米国の写真家でありカメラのレビューで有名なSteve Huff氏が、オリンパスOM-D E-M1、富士フイルムX-T1、ソニーα7sというマイクロフォーサーズ、APS-C、フルサイズという3種類のイメージセンサーという観点で比較した記事を掲載されました。
This was a blast to do, and shows the STRENGTHS AND WEAKNESSES of Micro 4/3, APS-C and Full Frame cameras, specifically the E-M1, X-T1 and A7s. Even I was surprised at some of these results
Via : MIRRORLESS BATTLE! Micro 4/3 vs APS-C vs Full Frame! | STEVE HUFF PHOTOS
これら3機種はHuff氏のお気に入りのカメラということですので、その中で更なるベストを選ぶということになります。
テスト方法
- テストに用いたボディとレンズ
- Olympus OM-D E-M1 / LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.
- Fujifilm X-T1/ フジノンレンズ XF35mmF1.4 R
- SONY α7s / ZEISS Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
- Adobe Camera RAWで現像した結果を比較する
- モノクロ変換はAlien Skin B&W フィルターを使用
- 撮影時の設定はAWBで露出は各カメラ任せ
シャッター優先1/60sで手持ち撮影テスト
勝者:オリンパス OM-D E-M1
- シャープネスと色再現性が優れる
- 5軸手ぶれ補正により低感度でもシャープな写真が撮れる
三脚、絞り優先f/4で撮影等倍でディテールを確認
勝者:オリンパス OM-D E-M1
レンズ開放でボケ量のテスト
勝者:ソニーα7s
モノクロ変換テスト
勝者:オリンパス OM-D E-M1
- 3機種共に、Leica Monochromeには遠く及ばない、勿論ナンバー1は銀塩フィルム
- その中でE-M1はかなりモノクロフィルムに近く、よりグラデーションが豊かで、暗部の階調に優れる仕上がり
- 富士フイルム X-T1がそれに続く
- 3位がα7sだが、他の2機種とそれほどの遜色は無い
色再現性能のテスト
- #1テスト(明所)の勝者はソニーα7s
- 2番目はオリンパスOM-D E-M1
- 3番めは富士フイルムX-T1
- #2テスト(植物をバックの影部)の勝者はオリンパスOM-D E-M1
- ほぼ同等なのはX-T1
- α7sは黄色被り気味
- #3テスト(グリーンのハイライト〜影部)の勝者はオリンパスOM-D E-M1
- 次はX-T1
- α7sの色は少々ダルな雰囲気
ポートレート撮影のテスト
勝者はオリンパスOM-D E-M1
- X-T1は色の演出が過剰気味
- α7sは寒色気味になる
- OM-D E-M1が最もバランスが良い
VSCO FilmでT-MAXプリセットでモノクロ変換するテスト
勝者ソニーα7s
- 富士フイルムが最もコントラストが高いがカラーテストの時より良い結果に見える
- オリンパスがバランスが良く良い画質を保っているが、α7sが更に良い結果になる
- 但し、M43、APS-C、フルサイズというセンサーサイズの違いによらず、どれも似たような良い結果になる
ダイナミッグレンジテスト
勝者ソニーα7s
- X-T1 12.7段(RAWの場合9〜13段)
- α7s 13.2段
- OM-D E-M1 12.7段
- 同じような値でも実写ではフルサイズセンサーの方が余裕を感じる
暗所でのISO性能
勝者ソニーα7s
- X-T1は一見最もノイズが少ないように見えるが、RAWの時点で何らかのノイズリダクションが掛けられており、更にそれをOFFに出来ない。ディーテールが損失しているのが判る
- α7sもディーテールが損なわれているように見えるが、それは被写界深度のせい
- OM-D E-M1は高感度において、最もディーテールが保たれているように見える
- しかしながらα7sはISO102,000 まで可能であるので、高感度に強いと言えばやはりα7s
まとめ
- マイクロフォーサーズセンサーではフルサイズに太刀打ち出来ないという人もいるが、それはまったくの見当違いである
- ボディデザインと作りの良さのという観点でもベストがOM-D E-M1であることも言及したい
- この3機種を比較していると、作りが堅牢で良いとされていたX-T1のそれが最も低いことに気がついたのも事実として伝えたい
- E-M1の操作フィーリングはまるでプロカメラのように感じる、それと比較するとX-T1はおもちゃに近い(おもちゃと言っているわけでは無い)感覚となる
- ソニーのパーツもチープ感は無く、ソリッドでたくましく感じるが、E-M1の方がそれを若干打ち負かす程の品質とフィーリングが得られる
- ソニーα7IIは更にステップアップしており、E-M1と同等以上の品質を感じることが出来る
ということで、Steve Huff氏が今回の3機種で最も高く評価したのが、最もセンサーが小さいマイクロフォーサーズ機であるオリンパスOM-D E-M1ということになりました。
フルサイズ機の場合、良いレンズを作るにはそれなりに高価になりますし、同じ絞り値で比較すると被写界深度も浅く逆に不利になる場合もありそうです。
一方、APS-CのX-T1は、富士独自のX-Transセンサーが使われていることから、AdobeのCamera RAW現像で比較すると(当初Adobeの現像は問題がありました)もしかしたら不利になっているのかもしれません。
富士フイルムの色の良さはフィルムメーカーの経験を活かしたカメラ側JPEGの方に現れると思いますので、このテストでX-T1が劣っているとは言えないと思います。
ただ、いずれにせよ、最も小型のセンサーであるE-M1がAPS-Cはおろか、フルサイズにも匹敵する写真が撮れるという事実も(あたりまえと言えばそうですが)確認出来たたのはたいへん参考になる記事だと思います。
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