ヨドバシカメラのカメラレビューサイト、Photo Yodobashiにシグマ山木社長と開発者の方へのdp2 Quattroに関するインタビュー記事が掲載されています。
SIGMA dp2 Quattroは、レンズの基本構成こそ従来機からのキャリーオーバーとなりますが、センサーをはじめとして殆どが刷新されました。ポケットに収まる「コンパクトデジタルカメラ」のパッケージングに大判センサーを搭載する、”カテゴリーの枠を超えたカメラ”を最初に送り出したのはSIGMAでした。しかし今度のdp2 Quattroはどう見てもポケットには収まりそうにありません。ポケットはもとより再びカテゴリーの枠からはみ出してしまったカメラを見て、これはぜひ話を伺ってみたいと、3月にSIGMA本社を訪問いたしました。その模様をお届けしたいと思います。
■シグマのコンセプト
- 「画質を追求すること」「作品作りにお使いいただくのに、しっかりとそれを支えるカメラであること」最も重要視
- コンセプトは首尾一貫
■dp2 Quattroのデザイン
- 形ありきで開発したわけではない
- 様々な物事を積み上げていった結果
- 各社に対しSIGMAとしてはどうあるべきか考えた
- 迷ったときには、常に「画質」を優先
- デザインとはその会社が何を考え、どうしたいのかというものが稜線として表れている
- 社内でも「この大きさはまずい」という意見もあり、山木社長にも相談それでも優先すべき事を大切にしようという判断
■Quattroセンサー
- SIGMAとしては「画質(解像度)を追いたい=ピクセル数を増やしたい」という考え
- 今後一眼レフであるSDへの展開も考えている
- 基本的にはX3センサーが出す画と質感は同じ
- 解像度を上げつつデータ量を抑え込むための着想
- 画像としてはR:G:Bが1:1:1の情報量
- ピクセル構造的にはR:G:B = 4:1:1のロスレス圧縮をし、画像処理の段階で解凍してR:G:B = 4:4:4になる
■「ダブルDSPシステム」
- dpではADコンバーターを4つ搭載
- 2Gbitメモリー付きチップで前段処理
- 4Gbitメモリー付きチップ(TRUE III)で後段処理
■レンズ
- レンズの設計は約3年前
- Merrill用として100本/mm以上の解像度が必要
- 設計データから解像限界を計算し、Quattroでも問題ないと判断
- 発想としては絞りがレンズの前方
- 前群でフォーカス
- ダブルガウスの前側がない変形ガウス
- 後群にテレコンで、テレセントリックス性も改善
- 周辺の性能を出すためにぎゅっと絞って使っている贅沢なもの
- 球面収差の倒し方をちょっとアンダーに設計し、解像は落ちるが後ボケがきれいになるよう設計
■UI
- あまり奇をてらったことをせず、写真と向き合うお客さまがスッと扱うことができる操作感を追求
- プロ、ハイアマチュアを意識し一眼レフに近づけているが、様々なユーザーの方々が入りやすいように意識
- ダイヤルの感触などが日本人の感覚だけではダメ
- 指が触れる部分であれば日本やアメリカではソフトな感触が好まれる
- ヨーロッパ(特にドイツ)ではしっかり・がっちりとした感触が求められる
- レイアウトは一本道ではなく、様々な紆余曲折を経て、サバイバルのように生き残った結果が採用
- デザインが決まるまでに半年ぐらいの時間がかかりました。
- 新しいセンサーの能力をきっちり最大限発揮するカメラで、形以外は普通に作った
- 違和感なく使えることを意識
- もう少し新しいUIへの飛躍があっても面白いかなと思っている
■今後のSIGMAとしての物作りのスタンス
- お客様に驚きを持ってもらえる製品を作っていきたい
- 日本でできることをやろうとなると、気心知れた仲間とこだわった製品を作るというのが一番
- モチベーションと使命感をもって取り組んでいく。そんな物作りをしていきたい
- Foveonセンサーで、画の質で勝負したい、驚いていただきたい
- 使っていて心地よく、ルックスも持ってるだけで嬉しくなるようなものを作っていきたい
- モノが消費されていく現代において、カメラやレンズはまだ愛着が求められている数少ない製品
- 単に美しいデザインではなくて、愛着が湧くようなもの
- 細部までこだわって、最後まで製造して、お客様にお届けできるのが一番いい
- 中小企業ならではのフットワークのよさと思い切りみたいなのは大切にしていきたい
このインタビューを読むと、シグマという会社が山木社長の元一丸となって、日本のもの作りの原点をカメラという製品として楽しみながら追求されていることが判りました。
ますますシグマのファンになりそうです;;;^^)