開発者トークショーは、みなさん熱心にお話して頂いているせいか、時間が押し押しになり予定時間が迫って来ました。それでもレンズのことだけはお話したいということで、熱いセッションが始まりました。
XFレンズラインアップ 近藤氏
発売から4年の間駆け足で20本のラインナップを揃え一巡したと考えている。
個性があるレンズのそれぞれに思い入れがある。
これまで振り返って考えると、我々のこだわりは開放からの解像度は譲らないという姿勢で開発を続けてきたことであった。
例えば防振を入れると性能が落ちる時は、防振をやめて解像度を取るという社内での合意がすぐに得られた。
X-T2にオススメのレンズとは
これまでのレンズのラインナップを振り替えながらX-T2にオススメのレンズを示したい。
X-Pro1と同時発表した最初の3本のレンズ
画質は良いけどAFが遅いという厳しい評価があった(笑)
但しこれをX-T2のパワーで生まれ変わる。
AF速度の評価を5段階とし最新のレンズに5を付けるとするとこれらのレンズは 1の評価、これをX-T2に付けると2〜3になる。
但し、これら3本のレンズはX-T2に似合うというわけではない。
次に出したのはズームのラインナップ
レンズポンスが非常に高く、X-T1と組み合わせると非常に高いパフォーマンスを持っていたが、X-T2では更に上が欲しい。
キットレンズの開発にも手を抜かなかった、キットで高い性能で作ってしまったのでもっと差をつけろと怒られた。(笑)
ワイド単焦点レンズ
14mmは非常に収差の少なく高性能のレンズ。
イチオシは16mm F1.4。
ワイド画角の大口径で近距離撮影も15cmで可能。
ボケを活かしながらパースが効いているという、いままで無い作例が撮れる。
T2と組み合わせ欲しい。
中望遠レンズ
いままでの中望遠は解像性能が落ちるレンズが多かったが56mmと90mmは違う。
個人的には56mm APDに思い入れがある。
X-T2に向いているとすれば90mmをオススメする。
90mmに採用したリニアモーターは音もなく高速に駆動出来る。他社のUSMよりも静かでずっと速い。
ただ重いものを動かすのが苦手動なので4本のマグネットとコイルを使うクアッド駆動を採用しAFを高性能化した。
光学性能の方も、口径食が少なく綺麗なボケが味わえる。
ジャスピン性能が良く、ボケも素晴らしいので是非使って頂きたい。
アクセサリ
富士フイルムがミラーレスシステムをはじめるとき、テレコンは付かないと考えていた。
像面までの距離が短くテレコンが入るスペースが無いと思っていたが、望遠系の2本100-400と50-140ではテレコンが付けられるようになった。
赤バッチズーム
所謂大三元ズームと呼んでいる。
X-T2につけると一番パフォーマンスを発揮できる。
AF速度の5段階評価は、4〜5となる。
どちらもリニアモータなど富士の技術を惜しみなく使っている。
OSIの性能が非常によく、他社では実現していない5段相当の防振を実現している。
100-400は一番新しく、富士の技術が沢山はいっている
特に防振が非常に優れており、2倍テレコンに対応する防振を実現している、つまり重いレンズを普通よりも2倍振る性能を実現している。
富士フイルムがX-T2にオススメレンズまとめ
XF16mmF1.4 R WR
XF90mmF2 R LM WR
XF16-55mmF2.8 R LM WR
XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
テレコンバーター XF2X TC WR、 XF1.4X TC WR
ここで大幅に時間を超過、、、:-)
もーちょっと時間延長して良いですか?(拍手)
新レンズロードマップ
X-T2の発表と同時に新しいロードマップに3本を追加した。
23mm、32mm、50mmのF2シリーズ
F2だから出来ることをやろうと考えた。
フォーカス用のレンズを最小限の玉にし、システムを小型軽量しながら高性能を実現した。
AFはステッピングモーターで駆動する。
いずれも1枚玉でAFを行なっており、近距離まで性能を出せる。
これらのレンズはX-Pro2に似合う。
先細りのもかっこいいデザインでファインダーのケラれも無い。
80mマクロ発表について
当初のロードマップでは120mmのマクロにしていたが、必要な光学性能を達成しようとするとても大きく重くなってしまった。しかし性能を落としてまで小型にすることは出来ない。
企画や営業とたいへんもめた
発売を遅らせた間にいろいろ考えた結果断念し80mmマクロにした。
80mmにしたおかげでお客様にもメリットがある
コンパクトなサイズ、防振も入れた、加えて2倍のテレコンが使えるように設計している。
→これってここで言って良いの???
ここからオフレコにしてください(笑)
ワーキングディスタンス 110mm で1倍のマクロになる。これに2倍のテレコンで撮影倍率2倍の顕微鏡のようなマクロになる。
加えて、同じ倍率とするとワーキングディスタンスを伸ばせるというメリットもある。
非常に楽しみな80mmマクロになったので2倍のテレコンと楽しんで欲しい。
ということで、実はその後パワーブースターグリップの説明が残されていたということですが、もう会場の時間も限界ということで、イベントはここで終了ということです。
富士フイルムは、ボディのみならず、レンズについても並々ならないリソースを注ぎ込まれているのが、伝わってきました。また、X-T2とX-Pro2のダブルフラッグシップそれぞれに適するレンズを開発されるという、懐の深さも魅力であるというのも判りました。
ここまでとても面白く、参考になるお話を聞かせて頂いてありがとうございました。
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