2018年にライカMマウントを持つデジタルレンジファインダーカメラPIXIIのコンセプトを公開しました。→こちら
そしていよいよ35mmcのサイトがPIXII(Model A1112)の概要実機によるプリローンチ状態での製品チテストを行いそのレビュー記事が掲載されているということです。
“35mmc posted the first real-world preview of the upcoming PIXII “connected” digital APS-C camera with Leica M-mount and rangefinder viewfinder. Here are the main points from the article:”
Via ‘ First real-world preview of the upcoming PIXII APS-C rangefinder with Leica M-mount is out – Leica Rumors (https://leicarumors.com/2020/06/08/first-real-world-preview-of-the-upcoming-pixii-aps-c-rangefinder-with-leica-m-mount-is-out.aspx/)
PIXIIの製品予告ページ
35mmcの記事
“For the last few months, I’ve been beta testing Pixii – a new smartphone-connected, 12 megapixel, APS-C format, screen-less digital rangefinder camera that will be hitting the market in the not too distant future… so thought it about time I published a few thoughts on the thing.”
Via ‘ Pixii (Model A1112) – A Primer into this New Digital Rangefinder Concept (https://www.35mmc.com/08/06/2020/pixii-model-a1112-a-primer/)
PIXIIは新コンセプトのデジタルレンジファインダーカメラである。
- Leica Mマウント
- APS-Cセンサー
- ビューファインダーには28mm、35mm、40mm、50mmレンズ用のフレームラインが表示される。また3つのLED表示にライトメーターが表示される。
PIXIIはLeicaの代替となるカメラでは無い。
- ユーザーによってはより安価なLeicaを望む方もいると思うが、それらはより大型のセンサーや高解像度や高感度性能も求められている。
- しかしPIXIIはそのような用途とは異なる方向を目指している。
リアのプレビュースクリーンは搭載されていない。
- 現在市場にあるカメラの殆どはリアスクリーンを持つがPIXIIはそれを持たない。
スマートフォン・コネクテッド・カメラである。
- 撮影した画像をチェックしたい場合はスマートフォンアプリ経由で行うことが出来る。
- アプリを立ち上げカメラに接続した後は、Bluetooth経由で常時接続されておりカメラからプレビュー画像が転送されるようになる。
- アプリは通常のライブビュー機能は持っていない。主な機能は、プレビューの閲覧、撮影画像の転送、カメラ設定の変更、カメラファームウェアの更新などである。
PIXIIは単独でも動作するが、スマホアプリと共にも動作する。
- トップ部に小型のスクリーンを持ち、設定を確認することができる。
- 背面にはダイアルと、メニューON/OFFボタンがありメニューはこのダイアルで操作する。
- 撮影モードやオプションはアプリ側で変更する。
電子カメラである
- PIXIIはレンジファインダー部以外のメカニカルパーツが存在しない。
- グローバル電子シャッターで動作している。
- ボタンとダイアルも電子接点である。
小容量の内部メモリ
- 4GBだが1200万画素なので、200枚〜500枚の撮影が可能である。
意図的に単純化したカメラである。
- 他のデジタルカメラと比較すると、最小限のモード、オプションしか持たない。
- シャッタースピード 2sec〜1/32000sec
- ISO320、640、1250、2500
- ホワイトバランス 一般的な設定セットを有する。
- 露出モード スポット/中央重点/平均
- 画像プロファイル 一連のカラープロファイルが搭載されており色合いの変更が可能
- DNGで撮影するとカラープロファイル設定が埋め込まれ、現像ソフト側に反映され再編集が可能となる。
- 画像フォーマット JPG あるいは DNG
- カラースペース DNGはカラーモードとモノクロモードが選択可能
このカメラは”ソフトウェアカメラ”である。
- PIXIIをPCに接続するとメモリに保管されている画像にアクセスすることが出来る。
- カメラ開発用インターフェースがあることで、現時点でのPIXIIは開発プラットフォームという位置付けである。
PIXIIが向いている人は?
- 私はAPS-Cセンサーを選択し(Leica M8のように)モノクロDNGが選択出来るということに驚いている。
- ユーザーがクリエイティビティを発揮出来る、たった1200万画素だが自ら編集して素晴らしいイメージを創出するカメラ。
- SIGMA のFOVEONセンサーカメラのような制約を持つので一部の限られたユーザーがターゲットになるが、このようなカメラを望んでいる人もいるだろう。
- 既にMマウントレンズを所有しているレンジファインダーカメラ愛好家の方にも魅力的かもしれないが、撮影時にプレビューをあえてしないで後からiPadやスマホでRAW現像するというワークフローになるので、旧来のカメラの経験が豊富かつモダンなテクノロジーも好み、イメージをすぐにSNSで公開するような方にも向いている。
- また、このカメラのソフトを開発出来る人にも魅力的だろう。
PIXIIが向いていない方
- PIXIIはマス市場をターゲットにしたカメラでは無く他とは異なるものを求める層に訴求している。
- FUJIFILM X-Pro3やLeicaのカメラ、あるいはSIGMAのカメラも同様であるが、PIXIIは更にニッチな存在である。
- 現在でも高解像度、高感度、AF速度などで多くの議論が交わされているが、PIXIIは明らかにこのようなメインストリームのコメントを行う層には向けられていない。
- またそのような軸でレビューを行うウェブサイトにも無視されるだろう。
- おそらくお金も必要だろう、スタートアップの企業が高価にするのはよくあることだが、もしInstagramに中古のライカの価格云々やフルサイズだからどうのこうのと書かれている方は対象にならないだろう。
いかがでしょうか?
現時点でも各社のAPS-Cミラーレスカメラでもマウントアダプターさえ購入すればLeica Mレンズをマウントして撮影することは可能です。
それでもPIXIIを選択するのはやはりレンジファインダーでMマウントレンズが使えるというクラシックさと、スマホと連携して使うというモダンさの組み合わせにギャップ感の魅力を感じられる方だと思います。
価格次第ではそんなマニアの方に人気になると思いますので楽しみですね!