今年の9月にPhaseOneがSONYと協同開発したという新型1億画素イメージセンサーを搭載したデジタルバックIQ3 100MP Trichromaticを発表しました。
このセンサーは、通常のベイヤーフィルタセンサーですが、3原色を分離するカラーフィルタの精度を高めることで三原色をよりピュアに捉える(その代わり高感度性能は低下する)設計となっているセンサーということです。
今回fstoppersが通常のセンサーを搭載するIQ3 100MPと、IQ3 100MP Trichromaticを比較した記事を掲載しました。
双方のイメージは同じレンズ(Schneider 150mm f/2.8)、同じ照明、同じホワイトバランスセッティングで撮影したものを、スライダで比較出来るように画像をアップしていますので、必見です。
全体の確認
- 輝度ノイズに関しては違いが見れなかったが、カラーノイズに関してはTrichromaticの方が遥かに優れていた
- 色再現性はTrichromaticの方が遥かにニュートラルで色被りを起こしていない
- 緑と紫のトーン表現は明らかに正確であり、全体的に見てもより鮮やかである
- スタンダートセンサーは緑被りが発生している
- スタンダートセンサーはより色収差が発生している
- Trichromaticセンサーで色収差が少ないということは印象的である
クローズアップでの色収差確認の確認
- カラーチェッカーの部分を見るとスタンダートセンサーではパープルフリンジが発生していることが判る
- またパープルフリンジによって黒部分の表現も失われている
- Trichromaticセンサーの方は収差が現れていない
- 同じレンズを使っていることから驚くべき結果である
- 同じレンズでもセンサーによって更に画質がアップするということである
クローズアップでの色再現性の確認
- Trichromaticの方が遥かに良い結果で、鮮やかな紫色が再現されている
- カラーはよりポップかつ正確に表現されている
- スタンダートセンサーは青色が不正確である
- 正確な青からシアン被りしている部分があるがTrichromaticセンサーはその部分も良い結果である
- スタンダートセンサーでは大きく緑のフリンジが発生している部分や、白いロゴ周辺にもブルーの縁取りが見られる
- Trichromaticセンサーではそのような現象は発生していない
まとめ
- 最近の多くのカメラのアップデートでも違いは極く僅かでありインパクトを感じることは無かった
- 殆どは高画素化と高感度化の競争となっていた
- 今回のPhaseOneのリリースは大きな飛躍かつ正しい方向に向かっている
- これまで私は中判フォーマットのカメラを批判して来たし、それは殆どは言い訳やロマンチックは話を求めているに過ぎないと思っていた。
- しかしTrichromaticは非常に現実的であり、とても印象的はアップデートになっている感じている
- このカメラから出てくる色はともて美しく、かなり精度が高い
- 更に、レンズのフリンジングと色収差を低減させてくれるのは信じられないことである
- ただこのカメラは全ての人に向けたものでは無く、効率的かつ精度が高い色を求める人の為にあるカメラである
- Trichromaticセンサーは長年のデジタル写真の中で最も効果的なアップデートであると考えている
いかがでしょうか?
有識者の方には、レンズ色収差とパープルフリンジについてよくご存知だと思いますが、今回のfstoppersのテストで判ったのはベイヤー配列のセンサーでまだまだ進化の余地があるということですね。
これまでも市場の要求によって高感度をひたすら優先させて来たということかもしれませんが、Trichromaticセンサーのように高感度より色再現性を目指したカメラが、フルサイズはAPS-Cにも採用されると面白いかもしれませんね!
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