デジカメWatch様が、恒例の各社インタビュー記事をアップしました。
各社同じ質問を投げかけられており、その答えを横並びにしてみました。
質問 | キヤノン | ニコン | ソニー | オリンパス | 富士フイルム |
写真で大切なことは? | 歴史を感動とともに記録しておくもの | エモーショナル その瞬間を残すもの |
多様化、写真文化そのもの はすごく広がっている | 心の豊かさに貢献 | 残すもの、記録するもの、共有したいもの |
カメラで大切なことは? | 感動とともに歴史を記録する道具 | 残したい瞬間、写真をしっかりと記録して残せる | 今ならではの使い方に合わせてアプローチをしていく | 意味のある道具 持つ喜び、上質感を価値の中心に置きたい |
人間の眼に近づける(目で見たままの感動を伝える)ことが夢 |
カメラの企画開発で大切にしていることは? | 撮影領域を広げていくこと | お客様の資産、使うシーン、喜ぶ顔 | 良い画質が得られるカメラを作ること 多様性に対してアプローチ |
技術一辺倒にならずバランス感覚をもつ 「名機」を作ろうという気持ち プレミアムブランドとしての品位やセンス |
「写真」と「画質」を気持ちよく再現できる小型で軽量な道具 コストより性能のほうに重点 |
レンズ交換式の魅力は? | レンズが最も重要 | バリエーションのある写真が得られる いろんな表現ができる可能性 |
レンズが交換できること ボディを変えると「カメラ」が変わること |
気持ちを具現化してくれる道具が多い方がいい 表現の幅が広がる |
写真の表現や撮影スタイルを変えられる 撮影領域が広がる レンズの味や描写を楽しむ |
一眼レフの魅力は? | 瞬間を意のままに切り取れる 光学ファインダーの魅力 完成された道具の美しさ |
信頼性、フィルム時代からのレンズ資産、光学ファインダーの追従性 | 絶対的にスペースがありいろんなものが積み込める可能性 続けていく |
光学ファインダーは被写体を追いかけるにはまだ優位性あり | 光学ファインダー、スピード、レンズの豊富さ、電池寿命がシステムとして充実 |
ミラーレスの魅力は? | ダウンサイジングし軽量化 女性や旅行する人 |
システムの小型化、デザインの自由度 | 小さいだけじゃなく、良い写真がとれる 大切なのは基本性能 |
小型軽量と親しみやすいスタイル EVFで効果を確認できる |
EVFの使い勝手の良さ、ピントの精度、小型軽量、オート機能、高画質設計のレンズ ミラーショックが少ない |
レンズ交換式カメラの今後の進化は? | 交換レンズの「群」としての完成度を上げていくことが最優先 Kissはミラーレスに置き換わるかも EFレンズに新しく1本のラインを加えていきたい |
もっと高画質化に向かう 一眼レフカメラでないとできない高画質もある |
α7シリーズは目的別の機種 Aマウントは違ったところを狙う |
EVFの進化で光学式ファインダーにこだわらない ミラーレスはあらゆる面で進化する |
一眼レフは革新性にもの足りなさを感じる ミラーレスは一眼レフを超える高速化 レンズ群はさらに拡充 |
将来まったく新しいカメラは出るか? | ぜひ出てきて欲しい、若い世代が中心になってチャレンジしている | かたくなに守っていくべき機種と改変しチャレンジしていく機種がある | LYTROカメラに注目 ウェアラブル、スマホが新しいカメラ文化を牽引し多様性を広げる |
可能性はある Open Platform Cameraの製品化は未定 |
カメラの本質から大きく外れたものは長続きしない |
カメラのモデルチェンジサイクルは? | 毎年のモデルチェンジは積極的に行わない方向になっていく | 長くなる傾向 ブランドの信頼感も高められる |
ハードは開発スパンが長くかかる ソフトで進化させることで時間軸を短縮できる |
技術が進化して新しい価値が提供できるなら他社にさきがけて製品化 | 頻繁なモデルチェンジは、誰の得にもならない |
センサーの大型化は? | FXの高画質化が優先 | 様子見をしている | システム全体のベストバランスはフォーサーズ | 大きければいいというものでもない | |
