National Geographic本社に勤務するエンジニアのTom O’Brien氏が選ぶベストトラベルカメラの記事がアップされています。
“National Geographic’s expert photo engineer shares his picks for capturing your next great journey.”
Via ‘ Best new compact cameras to get for travelers (https://www.nationalgeographic.com/travel/lists/best-compact-cameras-2020/)
Tom氏はNational Geographic誌のメカニカル及び写真エンジニアで、日々様々な機材に囲まれている研究所で雑誌の写真家の向けのカスタム機器を設計し提供しているということで、そんな世界ナンバーワンと言っても良い写真雑誌のエンジニアはどのようなトラベルカメラを選択されるのでしょうか?
FUJIFILM X-Pro 3
- これまでに無いボディデザイン
- レンジファインダーカメラのハンドリングとハイブリッドファインダーの組み合わせ。
- フィリップスクリーン、E-inkによる小型カラー背面スクリーン。
- 旅行の為の控えめな存在
- メインスクリーンが隠されていることで、撮影都度の画像チェックは出来ない。よって撮影者は常に行動し撮影を続けるという体験が可能になる。
- カメラは、撮影者の気を逸らすことなく旅行の体験を向上させる為に、控え目な存在であるべきである。
- フィルムシミュレーションを楽める
- X-T3と同じ素晴らしいセンサーとAFシステムを搭載した上で更にFUJIFILMのフィルムシミュレーションを更に楽しむカメラとなっている。
- 新SUPERIAを連想させるクラシックネガも追加されている。
- FUJIFILMのシミュレーションの能力を全て理解するにはJPEGで撮影するべきである。
- 単焦点レンズがおすすめ
- 24mm から 85mmの単焦点レンズを組み合わせることで、スクリーンを見ている時間をより短くし、旅行の時間を増やすことが出来る。
RICOH GRIII
- 小さな忍者
- いつでも写真を撮りたいと思わせるカメラ
- スマホサイズの大きさで人間工学が際立っているわけでは無いが、ポケットに入るサイズと片手で簡単に操作が出来る絶妙なバランスを実現している。
- きびきびとしたタッチスクリーンでメニューシステムも簡単に操作できる。
- パンチがある画像
- GRIIIの画像は美しくも派手でも無いがパンチがある。
- 2400万画素APS-Cセンサー、ボデイ側手ぶれ補正、ハイブリッドタイプのAFを備えている。
- バッテリーは充電しながら
- このカメラは大きなバッテリーは有していないが、USB-C経由でカーチャージャやベットサイドの充電器で対処出来た
SONY RX100VII
- RX100の第七世代は機能満載
- 依然としてポケットに収めることが出来る。
- プロシリーズで定評があるリアルタイムの瞳AFが搭載されており、人間にも動物にも対応する。
- このサイズのカメラで匹敵するAF性能は有していない。
- AF追従の20コマ/秒の連写も可能だ。
- α9の技術を継承
- フラッグシップ機α9シリーズから継承したセンサー技術によって動いている被写体でもほとんど歪みなく撮影出来る。
- これによって明るい場所ではサイレントシャッターと高速シャッターを用いることが出来る。
- 高倍率ズームレンズ
- 24-200ズームはそれほど明るくないが、旅行者に必要な多くの範囲をカバーする。
- これ1台で全てをこなす
- 無人島に行くのに1台を選ぶならこのカメラをチョイスする。
- 小さなカメラなのに高価と感じるが、切り札的な最高のパフォーマンスを提供する。
Leica Q2 / Q-P
- Q-PとQ2をテストしたが
- Q-Pは実質Qのマットブラック塗装バージョンで、Q2は同じレンズと似た外観に4750万画素の高解像度に加え防塵防滴を備えている。
- Q2のセンサー技術は素晴らしいが、巨大なファイルを生成することからパフォーマンスは低下する。
- このようなカメラの撮影スタイルではQ-Pのボタンレイアウトと小さいファイルサイズが適している。
- どちらを買うべきか
- 最新型が欲しいのならQ2を、出費を抑えて同じ体験をしたいのならQ-PまたはQを購入するべきである。
- いずれのモデルを選択しても間違いは無い。
FUJIFILM X-T3
- プロカメラに対抗出来る
- 昨年のチャンピオンだったカメラは衰えていない。未だにプロ向けのフルサイズミラーレスカメラに対抗出来る。
- またプロ向けの一眼レフカメラの性能に匹敵するAF性能、画質、ハンドリングを実現している。
- X-Pro3と同じセンサーと画像処理エンジンを一眼レフスタイルのボディと全てを指先でコントロール出来るボディを持つ。
- 3軸ティルトスクリーンとEVFもすごく良い。
- X-T3で最も印象的なところは
- レトロな感触のダイアルを残しながら、プロレベルのコントロール(モダンなホイール操作)を持つ。
- 防塵防滴や動画および動画用のインタフェースを持つ。
- これらによって上級者や愛好家でも楽しめる撮影体験を得ることが出来る。
- 私にとってX-T3はただ素晴らしいトラベルカメラでは無く、この記事の執筆時点で市場に出ている最高のAPS-Cミラーレスカメラの1つである。
OLYMPUS OM-D E-M1MKII
- 最高の野生動物撮影カメラである
- 多くのダイアル、ボタン、レバー類によって他のプロ向けシステムよりも素早く設定が可能になっている。
- ほどよいサイズのグリップを持つボディは防塵防滴はトッププロ向け一眼レフカメラに対抗出来る。
- そしてレンズだ!
