NHKが有機膜+CMOSを積層したRGB3層カラー撮像素子の開発を発表(追記あり)
NHKが有機素子とCMOS素子を積層したハイブリッドな3層カラーセンサーを開発したということです。
NHKは、高精細な小型単板カラーカメラの実現を目指し、光を電気信号に変換する有機膜を用いた撮像素子の研究開発を進めています。今回、有機膜を積層したカラー撮像素子を開発しました。
Via:NHK放送技術研究所 – 【報道資料】 2020年6月26日
有機膜を積層した3層カラー撮像素子を開発~高精細な小型単板カラーカメラの実現に向けて~
スペック
- 素子構造
- 青色用有機膜(ガラス基板上に積層)+緑色用有機膜(赤色用CMOSイメージセンサー上に積層)
- 画素数横
- 320 × 縦240
- 画素ピッチ
- 20μm
- フレームレート
- 60フレーム/秒
こちらがこのセンサーの分光特性
こちらがデジカメWatchのSIGMAへのインタビュー記事で掲載されていたFOVEON Quattroセンサーの分光特性
FOVEONセンサーに対して、分光性能は良さそうですが、まだ画素数は実用的では無いようで、画素ピッチは20μです。
対してfoxfotoさんの計算によれば、FOVEON Merrillセンサーの画素ピッチは4.9μということです。
#SIGMA の歴代 #Foveon センサーの画素ピッチを計算してみた。#DP1x #DP2x #SD14 #SD15 など→7.8μm#DP1M #DP2M #DP3M #SD1 #SD1M→4.9μm#dp0Q #dp1Q #dp2Q #dp3Q #sdQ #sdQH→4.3μm(T層)、8.6μm(M&B層)
次期フルサイズFoveonセンサー→6.5μm
数値的には初代DP等と #Merrill の丁度中間だね。— foxfoto (@Fox_now) March 6, 2019
よって、NHKの3層センサーがスチルカメラに降りて来るにはまだ時間がかかりそうですね。
追記 – NHKが研究しているということは放送向けの映像用という意味もあると思いますので、従来のビデオカメラで使われているRGB分解プリズムの分光特性について見て見ました。
引用させて頂いたのは武蔵オプティカルシステムの。TVビデオカメラ用色分解プリズム光学系の情報ページ。
やっぱりプリズムによる分光は素晴らしいということですね。
ただNHKの3層センサーはプリズム分光に近い特性を求めて、RGBカメラを小型化するという目的なのかもしれませんね。
気になるニュースですね。将来的にはベイヤーセンサーからこういう3層構造のセンサーに変わっていくのかな。
でも画質的にはもう現状のベイヤーセンサーでも十分なんで、生産コスト的にベイヤーセンサーより安いとかメリットがないと、ベイヤーから3層式へ移行するメリットもないような。
あと、FOVEONを見ていて、
・高感度性能が高くない
・像面位相差AF用の位相差画素とかを載せられるのか
といった面も気になります。まだまだそこまでの話ではないのでしょうね。
解像度や高感度性能が向上する富士フイルムのX-Transカラーフィルターの例もあるので、時代が3層構造式センサーを必要するときが来るのでしょうか。
コメントありがとうございます。NHKのリリースでは高画素化の早期実現を宣言していますので、もしかしたら動画でのメリットがあるのかもしれませんね、ここまで分光しているということは光エネルギーのロスも少なくそうですし、直接RGBが得られるので、処理が簡単とか、、、、、ただ8Kを睨んだ場合3000〜4000万画素必要そうなので厳しいかもしれませんね。