フォトグラファーのMARKUS HOFSTAETTER氏が、クライアンとからの撮影依頼に対し、デジタル一眼レフカメラと、大判銀塩カメラの両方で撮影した写真を両方提出し選択してもらったというプロジェクトのレポートをアップしています。
約10年前まではそういった議論が盛んでしたが、完全にデジタルが主流となっている今時、デジタルv.s.銀塩という話はもう終わったかとも思いましたが、今回の結果はどうなるのでしょうか?
For a recent project, I was tasked with shooting a hot rod. It was exciting from the beginning, because this particular kind of car is pretty rare here where I live.
Via : Shooting a 300-Megapixel Photo: Film vs Digital
プロジェクトについて
- 顧客からホッドロッドカーの撮影依頼を受けた。
- オーナーは、愛犬を車のフェンダーに座らせた状態での撮影を依頼。
- 最低1億画素相当の画質で撮影することを要求された。
- 更に、プリントに対応する為にはその3倍相当の解像度も必要であることが判った。
- 仮にデジタル中判カメラであれば1回の撮影で1億画素が得られる、しかしそれをレンタルするのは非常に高価であり現実的では無かった。
- そこで下の2つのソリューションを試して見ることにした
- Canon EOS 5D Mark III+EF 100mm Macroのセットを使い、Nodalninjaパン雲台でマルチショット撮影
- Linhof Master Technika大判カメラにKodak Portra 160 VC銀塩フィルムで撮影
撮影について
- 問題は犬がじっとしていないことである
- 特にLinhofではf/11で1/18sのシャッターを切る必要があり、結果的には4シートのフイルムを消費してしまった。
- 結果両カメラ共に3億画素相当で撮影することにした。
- Linhofは1ショットで専門店のハイエンドスキャナでデジタライズ。
- Canon 5D3は24ショットをスティッチした。
- 数時間の編集作業で完成、ウィンドの反射、タイヤカラーの調整、草や石が付着しているタイヤトレッドのレタッチ等も行なった
結末・顧客の選択
- 顧客は最終的に銀塩バージョンを選択した。
- よりこの車に雰囲気にマッチしていた。
- おそらく、この車とカメラのオリジナルが同じ時代の製品であったこともあるかもしれない。
等倍画像を見ると、ディテールは確かにデジタルの方が詳細にキャプチャされています。
ただ、全体表示ではなんとなく銀塩アナログの方が、クロムや塗装の質感が豊かに見えるような気がします。
今回は特殊なケースかもしれません、あるいは撮影方法やレタッチ方法について各方面からのご指摘があるかもしれません。
それでも大判プリントでも十分に雰囲気のある絵が出て来る銀塩カメラに未だデジタルが勝てない部分も残っていることが解りちょっとだけ安心した気分になったのは私だけでしょうか?(^^;
作者Markus Hofstaetter氏のブログはこちら