センサーの高画素化は? | ピクセルクオリティを保ち画素数アップしたカメラを近々出す | レンズの“伸びしろ”はあり対応できる トリミング等で新しい写真表現が可能 |
お客さまのニーズ次第 | ゆるやかに高画素化に向かう | 高画素化に向かうがレンズ性能で頭打ち 今の技術ではAPS-Cで2,500万画素が限界 |
イメージセンサーの「新しい機能」は? | 答えは保留 | 高画質化、高感度化、高速AFや高速撮影機能 | 一番の要望はフォーカス性能 高画素で高感度、そして高速 |
高速化、低消費電力、高感度特性、高ダイナミックレンジ 像面位相差AF |
高速読み出し機能、高感度性能の向上。グローバル電子シャッター |
新しいタイプのセンサーは出る? | 光の方向性など取得できれば新しい方向への進化 | 回答出来ない | 学会レベルを調べてみても具体的なものはまだない | 可能性はある 積極的に採用したい |
可能性は充分にある 有機式もあるがだまだ先 |
画像処理技術の進化にり可能になる“夢”は? | コンピューテーショナルフォトグラフィーという技術 | 詳細は話せない 色々なことができる可能性はあり |
スーパーコンピューターがカメラの中に入れば、ライトフィールドカメラが具体的に | 人間の頭脳のように画像情報を理解し利用し性能をアップさせたり | ダイナミックレンジの拡大など人間の眼に近づくことが大きな夢 撮影者のビッグデータを利用し学習するカメラ |
画像処理の是非は? | 写真の基本は“素”の光学性能が良いこと 取り除くことができない収差などは補う |
用途次第 記憶色レベルの処理は許せる |
いろんな場面で、いろんなカメラが使われる時代になる | レンズとセンサーの性能や潜在能力を最大限に引き出すような技術は必要 | 良いこと 応用範囲は広く可能性が広がる |
メカシャッターから電子シャッターになる? | 可能性は否定出来ない 電子グローバルシャッターが合理的 |
可能性はあるがまだメカが続く | 可能性はあるが利便性だけで成立しているものではない | 可能性はあるが技術的側面だけの合理性は求めない | 可能性はある メカシャッターの欠点を解決 カメラの小型化にも寄与 |
電子手ブレ補正に代わる? | 当面は光学式のほうが期待 | しばらくはレンズ内VR | それぞれの良いところを組み合わせれば良い | 画質の劣化は避けられないので難しい | |
完全自動カメラは? | つまらない | 技術は追求するが、意志を込める写真の答えにならない | |||
一眼レフカメラの売上鈍化の要因は? | 減たのはエントリーモデル 進化が遅くなり買い換え需要を起こせない |
進化が鈍化し買い替えサイクルが遅くなっている 市場在庫の問題もあった |
ある程度のクオリティは一巡し買い換え、増しのモチベーションが減った 満足できる技術革新がない |
将来ミラーレスカメラがメジャーに、一眼レフがニッチなる 買い替えサイクルも長くなってきている |
本格的なミラーレスカメラの登場が影響 市場が成熟し、技術進化の鈍化も原因 |
ミラーレスカメラの売上増加の理由は? | ブームも一巡し、あとは定常走行に入る | 小型化と高画質化 いままでの一眼レフでできなかったことができるこ |
満足してもらえる性能のミラーレスカメラが出てきたから | 女性や中高年の市場を拡大する努力 上級機でプロやハイアマが増えた |
ユーザーのカメラに対する見方が変わってきた |
コンパクトカメラの今後は? | 高倍率や高級コンパクトは伸びている | スマホではで撮れない写真 サブカメラとしての高級コンパクト |
特長があるもの以外はさらに需要は縮んでいく | ||
動画機能は必須か? | 必須、新興国では重要 | トレンド 4Kはお客がだんだんと気づき始めた |
必要 強化したい |
必須 これからは積極的に動画撮影にも力を入れていく |
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レンズ開発で重視していることは? | 光学性能は絶対に譲らない前提で、耐衝撃性、耐久性を向上 | 画質が一番 小型化、軽量化で進化 |
画質優先に 加え、利便性、取り回しの良さ | レンズ、イセンサー、画像処理のバランスが重要だがレンズが最も重要 | 光学でとことん性能を出す AFや手ブレ補正機構のも大切 手につたわる感じ、操作性の向上、小型化軽量化に挑戦 |
