カメラレンタル会社LensRentalsのサイトがCanonの新フルサイズミラーレスカメラ EOS R を早速分解されているます。
レンタル会社としてカメラの整備性や弱点を把握しているようで、参考になります。
So we expected things not to be too complicated – no mirror box, optical prisms, off-sensor AF system, etc. We hope Canon cameras to have clean, even elegant, engineering; like the 5D IV teardown shows.
Via : Lens Rentals | Blog
はじめに
- 最初にα7Rを分解した時に、一眼レフカメラよりもクリーンで簡潔なミラーレスカメラの中身に感銘を受けた。
- その後α7RIIIを分解した時、能力の向上によって一眼レフ程では無いながらも複雑さが増すということを経験した
- 我々は、CanonのカメラがEOS 5D IVを分解した時のようにクリーンでエレガントであることを期待していた。
- NikonのカメラはCanonと同等の技術を用いていると思うが、未だハンダ付けによるワイヤリングが残っているがそれを無くそうとしているようだ。
外装の分解
- グリップは新しい粘着テープが使われていた。
- 確実に固定されており、また交換し易くなっていた。
- 貼り革を取り除いたシェルは表面がややラフでポリカーボネート製のようだ。
- 接眼部のラバーはスクリューで固定されている。
- 何らかの理由でそれを取り除きたい人には悪いニュースだ。
- I/Oポートが内部基盤にハンダ付けされていないのは良いことだ。
- ケーブルを引っ掛けてI/Oボードを壊れることが多く、メイン基板をよく交換している。
- 視度調整ダイアルの下は素晴らしい厚みの防滴シールドが施さている
- その他のノブやダイアルも防滴シールドされているが過大では無い。
- 雨に降られても大丈夫なようだ。
ケースをオープン
- 一見すると、これはCanonの一眼レフカメラにによく似ていた。
- 美しくレイアウトされているフレックス基板を備えたメイン基板はきちんと整理されておりCanonの一眼レフに通じるものがあった。
- 但し、幾つか明らかな違いがある、シャッターモーターと電子制御デバイスはシャッターボックスの下側に配置されている、Canonの一眼レフカメラは一般的にそれはサイドに配置されている。
- 親指ダイアルは複数のプラスチック部品によって構成されているが防滴シールドは無い。
背面とLCD部
- バックパネル下は全面のシールドパネルに覆われている。
- 我々が注目したのは、LCD部の取り付け方法だ。
- わずか2本のネジと金属クランプによって取り付けられている。
- これで一般的なLCDの交換はとても簡単になる素晴らしい構造だ。
- LCDの交換は一般的なリペア作業として行えるようになり数分で完了する数時間では無い。
- この構造はとても頑丈で。2本のネジはこのカメラの中で最も大きなものが使われている。
- ここのブラケット周りにも防滴シールドが施されている。堅実で素晴らしい。
- ボタン類の周りの防滴シールドも分厚く確実であり素晴らしい。
その他のサブアッセンブリ部分
- 驚く程では無いが、少しがっかりしたのはRCAプラグが残っていることだ。
- EVFモジュールは簡単に外すことが出来る。
- トップカバーの下には多くの電子部品が存在していた。
- 修理する側の観点からすると、このトップ部の何かが壊れた場合アッセンブリー交換となる。
- これらを分解することは出来るが非常に多くの時間が必要になる。
- エッジに沿って防滴シールドは施されていないがプラスチックとプラスチックの接触面が防滴シールドの代わりとなっている。
メインボディ部
- メイン基板を外すとそこには、小型の電磁シールドが。更にその上に大きな電磁シールドが施されている。
- これらのシールドを外してみたがその下の基板の構成を見るとそれほど密集はしていないようだ。
- SDカードスロットは基板にハンダ付けされている。
- スロットが壊れた場合、メイン基板も交換することになるので修理担当者はこのような構造が嫌いだ。
- ただ、SDカードスロットの信頼性はCFカードスロットより遥かに高い。
- SDカードスロットをメイン基板のハンダ付されている構造は普通てある。
- イメージセンサー上のアルミフレームには、3つトルクスネジ(2つは左側もう1つは右上)があるが、これらはセンサー調整ネジだ。
- イメージセンサは、組み立て時にレンズマウントに対して(理論上)完全な位置調整される。
- ここを分解すると調整が大変なので今回はやっていない。
- ボトムプレートには防滴シールドは無い。
- メタルプレートに三脚穴用の深いカップが取り付けられており、深いネジ穴は大変好ましく問題が発生するように思えない。
- 三脚プレートが付けられているソケット部から、センサー用アルミフレームがむき出しに見えるが、このような穴の位置はあまり良く無い。
- センサーのダストシャッターはとても良い。
まとめ
- Canon 6D Mark II 品質のミラーレスカメラを期待していたが、今回はむしろ退屈な分解作業だった。
- 綺麗に整理されており、上手く設計されていた。
- 私が衝撃を受けたのは、中身が混雑していなかったこと、また、設計者は内部に多くの空気を残していたということだ。
- イメージセンサーとメイン基板の間には広い隙間があった。
- SONY α7RIIIやNikon Z7を分解した時に、そこには大きくて厚い手ぶれ補正ユニットがあり殆ど隙間が無かった。
- Canonは将来もボディ側手ぶれ補正を搭載しないと予測している。
- Canonは明確にレンズ側が優れていると考えているようだ。
- この空間の余裕は人間工学と発熱対策の為にあえて設けられていると考える。
- SONYの場合、防滴シールドが欠けていることがネットで取り沙汰されている。
- Canonの場合も同様でボタン周りのシールドは良く短時間の小雨で十分だが、やはり濡れたところに置くべきでは無い。
- プラスチック製のシェルがシールドとして十分で防水性を主張するかもしれないが、防水性は製品保証の対象にはならない。
- Canon EOS Rは現在2299ドルで販売されているが、同レベルの防滴シールド品質であるCanon EOS 6D Mark IIは1600ドルで販売されている。
- 600ドルで、Rマウントが得られること、クールなスライドバーが付いていること、(おそらく)画像処理が良くなっていること、画素数が増加していることなどから合理的であると考えられる。
- Canonはまず妥当な価格のカメラを出して、プロレベルのミラーレスカメラを出す機を伺ってると考えられる。
- このような第一世代のカメラを買うべきかについては明言を避けたい。
こちらが、別のサイトが行ったNikon Z7の分解記事。
Nikonに比べるとCanonの方が基板の分割やワイヤリングも含めた構造としてよりシンプルに纏められているようですね。
また、Canonはボディ内手ぶれ補正が無い分発熱に関して有利であるようですね。