ソウルに在住し雑誌等に写真を提供しているフォトグラファーDylan Goldby氏が、X-Pro2を愛せなかった理由という、ファンにとってはちょっと刺激的な内容の記事を大手カメラ・写真情報サイト、fstoppers.comに寄稿されています。
Some may say I’m squarely in the Fuji fanboy camp. I love their cameras and lenses, and will sing their praises whenever I feel it is due. However, today I’m going to write about the one camera I haven’t liked in the lineup so far: the X-Pro2 (aside from the X-Pro1,
Via : Why I Can’t Love the Fujifilm X-Pro2 | Fstoppers
Dylan Goldby氏はFUJIFILM Xシステムのユーザーでもあり、X-T2をメインカメラにされていますが、それでもX-Pro2が好きになれなかった理由は何なんでしょうか?
経緯
- かつてLeicaのM3、M6、M9を使っており、それらは身体の一部にまでなった刺激的なカメラだったが、それでも私はレンジファインダーカメラのファンにはならなかった。
- その後一眼レフカメラ、デジタル一眼レフカメラ、そして、FUJIFILM X-T1を使っていた。
- 今はX-T2を使っているが、そのセカンドボディを探していた時、オーストラリアで定価より600ドルも安く手に入れることが出来た。
- X-Pro2の価格は適正であり、殆どの時間は電子ビューファインダー使うことになるだろうということも知っていた。またレンジファインダーのデザインも当初は全く気にならななかった。
- センサーはX-T2とまったく同じなので、画質は完全に同じである。
- よってこ2台のカメラの違いは、主にカメラの操作方法であり、それらのX-Pro2での不満を語りることにする。
ボタン及びダイアル
- FUJIFILM Xシリーズカメラではボタンとダイアル類に関する問題は起こり得ないと信じらているかもしれない。しかしX-Pro2はそうでは無い。
- AF-L及びQボタンはボディの右側に偏って配置されており、ボディ面と同じ高さであることからフィーリングが悪くカメラを構えたままで正しいボタンを押すことが出来ない。
- 勿論カスタマイズでAF-Lボタンの配置を変更することは可能であるが、AF-Eボタンも指から遠く離れた位置にある、頻繁に使うボタンとして割り当てるのも相応しく無い。
- 一ヶ月使ってみたが、今でもことはいらいらする。
- 加えてフロント及びリアにジョグダイアルが配置されているが、X-T2よりもぎこちない動きをする。
- X-T2とX-Pro2で前面、背面の操作位置が異なるとことで、それらを両方記憶し使いこなすのに大変苦労することになる。
アイピース
- 3日前、アイピースリングが落下してしまった。それ以来バッグの中で頻繁に外れるようになった。
- FUJIFILMにその問題の改善について相談したが、彼らは$50のピースカバーを発注する必要があると回答した、よって丁重に断りアイピースを接着することにした。
- またアイピースはX-T2のような遮光タイプの形状のモノは無く、FUJIFILMのラインナップは貧弱だと感じている。
グリップ
- 最小限のグリップであることがこのカメラにとって最も良いことであるかもしれない、ただそれはデザインとしては過去に後退することである。
- 正直、X-T1とX-T2のようにこのカメラに引っかかり部を追加した方が良い。
- 単純に言えば、X-Pro2は十分な大きさのグリップを持っていない。
サイズ
- プアなグリップであるにも関わらず、このカメラは他のXシリーズよりも大型である。
- カメラ内部で使われていない多くのスペースがサイズを増加させる要因になっているようである。
- 有用な判断より、過去のデザインを継承する方向であるように思える。
- X-T2はもとよりX-Eシリーズではレンジファインダースタイルのカメラでありながらも内部は有効に利用されている。
- おそらく、ハイブリッドビューファインダーがサイズを必要としているのだろうが、次にそれの問題指摘したい。
ハイブリッドビューファインダー
- そのインダーはレンジファインダーのファンが常に賞賛している部分であるが、正直言って私は現在100%EVFを使っている。
- 使い始めた頃は光学ファインダーの可能性を探ることは新鮮だった、しかし、最終的にはパララックスの問題がこのカメラの扱いを面倒にさせていただけになってしまった。
- マニュアルフォーカス時ではフォーカシングリングの操作にリアルタイムでパララックス補正が追従する素晴らしい動作をする、しかし、AF時に(私は常にAFを使用している)は、フォーカスをロックした後に補正後のフレームにジャンプしてしまうのが扱い辛い。
- これは撮影時は毎回、合焦後に構図を調整する必要があるということになる。
- OVFを使う方々にとって重要な機構が搭載されていることは理解出来るが、私のようなAFシューターにとってそれはトラブル以外の何者でもない。
- Xシステムを使った経験からもう一言言わせて頂くと、OVFを使っている時は撮影結果が見れるというミラーレスシステムの利点が全て失わると考える。ホワイトバランスのプレビュー、被写界深度のプレビュー、更に露出のプレビューも出来ない。
- ミラーレスシステムで可能になった現場での迅速な判断がOVFでは出来ない。
バッテリーライフ
- 平均撮影枚数については他のXシリーズカメラよりも良いと予測していたので、このことを書くことになるのは予測していなかった。
- 私だけの経験かもしれないが、X-T2で同様に撮影した場合よりはるかに少ないバッテリーライフでだった。
- X-T2では常に400〜500枚撮影可能である、しかし、X-Pro2では150〜300枚なのである。
結論
- 個人的で主観的な感想であり、具体的かつ客観的では無いかもしれない。現にX-Pro2は未だ驚異的なカメラである、しかし単に私には向いていなかった。
- 多くのユーザーが各ポイントについて逆のことを考えていることも理解している、しかしこの記事がこのカメラの購入を検討されている方にとってはメリットとなる議論になればと考えている。
いかがでしょうか?
結局一番の誤算はバッテリーライフであり、それが仮にX-T2よりも良いとすればセカンドボディとしてはこれらの不満点は我慢出来るということかもしれません。
ただ、そもそも購入前に常にEVFを使うということが解っていたのならあえてOVFが特長であるX-Pro2を買って不満に思う以前に、X-T2を買い足しするかX-E3?(^^;を待てば良いのではとツッコミたくもなります。
しかし一部、同感するところもあります。
私もX-Pro2をハンズオンした時、あのAF-Lボタンの位置はキヤノンで親指AFを使う方にとって確かに問題があると感じていました。
が、OVFで撮影するカメラとしては親指AFは不要であるということで納得していました。
また、パララックス補正ですが、X-Pro2ではレンジファインダーでありながらAFポイントを指定出来、かつパララックス補正まで行うという驚異的な機能を実現しています。
しかし、それが仇となってファインダー内で指定したAFポイントがパララックス補正によって相対的なポジションにズレてしまうのはとても気になっていました。
加えて、ファインダー内に小さくライブビューを表示するといいう、これもFUJIFILMが発明した驚きのアドバンストハイブリッドマルチビューファインダーですが、右下の投影部分が暗くなっている部分が覗き込む角度によって邪魔になる場合もありました。
Youtubeにもそんな事例がアップされています。
そして、こんなに素晴らしいAFを搭載しているのですから、たしかにEVFでしか使わなくなるのも理解出来ますね。
しかし、X-Pro2の最大の価値はこのOVFであって、それを気に入らないというのは元も子もない;;^^)ということですので、たしかに購入される前は自分の撮影スタイルにOVFは必要かを良く検討された方が良いということですね。