レンズ性能や機能は更に進化するか? | レンズの重さやサイズを改善 | 小型化、軽量化 | Eマウントレンズは歴史が浅いので、一生懸命走っている最中 | 設計と製造技術とのバランスがポイント | アナログ技術は大きくジャンプしない バランスをとりながら少しずつ進化する |
画像処理によるレンズ補正をして良いか? | ON/OFFできることが条件 頼らなくても光学性能の良い製品作りが基本 |
限度をわきまえてやる 補正をしたほうがいい場合もある |
まずはレンズの性能が第一 補完的な補正はおこなっている |
画像処理に頼らない 画像補正処理に頼ると画質が劣化する |
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メモリカードはどのように進化するか? | より高速化 | 無くなることは無い | 次の進化はスピード | 現時点ではそれは考えられない | なくなることはない セキュリティ上も必要 |
メモリカードはクラウドに代わるか? | 一部無くなるカメラが出てくるかも | なくなるものもでてくるかも | 難しい | 無線を使った画像転送を前提とした製品の可能性もあり | 利便性があり将来さらに活用される |
スマホとの関係は? | スマートフォンは優れたインフラで利用しない手はない とてもおもしろい世界が広がりそう |
スマホを使って写真をおぼえたお客さまが、違和感を持たれないように気を配る | きちんと連携することが大切 敵視するのではなく、補完しあう関係 |
さらに積極的に親和性を高めるべき | |
フルサイズのミラーレスは? | お答えできない | Nikon 1の1インチが優先 | フルサイズは景色やポートレートの撮影 | 大型センサーを採用しないと言い切れないが具体的な計画は無い | APS-C判のカメラに集中してるが研究している 出す予定は無い |
今後のコンパクトは? | ミラーレスカメラが本当に必要か引き続き検証 | フォーサーズコンパクトは現在も研究中 | レンズ交換式以上に小型軽量、機動性、価格が重要なポイント | ||
中判カメラは? | 完全に否定しないが、それ以外にやるべきことがたくさんある | やるとも、やらないとも言えない | 巷ではいろいろと噂はあるが、それはない | 要望を受け研究中 需要は極めてニッチ |
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その他のフォーマットのカメラは? | 7D2が出てAPS-C一眼レフ要望があることを否定しない | 1インのミラーレスはなんともいえない 野鳥を撮られる方はAPS-C |
ミラーレスはAPS-C判が最適なフォーマット | ||
メモリカードについての対応は? | CFast2.0はいちばん有望なメモリーカード UHS-IIは対応したい |
XQDメモリーカードに関する回答は控える UHS-IIに関する回答は控える |
ダブルスロットは検討はしている | より高速化と大容量化 ダブルストッロは早い時期に対応 |
こうしてじっくり読んで見ると、各社の今後の方針や傾向が少し判ったような気がします。
キヤノンは噂の高画素機をすぐに出すこと、また、Kissがミラーレスに置き換わることもあると発言されているのが興味深いです。
ニコンはいかに一眼レフの資産を守り市場を維持するかで他社の動向を探っている感じでしょうか?
ソニーはこれまで同様、更にカメラの多様化を進める
オリンパスは積極的な技術開発を目標にしながらも、フォーサーズセンサーに集中すること
富士フイルムは将来にカメラに対して合理的な見方をしており、明快で一貫性がある方針を持っていると感じました。
今年に入り、カメラ市場が成熟期に入って来ていることが明確になりつつある一方で、日本のカメラメーカー以外で画期的なカメラが幾つか発表され、カメラ市場が多様化の方向に向かってるような気もします。
それだけに、2015年はそれを打開するようなカメラが望まれることになりそうですね!
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