オリンパス小川社長ロングインタビュー記事(PHOTOYODOBASHI)
ヨドバシカメラの写真サイトPHOTOYODOBASHIにオリンパスイメージングの代表取締役社長小川氏のインタビュー記事が掲載されています。
お題は「ミラーレスというシーンが生まれた理由」ということで、4ページに渡るロングインタビュー記事、、、、
フォトキナ会場で「あ、どうもどうも」と編集長が挨拶したお相手は、オリンパスイメージング株式会社の小川社長。大変ご多忙なさなか、私たちの突然のインタビュー申し出をご快諾いただき、社長自ら応えていただけるということで、テクニカルな内容よりも少し全体的なお話を伺ってきました。
Via : [PY] ミラーレスというシーンが生まれた理由 オリンパスイメージング株式会社小川社長インタビュー | photo.yodobashi.com |
■フォーサーズからマイクロフォーサーズ
- 高画質と携帯性のバランスを取るためにはミラーを取り払うことも考える必要があった
- 一眼レフは、大きく重く、使うのが難しく、はじめての皆さんにとってはハードルが高い
■アートフィルター
- アートフィルターを発想するきっかけは女性向け写真教室で
- 企画サイド、開発も疑心暗鬼で、最初はコンセンサスが取れていたわけではない
- 雑誌社の方々にも邪道だといったようなことも随分書かれた
- 今ではむしろプロの方々にも積極的に使っていただけるようになった
- ライトトーンというアートフィルターをプロの皆さんから高い評価を得ていた
- ファンタジックフォーカスは、芯を残したまま、柔らかい表現。後処理でチャレンジしても同じものができないと言われた
- アートフィルターをリアルタイムで見せるということは処理時間のスピードが必要
- PENシリーズが持つコンセプトとアートフィルターが合致したのが大きい
- PENは、これまでのカメラとコンセプトが違ったため、新しい実験が色々できたというのも非常に大きかった
- 開発者からも様々なアイデアがPENに持ち込まれるようになった
- ライブガイドは女性デザイナーが考案
■OM-Dの企画や開発について
- 一回撮影に出るともの凄い枚数を撮り、とにかくよい写真を撮ることに一生懸命なユーザーは一眼レフに興味を持つ
- 撮影枚数は少ないが、カメラを持ち出す頻度が高く、ブログ、SNSなどに興味、簡単な操作でプロのような写真を撮りたいユーザーにフォーカスしたのがPEN
- 企画側がOMっぽい形のものミラーレスで作ってみたいと言って来たが、Panasonic G/GHシリーズのアプローチと同じだった
- オリンパスならではの味付け、PENとは違った形に、いま最高のものをボディに詰め込みたいと考えた
■フォーサーズの行方
- PENとOMでマイクロフォーサーズで求められるニーズに広く対応できたと感じている
- Eシリーズ(フォーサーズ)もまだまだ、どうしても必要だと考えている
- プロの皆さんはOM-Dで完全に満足できてなく、まだ越えなければならない要素がある
- フォーサーズには高い描写力を誇るレンズラインアップでこそ実現できる世界がある
- E-5の後継機への期待いただくことについては勿論承知している
- E-5の後継機は、小型のカメラでというのを考えたい
- プロにも耐える小型軽量のカメラとなると技術的ハードルが高い
- 何年か先のロードマップを考え、複数あるスタディを取り組んでいるが、現時点では固まりきっていない状態
- フォーサーズ・マイクロフォーサーズはともかく、ミラーレスの技術にオリンパスはフォーカスすべきだと思った
- ミラーレスというのは、イメージャーとエンジンがベースとなる技術
- ベースに超ワイドをつけてしまえば内視鏡、超マクロをつければ顕微鏡になる
■センサーサイズ、高画素化
- イメージャー(センサー)のバランスも大事だが、システム全体のバランスも大事であり、オリンパスのアドバンテージでもある
- XZ2はカメラとしての完成度がもの凄く高い。大きなセンサーなどのサプライズは無いがトータルバランスに優れている
- XZ2は、我々としては求めている姿に一番近い形にまとまってきている
- 元々フォーサーズのポリシーがバランスを取るというところにある
- 高画素化はバランスを重んじるというベクトル上で考えていかなければならない
- フォーサーズより大きくフルサイズや、中判にした時にどれだけの描写力のレンズが提供できるのか相談しなければならない
- これまでフォーサーズやマイクロフォーサーズで突き詰めてきた技術、バランスの結果は、十分に満足できるものだと思っている
- センサーメーカーさんとも一緒にやらなければならない
- プリンター、ディスプレイなどカメラで収めたものを表現する手段もトータルで考えたい
■マウントアダプターについて
- ウェルカムという感じだった
- できるという面白さは理屈じゃない
- 他社のアダプターを保証できかねますというような杓子定規みたいなことはいいじゃん、カメラファンの皆さんが楽しんでくれるほうがいいじゃん
- そのためにはデザインもしっくりと、自慢はシルバーと黒、両方やること、レンズをつけた際のカッコよさも
- カメラというのは、つけて、見て楽しんで、触って、語って。それをカメラ好きの皆さんと一緒に楽しむこと
- バックフォーカスを短くしたことで楽しみがある。やった価値があったという感じ
■各社ミラーレスへの参入
- フォーサーズのときに、オープンマウントといいながら、なかなか入って頂けなかった
- 1社でなにかをするっていうのは、限界があると思う
- マイクロフォーサーズではレンズメーカーが多数参入した
- オリンパスだけでやっていたら、コンパクト以上一眼レフ以下みたいな見受けられ方で終わってしまうかもしれない
- 各社さんが参入してこられたということは、その存在を認めて頂いた
- OM-Dみたいなカテゴリーの枠を越えたカメラが出てくると、ミラーレスそのものが、カメラの既存のカテゴリーの中でオリジナルなポジションを確立してきたと思う
- ミラーレスの世界を作り上げ、各社が参入してくるものに育ってよかったと思っているが、もうちょっとゆっくりしていただいてもよい
- 業界全体としては、スマートフォンの影響がすごく大きい
- ミラーレスという新しいカメラの形の提案が受け入れられたという実績
- 今までのカメラはこうゆうもんだということに、こだわらなくてもいい、という感じに
- 良い意味で我々はもとよりカメラメーカー全体からの色々な提案につながっている気がする
- カメラは日本のメーカーが中心、新しい提案をどんどんファンの皆さんにしていくべきだと思う
ということで、XZ2が理想のカメラに近いというのが興味深いですね。
センサーサイズには関係なく、小型軽量かつ完成度とバランスで勝負するというのがオリンパスのミラーレスカメラのコンセプトと言う感じでしょうか・・・・
E-5の後継機については、インタビュアーの方がミラー有りの確証を取ろうとされていたようですが、なんとなく、ミラー無しのような雰囲気も漂っていますね(^^;、また発表もまだ遠いような雰囲気です。
OM-Dである意味最高のミラーレスカメラを出したオリンパスですが、次の打ち手はどのような姿になるのでしょうか?
各社のミラーレスカメラの進化が速くなっていますので、オリンパスも次のサプライズを提示して欲しいと思いました。
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