銀塩モノクロフィルムを製造するILFORDが、YouTubeの公式チャンネルに”BEHIND THE FILM – Inside the ILFORD factory” というビデオを公開しました。
イギリスにあるILFORDのフィルム工場の内部を初公開したというとても貴重なビデオです。
ILFORDの銀塩フィルムはMobberlry工場で製造されている
Manchester(マンチェスター)から15マイル南にある静かな場所にあるMobberlry村にILFORDの工場がある。
この工場は1928年にILFORD社によって取得され、モノクロフィルム、印画紙、ケミカルを製造し続けている。
従業員は20年や30年以上のベテランの方が多い。
乳剤の原料
ハロゲン化銀結晶となる原料は冷蔵倉庫で保管。
製品ごとよってハロゲン化銀結晶の大きさを厳密にコントロールしている。
膨大なテストとリサーチ
ラボでは分析担当者や科学担当者によって膨大なリサーチによるテストを踏まえ開発されている。
顧客の要望やカメラは様々なので膨大なテストが必要である。
フィルムの各層のコーティングの最適なスピード決定する為にコンピューター制御によってテスト製造される。
コーティング
コーティングサーキットのプラントでは摂氏40度に厳密に管理されたゼラチン液にフィルムを通過させることで製造されている。
3200m/分の速度で製造されたフィルムは巨大なマザーロールとなる。
14台のコーティングマシンがあるが、12台目の次のマシンは験を担いでいるので13号機とは呼ばない。
コーティング工場に入るには防塵の為に特別な作業服を着用する必要がある。
コーティングの後の乾燥工程はゆっくりと時間を掛けて行われている。
製品はスキャナーで透過率や反射率を計測しながら品質をチェックしている。
問題が発生するとシグナルが表示され品質検査エリアで担当者が目視でチェックする。
マザーフィルムは”棺桶”で運搬される
コーティングが終了した巨大なフィルムロールは、”棺桶”と呼ぶボックスに入れられて離れた場所にある最終工程の工場に運搬される。
CMU製造ライン
35mmフィルム用のカセット(パトローネ)を製造する部門。
カセットのパーツの切り出し、曲げ工程、組み立てを経て製造が行われている。
35mmカセットのパッケージ工程
親ロールから31個のパンケーキロールに分けられる。
パンケーキロールは幅35mmで長さが600m。
パンケーキからフィルムとして必要なスプロケット穴が開けられ、コマ番号やフィルム識別、ロット番号などの文字が記入される。
24コマや36コマとして35mm のカセットに挿入され、パッケージに収められる。
120フィルムのパッケージ工程
プラスチックのコアにフィルムを巻かれる際にラベルを取り付ける工程がある。
コアに巻かれたフィルムは別の機械に運ばれホイルに包まれ、パッケージに収められる。
品質管理
4種類のテストを4分〜5分の時間間隔でで行い続ける。ロールフィルムは15分〜20分間隔。
顧客には絶対低品質なものを出さない。
出荷
35mmおよび120フィルムのは箱はさらに透明フィルムに包み、箱に入れられ出荷倉庫に保管される。
出荷倉庫に保管された製品は受注を受け取ると、毎日あるいは1週間毎の出荷作業を行う。
顧客の受注数に応じて小分け作業を行い全世界に出荷する。
いかがでしょうか
動画の最後に、皆さんがILFORDのフィルムを購入される時に、その複雑な製造工程と、Mobberlryで働いている多くの人々の仕事を思い浮かべて欲しいということです。
私はモノクロフィルムで撮影することは無いのですが、思わず見入ってしまいました。
ILFORDのモノクロフィルム製品を買ってみたくなりましたが、レンズ付きフィルムってのもあるんですね!これなら敷居が低そうですね!