉えており、しっかり受け継いでもらえると思って決断
- カメラ業界では再編が続いていくべきだ
- (ペンタックスは)我々が持っていないほうが望ましいと思っていた
- HOYAは今後、光学技術を使った医療分野に注力
■ リコー 近藤史朗氏
- 2年ほど前に話し
- 『こんなもの(PENTAX Q)を作って欲しいよね』という話しをした
- Qの完成を待っていて今になったわけではないという。
- 両社(HOYAとリコー)は同じプロダクトブランド(PENTAX)を異なる事業領域で持つことになる
- リコーとしてコンシューマー事業の強化が最大の課題
- リコーが目指すのは、ペンタックスとリコーブランドの単なるシナジー創出ではない
- リコーらしい、ペンタックスらしいデジタルカメラの戦い方を求める
- 写真本来の楽しみ方はレンズ交換式カメラに集中していく
- HOYAが持つ硝材などリコーで生かせるものは使用していく
■新会社について リコー 近藤史朗氏
- リコーがペンタックスブランドを使用することで金銭のやり取りは発生しない
- ペンタックスブランドの価値を高めるためにHOYAと協力
- 新会社をリコーに吸収することは考えていない完全子会社として事業を運営
- リコーのデジタルカメラ事業も、新会社に移管
- 3年後には1,000億円を超える事業に
- 新会社ではオンラインストレージなどのプラットフォームを利用した新しい事業も考えている
- 価値の高いものを提供
- ブランドを愛してくれるユーザーを世界に作っていく
- 価格管理もしっかり、リコーと同じように値崩れを起こさないような方針
- 「645D」を用いたイメージアーカイブ事業なども展開、国会図書館で採用
■今後のカメラ作り リコー 近藤史朗氏
- レンズ交換式カメラを強化、交換レンズも増やす
- ペンタックスのレンズ、絵作り、メカ設計などは世界に誇れる技術。リコーがサポート
- 研究開発費もこれまで以上に投資
- 大手2社(キヤノンとニコン)と同じものを作ることは全くない
- ペンタックスは本当にいいカメラを作っているが、なぜか2社に追いつけていない
- マウントについては、645、K、Qのいずれも存続
- GXRについては、「今日は答えを持っていないので、勘弁して欲しい」
- リコーのデジタルカメラ事業は見直しが必要
- ペンタックスと重複する部分については考えていない
- リコーのカメラは、カメラ好きのメンバー好きなものしか作らない。ビジネスにしなければならない
ということで、リコーはデジタルカメラ関連の新会社を設立し、レンズ交換式デジタルカメラに注力しペンタックスブランドとしてボディとレンズを強化すること。
一方、リコーの「カメラ好きの方」が考案したGXRについては微妙な発言・・・・
実はレンズ交換式カメラと中途半端にバッティングすることが、今後の存在として微妙なポジションになるのかもしれません。
個人的にはKマウントAFができるマウントアダプターとそれに対応するAPS-CのGXRユニットが出来れば、GXRも存続の道があるような・・・・(中途半端ですが)
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では、なぜリコーはPENTAXを買収したのか。それは、リコーのなかで「コンシューマ事業の確立が課題になっている」(近藤社長)から。まずは、これまで手がけてきたデジカメを安定した事業として成長させ、次のステップとして「ストレージを含めた事業領域の拡大に取り組んでいく」(近藤社長)方針だ。
長期的な視点でリコーのデジカメとともに育てていきたいという考えを示している。
Via : 【レポート】リコー、HOYAのPENTAXイメージング・システム事業を買収 | 家電 | マイコミジャーナル