シャープのマイクロフォーサーズ8Kカメラ超初期プロトタイプ機+シグマレンズによるサンプル動画とハンズオン記事(NewShooter)
NABショーでSHARPが8Kシネマカメラのプロトタイプ機を展示され、4月3日にマイクロフォーサーズ陣営に加わるというニュースが出ています。
Newshooterのサイトがこの8Kカメラの初期プロトタイプ機をSHARP借りることが出来、そのレポートを公開しています。
“Sharp caught everyone by surprise when they announced that they were developing an 8K Micro Four Thirds Camera. This is the world’s first prosumer 8K camera.”
Via ‘ We take Sharp’s upcoming 8K Micro Four Thirds camera for a spin – Newsshooter (https://www.newsshooter.com/2019/04/08/we-take-sharps-upcoming-8k-micro-four-thirds-camera-for-a-spin/)
今回のカメラは、かなり初期プロトタイプ機というより未だコンセプトモデルということで、製品版に向けてかなりの変更が起こる可能性があるということでまずは評価というよりこのプロトタイプ機としたのレポート記事となっています。
NABでのプロトタイプ機のハンズオン動画
ハンズオンの様子
撮影されたムービーのサンプルフーテージ
使用されているレンズは、SIGMA 18-35 f/1.8 及び Zeiss ZF 100m f/2 ということです。
ファーストインプレッション
- 多くの点でカメラはBMPCC 4Kに似ているが、これはフィリップタイプのスクリーンを持っている。
- 物理的なボタンやダイヤルは最小限で、そのデザインはミニマルである。
- SHARPは、Vロガーとユーチューバーをターゲットとして、使いやすく操作が簡単なカメラを作りたいと言っていた。
サイズと重さ
- Nikon Z6とFujifilm XT-3とSHARP 8Kカメラを比較したが、SHARP 8Kカメラは、ほとんどのミラーレスカメラよりかなり大きく、幅が広いだけでなく、重い。
- 585gのNikon Z6ボディより約50%重いと推定した。
このカメラで出来ていること
- H.265 30fps 8K(7680×4320)を記録出来る。
- ビットレートは200Mbps。
このカメラで実現出来ていないこと
- フォーカスピーキングが無い(製品版で利用可能になる)
- フォーカス拡大(製品版で利用可能になる)
- AFはMFTレンズで動作するが、それほど良く無い。
- メニューが無い。( 出荷までに設定される)
- ホワイトバランスは自動のみ (製品版で調整可能になる)
イメージセンサー
- シャープはこのカメラが使用している8Kセンサーについて正確な情報を公開して無い
- そこで、今回SHARPに直接聞いてきたところ、クアッドベイヤー構造で画素数をアップしているのではなく実際に8Kを記録しているセンサーであると答えた。
このカメラのインタフェース
- ミニXLRポート
- フルサイズのHDMI
- USB-C
- ヘッドフォンジャックおよびマイクジャック
可動液晶
- かなり大きい5.5インチのタッチスクリーンを持っている。
- 映像は上質で細部もかなり見やすい。
- 少し光沢があるがそれでも明るい条件でも驚くほど良い。
マウントについて
- マイクロフォーサーズによって多くのレンズを選択することが出来る。
- マウントアダプターとスピードブースターあなたが想定しているほぼどんなレンズも装着することが出来る。
- 最大の問題は本当にMFTセンサーで8Kを得ているとすれば、レンズの能力を向上させる必要があるということだ。
記録メディア及び記録方式
- 高速の記録メディアを必要とし、それはすぐに一杯になる。
- 驚くべきことに既に出回っているSDXC UHS-1 U3スピードクラス10カードに記録することが出来た。
- 64GB SD カードで8K30Pで約30分の記録が可能である。
- 現状4:2:0 8bit .mp4 で記録されていた。
- 将来的には 4:2:0 10bitの内部レコーディングが可能になるだろう。
- またSHARPはHDMIポートから4:2:2 10bit の出力を計画していることだろう。
- 現状はHDMIポートから8K出力だけ可能になってるようで、Ninja VとSmallHD 502に接続したところそれが認識された。
- HDMIケーブル1本でNABショーのフロアからスクリーンに出力していた。
- 現バージョンは30pのみ使うことが出来たが、最終製品版では24pと25pの記録に対応することになるだろう。また4K60p記録も同様に可能にすべきである。
使い勝手
- 現状物理ボタンは機能していなかったが、全てタッチスクリーンで操作できていた。
- カメラは素晴らしくて軽量である。
- スクリーンはかなり見やすい
- MFTマウントは適応性が高く、MetabonesのNikon→MFTマウントの Speed Booster Ultra 0.71xで、Sigma 18-35 f / 1.8とZeiss ZF.2 100m f / 2マクロを使用した。
- 現状の主な問題は、適切なフォーカスアシスト機能が無いことで、スクリーン上で8Kでのフォーカスを判断するのが困難であった。
