前回、Insta360 ONE Rのデュアルレンズモジュールで撮影した360度動画をiPad Proで書き出してGoPro MAXと比較してみた記事ご紹介しました。
しかしGoProMAXで長めの360度動画はPCやMacでしか書き出し出来ないということで不公平(^^だったの、今回はInsta360 ONE Rの方もPCでの書き出しを試してみました。
今回書き出した動画をYouTubeにアップ
5.7K 360度ぐるぐる動画 – 2分くらい、モバイルユーザーの方はYouTubeアプリで見てください。スマホを動かすと視点が変わります。
正面固定のFullHD動画 – ちょっと傾いていますがジャイロジンバルのMotoGPカメラっぽい動画になっています。
結果無事書き出せたのですが、途中エラーが発生してちょっと手間取りました。
よってこれからお使いなるユーザーに参考になるかと思い、その記録をアップさせて頂きます。
Insta360 Studio 2020 のインストール
PC側のツールはInsta360 STUDIO 2020でこちらからWindows版、Mac判をダウンロード出来ます。
今回のPCは、Dell モバイル Precision 5540にインストールしてみました。
スペックは
- Xeon E-2276M 6コア 2.8GHz
- メモリ 32GB
- GPU Quadro T2000 4GB
一見、DELL XPSに見えるほど薄型なのですが、CADや画像編集ソフトもターゲットにしたモバイルワークステーションというカテゴリのノートPCです。
インストールすると、microSDに保存しているInsta360 ONE Rのデータを読み込むことが出来ました。
編集時の設定は
- Use FlowState Stabilization – ブレ補正処理ON
- Lock Direction – 正面固定ON – OFFにすると方角が固定でバイクが曲がると視点も回る
- Stitching – Nolmal – その他、レンズカバーやハウジング取り付け時にも対応
- Dynamic Stitching – よくわからないけど(すいません)On – Aerialの方が空撮での空の継ぎ目を目立たないようにするのかな?
- Chromatic Calibration – On レンズの色収差補正と思われます
- True Audio – OFFですがこれは音声を明瞭にするオプションだと思います。今回はバイクの排気音がありますのでバックグランドも記録したいですし。
- Play Rate – 再生速度を変更することが可能です、今回は勿論 1xです
そして映像を約4分にトリミングして書き出します。
ちなみにGoPro MAXのデスクトップアプリはトリミング出来なかったので、Insta360の方が便利ですね。
5.7Kで書き出すとエラーになった
こちらがExportダイアログ。
5.7K、H.265で書き出します。
書き出しを実行します。
リソースモニターで見るとこんな感じ。
CPUはあまり使っていませんが、その代わりNVIDIAのGPUを使っていますね。
で、30秒くらいすると Error: Cannot Allocate Memory(Send Packet) という謎のエラーメッセージが出て書き出しが中断されました。
結果約15秒の動画が書き出されていました。
エラーの原因を調べる為にInsta360 Cannot Allocate Memoryのキーワードでググって見ると、以前からこのエラー問題が発生しているようでした。
PCの仮想メモリの設定を変更したらエラーが出なくなったなどなどの書き込みがありましたがなんだか違うようでした。
Insta360 Studio 2020 最新バージョンをインストールしてみた
そうこうしているうちに Insta360 Studio 2020 が3月末頃にアップデートされたというお知らせが来ましたので最新バージョンにアップデートしました。
で同じクリップを書き出したところ、今度は約5分ほど書き出し処理をして、再びCannot Allocate Memoryエラーが出てストップしました。
書き出された360度動画は約2分。
15秒から2分にちょっと改善されているようですね、、、
2回共にエラーが起こったにも関わらず動画ファイルとして成立しているのはちゃんと終了処理されているのが立派かもしれませんが、、、
そして、冒頭に貼らせて頂いた360度ぐるぐる動画はこれで書き出したものです。
2分でもサンプルとしては十分だと思いますので。
書き出し設定をGPUからCPUに変更してみた
書き出しの設定を確認しました。
- Export Codec
- Use Hardware Decoder,
- Use Hardware Encoder
- Use CUDA accellararation On Windowes (If the Graphic Card Supports)
- Player Codec
- Use Hardware Decoder,
ディフォルトでこれらが全部Onつまりグラボを積極的に使う設定になっていました。
よってまずはこれらを全てOFFにして書き出してみました。
その時のリソースモニターがこちら。
今度は6コア12スレッドがほぼフルで使ってCPUレンダリングしています。
ですが、書き出しの進捗がめっちゃ遅い、、、、あまりにも遅く、2時間掛けても進捗が30%くらいで、結局一晩掛けてレンダリングしました。
結論としては、エラーは発生しませんでした。
GoProの時もmp4への書き出しが一晩かかっていたので、結局同じなのかなぁと思ったのですが、、、、
再び設定を見直してみた、、、CUDAか?
