YOUのデジタルマニアックス

ソニーα7IIのRAW現像ソフトをざっと比較してみた

先日、SONY α7IIの開封時に、CaptureOneのパンフレットだけ、、、なんて書いてしまいましたが、Twitter経由でそれは間違いであり、PhaseOneからソニー専用の
「Capture One Express (for Sony)」が無料ダウンロード可能であるということを教えて頂きました。

早速ダウンロードしてインストールしてみました。

が、それだけではネタとして面白く無い、、、というべきか、やはりお詫びとしてα7IIのARWファイルが現像出来る各種RAW現像ソフトと比較してみました。

■各種RAW現像ソフトの外観と使い勝手など

こちらで記事にしています

比較したソフトは以下の合計5種類です。但し、RAW Therapeeは現時点でα7IIの現像には公式に対応していませんが、現像出来てしまったという感じですのでご考慮下さい。

 

進化が止まっている?(^^;ImageDataConverter以外は、グレー色やダイアログレイアウトが似通ったテイストのUIになって来ているようですね。

 

Lightroomは、現像パラメーターの管理やライブラリ機能が優れており、また外部編集ツールの連携等、大量のRAWファイルを一気に現像するワークフローと、写真の統合管理に向いていると感じます。

 

SilkyPixは1枚1枚をじっくり仕上げる感じでしょうか?

 

CaptureOneのUIはぱっと触って判りやすく洗練されている感じです。
更に、Pro版にアップグレードすることでティーザ撮影の強力な機能も追加されますのでやはりプロの方の評価も高い理由が判ります。

 

RAWTherapeeはより学術的というか現像パラメーターもかなりの数になりますので、これら全て把握するだけでも大変そうですね(^^;

 

■28mm側で撮った写真を現像してみました

記事はこちら

レンズは、FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS(SEL2870)
ƒ/6.3、1/80、ISOは100でした。

■70mm側で撮った写真を現像してみました

記事はこちら

こちらはƒ/8.0、1/160、ISOは100でした。

 

■感想

まず露出ですが、Image Data Converterと、Capture OneはディフォルトでJPEGに近い露出になるようです。
両者ともSONYのカメラに特化していますので当たり前と言えば当たり前だと思いますが、更にCaptureOneはAutoで処理した時のバランスが良く、階調豊かに仕上げるようで、安定度が高いですね。

対してAutoExpose処理が苦手なのがLightroomでした。
これまでも他のカメラの現像を行っていた際、AutoExpose処理すると明るくなり過ぎ白飛びが多発していた印象があります。
またディフォルトでもノイズ感が目立ち、AutoExposeを実行すると更にそれ目立ちます。
LRの場合露出はカメラ設定のままか、マニュアルで確認しながら微修正というのが良いようです。

 

SilkyPixはディフォルトでもカメラ情報を取得して積極的に各種の補正が行われるようで、読み込んだままでは(ゼロ設定指定)補正が少ないLightroomと対照的です。
SilkyPixユーザーの方が使われることが多い(と思われる)“風景”パラメーターも使って比較してみましたが、彩度を大きく加える調整になってしまいます。
これらの傾向はやはり日本人好み、、、というか、年配の方も含め幅広いユーザー向けであり、面倒くさい設定無しで見栄えがする処理が得意なソフトということでしょうか。

 

次に等倍と200%拡大を使って解像感も確認してみましたが、意外とカメラ内JPEGの解像感バランスが良いと感じました。
シャープネス処理の痕跡が見られますが、過度では無く適度な量に感じます。

 

RAW TherapeeとLightroomはディフォルトでは殆どシャープネス処理は行っていないようですので、調整しない状態で現像した写真と、カメラ内JPEGを比較すると、後者の方がしゃきっとしていて見栄えが良い感じです。

ただLightroomではシャープネスを上げるとそれなりに解像感が出てきますが、同時にノイズ感も増して来ますので、慎重にシャープとノイズ低減の設定を検討することが必要そうです。(両方とも画質が落ちるパラメーターなので心配ですし)

 

その点Capture Oneのノイズ感とシャープネスのバランスが良く、読み込んだだけでノイズと解像感がベストなバランスになるようで、やはりSONYのカメラ向けにチューニングされている印象があります。

意外なのが、SilkyPixで、28mmではレンズ補正に失敗したような解像感の大幅な低下が見られました。
また70mmではシャープネス処理がキツい印象で、処理後の縁取りが見られるようです。

更に、SilkyPixの風景パラメーターでは彩度と共シャープネスも強めに追加する傾向があるようです。
彩度が高くかつシャープネスが高いのが好きなユーザーの好みを反映しているかもしれません。

 

簡単に感想を述べましたが、個人的には、Capture Oneが画質も良く最も使い易いRAW現像ソフトでした。
特にオートにした時の各種処理のバランスが絶妙で、ソフト任せで問題無い写真が出来そうです。
勿論、各種パラメーターを追い込むことが得意なソフトでもあります。

プロにも好評なCapture One Proと同等の処理エンジンをSONYユーザーに無償提供されているのも素晴らしいと思います。
RAW現像だけであればPro版とExpert版の違いは殆ど不便はありませんし、更に朗報なのは、SONYのカメラ専用になりますが、Pro版にたった23ユーロでアップグレード出来る点です。(円安が悲しいですがそれでも安い!)

Proのフル版が229ユーロですからSONYユーザーの方はその1/10の価格で最高のRAW現像ソフトを使うことが出来るのですからこれも素晴らしいです!
私も早速アップグレードすることにしました!

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