建築/インテリア写真のSounder Creativeの主任フォトグラファーであるUsman Dawood氏が、SONYの色再現性に関する検証記事をPetapixelのサイトにアップしました。
One of the biggest complaints I hear quite regularly about Sony mirrorless cameras is that their color science is horrible. Many photographers don’t seem to like how Sony interprets colors from any given scene.
Via : https://petapixel.com/2018/10/09/is-sonys-color-science-really-that-bad/
背景
- これまでSONYのカメラの色再現性については多く議論されている。
- 多くのカメラマンはSONYの色表現があまり好きではないようで、特にポートレート写真家はそのようである。
- 対照的にCANONの色再現性は大きなポジティブポイントとなっている。
- 多くのCANONユーザーが移行出来ない理由の1つとなっている。
- 今回それを適切な比較をしてみたいと考えた。
- Canon EOS 5Ds RとSONY α7RIIで比較した。
室内の混合照明での撮影
- 画像にはプロファイルの適用や編集は行なわず、ホワイトバランスのみ修正した。
- レンズはCanon EOS 5Ds RがSIGMA 50mm F1.4 Art、SONY α7RIII がZeiss 55mm F1.8。
- 拡大したくても色の明確な違いを確認することが出来る。
- SONY
- 肌色がオレンジの色調になっている。
- 画像を拡大してもCanonには現れていない奇妙な緑色のトーンが現れている。これはSONYの色再現性に関するこれまでの意見と一致している。
- Canon
- 肌色の方が遥かに自然で好ましい。
SONY α7RIIIにSIGMAを組み合わせて確認
- ホワイトバランスは同じ条件。
- 肌のオレンジ被りと奇妙な緑の部分の多くは改善されているが、未だCanonの方がはっきりと良好に見える。
- 等倍に拡大してみると、奇妙な青と緑んぽトーン被りが起こっているように見える。
- 未だあまりテストを行なっていないが、SONYの色再現性に大きな影響を与えているのはレンズでもあるようだ。
- SONYにCanonのレンズやSIGMA Artレンズを使うと多くの問題が改善されるようだ。
両方のカメラに同じレンズを使って確認
- 混合照明下で、より明るい肌色の方を撮影してみた。
- SONY
- コントラストが高いように見える。
- 皮膚の上には好ましく無い緑と黄色のトーンが乗っている。
- Canon
- ここでも良い仕事をしていた。
フラッシュ撮影
- カラーチェッカーの画像をフラッシュ撮影しプロファイルとホワイトバランスを取った。
- このテストでは両方のカメラにSIGMA Art レンズを用いている。
- SONY
- プロファイルを適用する前は同じ肌色の問題を抱えていたが、プロファイルを適用すると多くの問題が改善された。
- 未だ完全な状態では無いながらも当初よりは遥かに良い状態となっていた。
- 肌色はプロファイルで改善されてはいるが、未だ奇妙な黄色の色被りが確認出来る。
- ドレスの紫色は青色方向に傾いている。
- プロファイルを適用する前は同じ肌色の問題を抱えていたが、プロファイルを適用すると多くの問題が改善された。
- Canon
- 紫は難しい色であるがは(プロファイル適用後)遥かに良い仕事をしている。
野外の自然光だけで撮影
- カラーチェッカーを用いてプロファイルを作成しホワイトバランスを調整している。
- SONY
- ドレスと肌の両方で緑や黄色方向に傾いている。
- Canon
- 混合光より簡単な条件ではあるが、それでもCanonは遥かに良い仕事をしている。
- 遥かに性格で肌色には違和感が無く良好に見える。
- 今回の比較は主に肌色の色再現性に関するものだが多くのフォトグラファーに参考になると考えている。
建築写真で確認
- 建築系の写真家がSONYのカメラをどのように管理しているのかを確認したいと思っている。
- 24mm F3.5 T-SE IIを用いて撮影した。
- SONYは赤色にオレンジになる部分が多くあまり正確では無い。
- 背景の建物にも僅かに黄色傾向となっておりこれも正確では無い。
- 一方で緑色はより活気がありより正確に見える。
- 建築系の色再現性でもSONYは適切な選択では無いかもしれない。
調整した光源で果物や野菜を撮影した
- プロファイル適用は行なっていないが、カラーチェッカーを用いてホワイトバランスを取っている。
- 全ての画像は Canon 100mm F2.8 Macroで撮影した。
- SONY
- トマトの色がオレンジに傾き精度は劣っている。
- 緑色の茎はSONY の方がやや良く見える。
- バナナでは緑方向に傾き、黄色のトーンを表現することが出来ていない。
- キュウリの緑ではSONY の方が良い仕事をしている。
- Canon
- バナナの黄色で正確性と色合いの両方でより良い仕事をしている。
- Canonの画像の方がより活気に満ちている。
- キュウリの緑はそれほど正確では無く黄色側に傾いている。
まとめ
- SONY の色再現処理は更なる改善作業が必要である。
- Canonは肌色については卓越した仕事をしており、全体的により正確である。
- 同じレンズを用いてもSONY は奇妙は黄色と緑色のトーン被りが発生する。
- カラーチェッカーを用いて調整すると大きな改善が見られるが、問題はそれでもCanonほど良くないことである。
- これらの現象は殆どポートレートフォトグラファーに影響が出てくる筈だが、他の写真家はSONYの色再現性により寛容である可能性がある。
- 例えば風景写真家はSONYのはっきりとした緑のトーンを好む人もいるが、それ以外の写真家にとっては難しいと考えられる。
- 勿論、色修正作業を行うことは出来るが、それは言い訳であり、作業負荷が増加することになる。
- カラーチェッカーを使ってプロファイリングすると理想に近付くことは出来るが更に追い込む時間も必要になる。
- 最終的には解像度やダイナミックレンジよりも色の方が重要であるのでSONYが色再現性について改善することを願っている。
いかがでしょうか?
今回の記事を読む限りCanonの肌色は安定しており、SONYは緑色に強いようです。
一方でCanonよりもNikonの色を好む方もいらっしゃるようで、まぁ各メーカー得意なシーンの表現があるのかもしれません。
私もSONY α7 IIIとCanon 5D3ユーザーなんですが、確かに家族の写真等はCanonで撮った方が良い感じもしていましたのでもう少し色について真剣に考えてみた方が良いかな(^^と考えてしまいました。
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