- それが実装されれば、スクリーンの品質も合わせてフォーカスを判断するのがより容易になると考えられる。
画質について
- 初期バージョンということで画質の結論を急ぐことはしない。
- シャープはこのカメラに対してまだ多くの仕事を残しているが、我々の初期の印象としては大変ポジティブであった。
- このカメラは確かに素晴らしくシャープな画像を生成することが可能だ。
- 現状でAWBモードでしか動作できないという事実を考慮しても、色の正確さに関してはかなり驚いた。
- ラスベガスにある多くのミックス光源で撮影したが綺麗にバランスの取れたイメージを維持し非常に良い仕事をしていた。
- 現在REC.709カラースペースのみで撮影されているが、黒潰れてすることは無く、ハイライトも醜い色転びすることは無かった。
- 空にバンディングが見られた。4:2:0 8bitビットのコーデックは特定の状況で時折苦労する。
バッテリー寿命
- CanonのLP – E6電池を使用しており、45分から1時間ほど動作することがわかった。
- カメラの仕事量を考えるとバッテリーの寿命は妥当と思われる。
- SHARPによればバッテリーシステムはまだ最適化されておらず、最終バージョンでは動作時間が改善されるということだ。
低照度性能
- 低ISOでは画像は美しい。
- ISO2000を超えると、ノイズが見え始める。
- ISO5000 前後で醜い固定パターンノイズが見え始める。
ダイナミックレンジ
- SHARPはこのカメラに広いダイナミックレンジを期待しないように警告した。
- ダイナミックレンジは約12段であると推定するが、使用した上でこの主張は合理的に思えた。
- ただし初期段階でのハードウェアであることを念頭に置くべきである。
- 現在REC.709色空間でしか撮影していないにもかかわらず、それが持つダイナミックレンジにはかなり満足した。
- ほとんどの通常の撮影条件では十分であると考えられる。
メニューシステム
- 現在は備えていない。
- それがどのように見えるか、調整できるのは判らない。
- それでもタッチスクリーンだけでカメラを使用することは可能であった。
過熱の問題は?
- SHARPは8Kに必要とされる膨大な処理能力に対応する開発を行なっており、発生する熱を拡散させることに注力していると語った。
- 今回このカメラを使用している間過熱の問題は発生しなかった。
- 私が使用した他のミラーレスカメラよりも発熱が少ないようである。
映像のハンドリング
- 最大の障害でありこのカメラが出す映像を扱うのは簡単では無い。
- FCPXやPremiereではファイルを読んだり見たりすることが出来なかった。
- 映像を表示するにはKynoを使用する必要があり、そこからProResファイルにトランスコードすることができた。
- SHARPはNABでカメラの代替ワークフローを提示する予定であり、それは重要なステップとなるだろう。
- ワークフローが複雑過ぎると人々はこのカメラを購入したがらないだろう。
- このカメラのターゲット顧客を考慮すると必要となるワークフローはカメラのアキレス腱になる可能性がある。
このカメラには可能性があるか?
- カメラが非常に初期のプロトタイプであることからそれを判断するのは難しく結論を出すことは無責任である。
- だだ、このカメラには確かに可能性があると考えている。
- 製品に8Kのロゴが書き込まれているからといってもそれが突如魔法の装置になるわけではない。
- 解像度は単なる解像度であり、カメラの最も重要な要素とはならない。
- 何が良いカメラになるかを決定するには多くの要因があり解像度は1つの側面に過ぎない。
- このカメラがどう評価されるかは別そしてSHARPに対して賞賛を与えるべきである。
- 誰もが最初のプロシュマー8Kカメラがシャープから出ることは予測出来なかった。
- あらゆるカメラ、特に8Kのカメラを作るのは簡単な作業では無い。
- 通常のカメラは解像度に対してダイナミックレンジと低照度性能はトレードオフの関係にある。
- 私はこれがコンセプトカメラに他ならないと感じている。
- 第一世代としてその後に急激な学習曲線をもたらすで筈である。
- Kinefinity、さらにはBlackmagicのような会社を振り返ると、それらの最初のカメラは素晴らしいものとはほど遠いものだった。そして彼らがそれを正しいものにするには数年の期間が必要であった。
- これはシャープの最初のカメラでは無いがこのフォームファクタでカメラを製造するのは初めてである。
- SHARPの 8Kカメラによって今後数年間で他のカメラメーカーに何を期待できるかを垣間見ることができる。
- これは可能性を消費者に示す概念実証である。
ということで、SHARPがモデル名も無くメニューも備えていない状態の超初期プロトタイプ機をメディアに実際に使わせてサンプル動画までアップさせたのは驚きだと思います。
さらに記事中のリンクからその動画がダウンロード可能というのも太っ腹すぎますねw
素晴らしい映像が記録されているは、SIGMAとZeissレンズのおかげかもしれませんが(^^
最近の日本のメーカーはかなり保守的になっていますが、SHARPにはこのままアグレッシブな製品開発を続けて頂きたいです。
SHARPが開発を継続されることで、将来的には運動会でお父様が8Kカメラを使われる日も近いのかもしれませんね;;;^^)
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