再び、ハードウエアエンコーディング(GPU書き出し)をOnにしてみたところこんなメッセージが出ました。
ハードウェアエンコーディング(GPU)をOnではq4Kの動画しか書き出せない、ソフトウェアエンコーディング(CPU)を使え、ということですね。
なんか怪しい、けどOnにしてみました。
次に、ハードウェアデコーディングをOnにすると次のメッセージが出て来ました。
ハードウェアデコーディングにはNVIDIA GTX750以上を使いましょう、、、ということです。
GeForce GTX750はちょっと昔のグラフィックカードですが、私のはモバイル用のQuadro T2000を調べて見るとメモリもCUDAコア数もGTX750よりは高スペックなので、Onにしました。
ということでまずはCUDAアクセラレーションだけOFFにしたセッティングで試してみました。
CUDA使わないとエラー無く書き出せた
CUDAをOFFにするとハードウェア(GPU)による書き出しでもエラーが発生せず書き出し出来ました。書き出し時間は約15分くらい。
この時のリソースモニターを見ると、1スレッドが高負荷の状態になり、GPUも使っていましたので設定はちゃんと反映されているようです。
4k以上は書き出せないというメッセージが出ていましたが、ちゃんと5.7kで書き出すことが出来ていました。
Inasta360 STUDIO 2020を使うためのまとめ
- Insta360 STUDIO 2020は最新バージョンをインストールしましょう。
- ディフォルトの書き出し設定はGPUハードウェア処理が全てOnになっています。これはハイスペックPCのユーザーが対象ということですね。
- エラーになった場合は、まずはCUDAアクセラレーションから外しましょう。
- CUDA外してもエラーになった場合は完全なCPUソフトウェアレンダリング設定にするとおそらくエラーは出ませんが、書き出し完了まで果てしない時間が必要です。
- GPU書き出しはかなり高速ですがNVIDIAのQuadroかGeForceの新しめのグラボが必要です。
- メモリは16GB以上の搭載が必須のようです。(GPUでは9GB、CPUでは12GB程度消費していました)
いかがでしょうか?
Insta360 ONE RでPCで動画を書き出す場合は、ある程度のスペックのPCが必要そうですね。
今回はDellのモバイルワークステーションを使わせて頂きましたので助かりました。
ちなみに、GoProMAXの場合は更にPCのスペックが厳しい(特に高速HDD)ので注意が必要です。
結局スマホやiPadのモバイルデバイスで書き出すのが良いかも
今回PCで書き出し他のですが、YouTubeで見る限り画質やブレ補正にしてもiPadで書き出した動画とあまり変わらないですね。(^^
なのでPCでの処理はVRヘッドセット用などのコンテンツ作成用、あるいはAdobe Premier Pro等でより凝った編集をされる場合だと思います。
但し、今回はバイクのサーキット走行の記録なので30分程度の撮りっぱなし動画での話です。
このような5.7K動画を扱うにはPCもある程度以上のスペックが必要そうですし、iPadにしてもやはり大容量のiPad Proでないと厳しいと思います。
ただ、普通の旅行シーン記録やSNSでの発信用など数分程度記録してすぐにシェアする用途ではスマホやiPadで十分に楽しめまると思います。
そしてInsta360 ONE RがGoProMAXより有利なのはデバイス側に元ファイルをコピーしないで編集や書き出しが出来ることなのでGoProMAXよりはスマホやタブレットユーザーに向いていると思いました。\