- PROシリーズのレンズの作りは高品質で内蔵レンズフード、スムースなズーム/フォーカシングリングなど素晴らしい機能と滑らかな背景のボケ味を持っている。
- マイクロフォーサーズカメラであるためセンサーは小型なことから、300mmのレンズは換算600mmの望遠でも小型になっている。
- 持ち出すことが苦にならない
- 数本のレンズと共に小型のバックパックに詰められ上に素晴らしいエルゴノミクスと最高の手ぶれ補正、全天候の耐久性、高速性能を持つので、野外に持ち出すのが苦にならない強力な動物撮影セットになることを意味している。
- 動物撮影にオススメのレンズ
- 12-100mm F4 IS PRO
- 40-150mm F2.8 PRO
- 7-14mm PRO
- 300mm F4 IS PRO
OLYMPUS マイクロフォーサーズレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO 高倍率ズームレンズ 防塵防滴
OLYMPUS 望遠ズームレンズ ED 40-150mm F2.8 1.4X テレコンバーターキット 防塵 防滴 マイクロフォーサーズ用 M.ZUIKO ED40-150mm F2.8PROTC
OLYMPUS 超広角ズームレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO マイクロフォーサーズ用 EZ-M0714PRO BLK
OLYMPUS 単焦点レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO 超望遠 マイクロフォーサーズ用
FUJIFILM X100F
- 多くの旅行でX100Sと共に過ごした
- このカメラの多様性と価値を学ぶことが出来た。
- 換算35mmのレンズ(加えて2つのアダプタ)を持ち少し大きなポケットや小さなカメラバッグに収めることが出来る。
- リーフシャッター
- 固定レンズには私のお気に入りのリーフシャッターを備えている。
- 大聖堂などの場所での撮影に適した非常に静かなシャッター音
- 高速でフラッシュと同期(小型のフラッシュで日中シンクロ)させることが出来る。
- 抜きん出たセンサーを持ち、FUJIFILMの素晴らしいフイルムシミュレーション、大型のバッテリー、(X-Pro3に似た)驚くべきハイブリッドビューファインダーも搭載している。
- リストストラップ、ホットシューのサムレスト、そしてレンズフードを揃えてストリートに出る準備が整った。
- ストリートに持ち出すカメラ
- 抜きん出たセンサーを持ち、FUJIFILMの素晴らしいフイルムシミュレーション、大型のバッテリー、(X-Pro3に似た)驚くべきハイブリッドビューファインダーも搭載している。
- リストストラップ、ホットシューのサムレスト、そしてレンズフードを揃えてストリートに出る準備が整った。
Canon EOS M6 MKII
- 先進的なユーザにも
- 使いやすい物理コントロールとタッチスクリーンシステムを持つコンパクトなシューターは先進的な写真家に大きな価値を提供する。
- APS-Cカメラの中では最高の画素数となる3250万画素のセンサーが搭載されている。
- ベテランにも
- Canonのフルサイズ一眼レフシステムを用いているフォトグラファーにとってはCanonのレンズとシームレスに連携するアダプターに満足することになるだろう。
- ネイティブなレンズラインナップはもう少しでパフォーマンスも最上位とは言えないが、使いやすさ、センサーの解像度、使い慣れたCanonのインタフェースは、新たなフォトグラファーにもベテラン共に、旅行用カメラとしてもポテンシャルを十分に有している、
- 購入するなら
- EVFキットを購入しましょう。いずれ欲しくなる。
Panasonic DC-G9
- ライバルよりも良い点
- OLYMPUS OM-D E-M1 MarkIIのライバルだが更に動画性能に分がある。
- フルサイズHDMI、ウェストやチェストレベルでの動画撮影に向く良好なエルゴノミクス、ビットレートやカラープロファイルのオプション、便利なEVFと大きなアイカップを持つ。
- OM-DのクラシックなAFシステムに対して、G9はDFD技術技術を使用しており、ファームアップによって人物撮影、静物撮影や動物撮影においても良い結果が得られるようになった。
- 但し、高速な状況では問題が発生する可能性がある。
- ボディ側手ぶれ補正システムはPanasonicのレンズ側補正と連動する。
- G9はこのクラスのカメラにしては大きいが、プロスタイルのスクリーンはそのサイズの必要性を補っている。
- 購入するなら
- 素晴らしい12-60mm(換算24-120mm)レンズは旅行での殆どの被写体をカバー出来る。
パナソニック ズームレンズ マイクロフォーサーズ用 ライカ DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S. H-ES12060
SONY α6600
- プロ向けフルサイズミラーレスの技術を継承したカメラ
- SONY 最新世代のフルサイズミラーレスカメラと同じZバッテリーを持つ同社初のAPS-Cカメラであり、交換無しで800コマの撮影を可能にしている。
- SONY初のボデイ側手ぶれ補正を搭載するAPS-Cカメラでもある。
- SONYのプロ向けフルサイズカメラまでも吹き飛ばすようなAF技術を持ち、子供のサッカーゴールの瞬間から壮大なハヤブサの飛行等の重要な瞬間をキャプチャーすることが出来るカメラである。
- このAFだけでもα6600は堅実な選択肢となる。
- 買うなら
16-55mm F/2.8キットがおすすめ。(日本では販売されていない)
いかがでしょうか?
トラベルカメラはやはり持ち運びの面からでしょうかフルサイズでは無いということですね。
ちょっと気になるのはFUJIFILMのカメラが3機種も選ばれているのに対し、Nikonのカメラが無いことです。
個人的にはNikon Dfと50mmレンズ1本で旅してみないなぁと思います。