Gerald Undone氏のYouTubeチャンネルに「Pixel Binning vs Line Skipping / Why the Nikon Z6 Is Better for Video」という動画がアップされています。
はじめに
- Nikon Z6よりZ7の方が60%も画素数が多いのにも関わらず、動画撮影においてはZ6の方が優れている。
- このビデオでは4種類の処理について説明する。
- オーバーサンプリング
- ピクセルビニング
- ラインスキッピング
- クロッピング
- 静止画と動画のハイブリッドカメラはセンサー解像度もアスペクトレシオも動画フォーマットに適合していはいない。
- Z6は6000×4000 3:2フォーマットであるが、HD動画は16:9フォーマットで4Kは
3840×2160である。
- Z6は6000×4000 3:2フォーマットであるが、HD動画は16:9フォーマットで4Kは
最も単純な手段はクロッピング
- クロッピングでは2つの大きな問題が発生する。
- 画角が変わってしまう。
- 最小限の画素情報しか使わない。
- 最近のCanonのカメラはソフトなイメージでディテールに欠けておりかつ画角が狭くなっている
Z6はオーバーサンプリングを採用
- このビデオで紹介している中ではベストの画像処理方式。
- 一方でプロセッサーにはより高い処理能力が要求される。
- 最終解像度の2倍以上の画素が必要となる。
- 例えば8Kで撮影した画像を4Kイメージに変換すると、ノイズ、エイリアシング、モアレ、色異常が減少する。
ノイズ除去処理
- ノイズ処理は2種類が存在する
- ノイズ平均化とノイズ除去である。
- ノイズのサイズはピクセルサイズに依存する。
- オーバーサンプリングではノイズは相対的に小さいサイズとなる。
- Z6は横6000ピクセルでノイズ除去処理であるのでノイズ処理に必要なピクセルエリアは相対的に小さい。
- 処理後の画質に与える影響も小さくなる。
- クロップ処理はノイズサイズが相対的に大きくなるので、オーバーサンプリングの方が有利である。
エイリアシング処理
- ジャギーとなったエッジをぼかす処理を行うが、ここでも元画像のピクセルサイズが直接影響する。
- 画素数が多い方がエイリアシング処理が少なくて済む。
AAフィルター
- エイリアシング処理を行うとモアレが発生する。
- モアレを減少させるのに最も一般的なのはアッンチエイリアシング(AA)フィルター(または光学ローパスフィルターやボカしフィルターとも呼ばれている)である。
- 一般的に低価格で低 画素数のカメラはAAフィルターを有している。
- Z7やα7RIIIにAAフィルタは無い。
- 静止画撮影を重視しているから。
- 動画撮影においては逆にAAフィルタを有する方がより良い結果になることがある。特にSuper35フォーマットでそうなる。(後述)
ラインスキッピング
- Nikon Z7とSONY α7RIIIのフルサイズモードで行われている。
- Z6は横6000ピクセルなのでUHDの3840ピクセルへの処理はラインスキッピングだと複雑なので行われていない。
- ラインスキッピングのメリットは高速になるということだ。
- クロッピングほど高速では無いが、オーバーサンプリングよりは簡単である。
- ラインスキッピングではエイリアシングは悪化し、ノイズ平均化処理も出来ず、フリンジング処理も出来ない。
- 画質は人工的でオーバーサンプリングよりもディテールに欠けている。
- 更に高解像度のカメラではAAフィルターが搭載されていないのでフリンジングもジャギーも抑えることが出来ない。
- シャープであるが不必要で良くないシャープさである。
Z7のDXモード
- Z7やα7RIIIはラインスキッピングとは異なる方法も準備している。
- 1.5xのクロップファクターのDXモードとしてSuper35相当のモードだ。
- Nikon Z7の横8256ピクセルはクロップで5504ピクセルとなり、ここからダウンサンプリングして4Kとしている。
- こうするとプロセッサーの負担は小さくビニングやラインスキッピングは必要としない。
- 一方のZ6は横6000ピクセルのフルサイズセンサーからのリードアウトである。
- Z7のDXモードはラインスキッピングよりは良い画質となるが、それでもZ6の90%の画質(6000.v.s.5504)であると言える。
- さらにZ7のDXモードでは画角も変化する。
ピクセルビニング
- これまでの画像処理よりも複雑なアプローチである。
- 最も先進的なアルゴリズムが採用され年々進化を続けている。
- SONYは最新の8Kセンサーで複雑な重み付けによるピクセルビニングのアプローチを検討している。
- ピクセルビニングはベイヤーセンサーの4×4ピクセルからRGBを分離したRGGB2x2のアレイを合成し、さらにそれを画素合成する際にS/N比が良好なビットを採用することでノイズが打ち消されることになる。
- 複雑に重み付けを行いアレイ合成することで、さらにノイズを減少させている。
- ピクセルビニングは、クロップ、ラインスキッピングより処理能力が必要ではあるが、オーバーサンプリング程ではない。
まとめ
- 画素数が低い場合,エイリアシング、フリンジング、モアレ、さらにジャギーなどの不安定要素が発生する。
- 画素数が高い場合フルリードアウト処理で高いプロセッサー能力が要求される。
- また読み出しフレームレートを高くすると処理能力が必要となる。
- プロセッサーの処理能力高いほど電力が必要であり、熱問題が発生することになる。
- これらのことから総合的にNikon Z6は兄貴分より安価でバランスが良いのである。
Nikon Z7は4575万画素という4K動画には画素数が高過ぎるのに対し、Z6は2460万画素のフルサイズでフルリードアウトしオーバーサンプリングの処理、更にローパスフィルタを有していること、4Kの動画撮影として最適なバランスということなんですね。
静止画にしても通常使うのであれば2400万画素でも十分ですので、価格も安いNikon Z6を選んだ方がレンズに投資出来る分幸せになれるのかもしれませんね。(お金がある方は別かもしれませんんが)
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