lenscore.orgというサイトが、イメージセンサーの性能をテストし数値化して比較するSenScore™と同じくレンズを比較するLenScore™を公開しています。
lenscore.orgは研究機関の一部として、メーカーの支援や、広告を掲載しない、また、サイトのトラッキング情報も提供しない方針で運営されているということですので、中立を保った公平な計測結果を公開しているということです。
SenScore™
イメージセンサー性能を計測されているカメラは、主にキヤノン、ニコン、ソニーですた、一部ペンタックスのボディもテストされています。
テストに使われる標準レンズは以下のとおり。
- Nikon AF-S Nikkor 85mm f/1.4G
- Canon EF 85mm f/1.2L II USM
- Sony Planar T* 85mm f/1.4 ZA
- また現在テストされているPentaxのカメラはSMC FA 77mm f/1.8 Limited ということでした。
計測項目は、ノイズ、ダイナミックレンジ、色再現性、階調性、解像力を数値化しているということです。
現在のSenScore™ランキングトップはNikon D5
LenScore™
レンズ性能のテストは、Nikon AF-S Nikkor 85mm f/1.4Gのテスト結果が基準スコア1000となり、解像力、コントラスト、色再現性、ボケ、及び各収差のテスト項目の数値に比重を掛けて計算するということです。
LenScore™のトップはZeiss 1.4/85 Otus
これまで同様なテストサイトとしてはDxO社のDxOMarkのセンサスコアとレンズスコアが参考になっていましたが、SenScore™とLenScore™も同時に参考にすると、より客観的な評価の基準になるかもしれませんね。
【追記】 ———
コメント欄で、Nikon D5のダイナミックレンジ評価がDxO Markのテスト結果と逆転しているというご指摘がありました。
ご指摘のように、このサイトではどのようなテスト方法でどのように数値化しているかの詳細は書かれていません。
一方、FAQにはlenscore.orgの計測の特長として、他のテストサイトが主にベースISOでのダイナミックレンジ等を評価しているのに対し、SenScore™は実用的なISOレンジを考慮しているという記述がありました。
Most sensor ratings represent the image quality of a sensor under ideal conditions, i.e. base ISO, which is very important and useful for selecting a camera for studio use. However, most cameras do not stay in a studio or on a tripod all the time, they are taken to every conceivable dark and challenging corner of the world, and most of the time, they are used to take images under less than ideal conditions.
Via : SenScore™ Digital Camera Sensor Rating
確かにDxOでのダイナミックレンジ計測結果はISO毎に出ていますが、D5のダイナミックレンジ結果の12.3EVはベースISO付近の値のようです。
実際はISO1600を堺にして、D5とD4sの性能が逆転していますので、lenscore.orgの主張も正しいかもしれません。
またこちらのtechradarサイトのテスト結果にも注目すると
JPEG撮って出し(おそらく、オプティマイザ類は全てOFFにしていると思いますが)では、D5のダイナミックレンジはD4sを全ISOで上回っています。
逆に、RAW→TIFFの結果は、D5のダイナミックレンジが悪い値になっています。
(このサイトの本来の目的は、DxOでいつもニコンよりキヤノンが悪い値になっているのは違うのでは?(^^;という主張のようですが)
この要因についてtechradarの分析は
Raw (converted to TIFF) dynamic range analysis: While the D5’s raw file dynamic range is good, it is beaten by the D4S and 1DX Mark II indicating that these cameras capture a broader range of tones and that images stand-up to a bit more post-capture adjustment. DXO Analyzer was unable to analyse the raw files taken at the D5’s upper sensitivity values.
Via : Nikon D5 review: Lab tests: Dynamic range | TechRadar
- D5のRAWファイルでのダイナミックレンジは良好であが、D4Sや1DX Mark IIに打ち負かされている
- これは、より広いレンジと階調を記録していながら、現像ポスト処理でより調整されているからである
- またDxOのダイナミックレンジ分析はD5の高感度のRAWファイルについて採用されていない
ということで、確かにせっかく計測した高感度のRAWデータのダイナミックレンジをどのように分析しているかについてはDxOも公開していないと思います。
次にSN比のテスト結果を見るとD5はかなり良い値になっています。
このS/N比でのテストでも、こちらもDxOの計測結果の問題点を挙げています。
DXO Analyzer was unable to analyse the raw files taken at the D5’s upper sensitivity values.
Via : Nikon D5 review: Lab tests: Signal to noise ratio | TechRadar
ということで、計測サイトがお互いの問題点をピンポイントで指摘している状態だとは思いますが、我々はより多くの情報があるほど比較することで様々な考察も出来るかと思う一方で、あまりにも数値だけで比較してしまうのも、写真の本質から離れて行くのかもしれませんので、これらのサイトは参考程度ということですね!
————-追記ここまで
《新品》 Carl Zeiss (カールツァイス) Otus 85mm F1.4 ZE(キヤノンEF用)[ Lens | 交換レンズ ] |