カメラ市場が縮退する中今後生き残ることが出来るカメラメーカーは?(EOS HD)
EOS HDのサイトが現状のカメラ市場の分析から、将来生き残ることで出来るカメラメーカーの予測記事をアップしました。
- カメラメーカーは多様化を目指した競争を行っており、トラディショナルなカメラビジネスは過去のものになりつつある。来年はジェットコースターに乗り込むことになるだろう。
- コロナウィルスの流行を後にして中国での売上高は回復をしているが日本のアナリストは2020年は対2019年40%減を予測している。
- カメラ業界は2021年に大きな変革が起こり、主要な顧客離れによって趣味層とプロフェッショナル向けのみに注力することになるという予測がある。
Canonの現状
- 今年欧州のカメラ部門で4100名の人員整理を行なった。
- その一方で産業機器向けコンポーネントや技術など多様化に向けて舵を切っている。
- Canonはパーツサプライヤーであり、また、多くのレンズを販売しているメーカーであるという見方も出来る。
- それらと比較してミラーレスカメラは比率が低い分野だ。
- 工場向けの検査及びリモート監視用の自動パン&ティルトヘッドに大きな期待を寄せている。
- 産業向け及びセキュリティ向けにCMOSセンサーをの供給も計画している。
- Canonは非常に多用なビジネスを展開しており、Nikonのような2021年を懸念するようなことにはならないだろう。
FUJIFILMの現状
- 各カメラメーカーの中でFUJIFILMはコロナ禍の状況においても実績をあげていた。
- 彼らは英国のNovovax社とワムチンの製造に乗り出し、病院向けの治療薬の製造も行っている。
- カメラ以外でも屈曲光学系を用いたプロジェクタの製造を開始した。これはスモールオフィスやミーティングルーム向けの超短焦点の設置が可能かつコンパクトなプロジェクターユニットである。
- GFXカメラによるハイエンドなプロフェッショナルフォトグラファー向けに注力していることも賢明である。
Nikonの現状
- Nikonにおいてはカメラは常に中核事業であった。それが今危機に瀕している。
- カメラ販売のみならず、半導体製造装置事業において最大のクライアントであるIntelへの依存から脱却する必要に迫られている。
- その手段の1つとしてNikonによれば彼らの優れた光学技術を、3Dメタルプリンタに適用することを目指している。
- 一眼レフビジネスは既に過去のものになりつつあり、既にミラーレスカメラだけではこの会社を支えるには十分では無くなっている状態だ。
- Nikonは今後よりビジネス規模の小さい会社になる可能性がある。
RICOH / PENTAXの現状
- 4月にカメラビジネスの見直しと継続を確認したが、それ以来親会社のRICOHからは大きな投資が行われる兆しは見えない。
- 愛好家向けの新APS-Cカメラを予告しているがいまだに発表されていない。
- 高い評価のレンズ(85mm F1.4)が発表されたが、これからもフルサイズミラーレスカメラへ移行をすることは無いだろう。
- PENTAXを救うことが出来るのは更なる買収であるり、ブランドが変わるのはそれが最初という訳では無い、
- ライバルの大ブランドが一眼レフ市場から撤退したことで、光学ファンダーを好むユーザーに対するPENTAXの余地が生まれているのは望みではある。
- PENTAX愛好家は未だ多く存在し、レンズも魅力あるものだ。
- 一方で親会社のRICOHは自宅でのzoom会議など普及によって事務機販売急落によって多額の損失を出した。
- 今のPENTAXに望みたいこと
- 新いオーナーの元でより多額の投資を受けることである。
- PENTAXのバッチを付けたストリートフォトグラファー向きとして光学ファインダー付きでフルサイズセンサーを搭載したバージョンのGRIIIを出すべきである。
- 動画を除外しハイエンド一眼レフ市場に注力すべきである。
- 世界初の光学とEVFのハイブリッドファインダーを作るべきである。
- シネマなどの新市場も探求すべきである。
SONYの現状
- 2020Q3でイメージセンサーは約100億ドルの売り上となっている。
- 同社のカメラの販売は2020Q1に50%の低下となったが、その後α7SIIIをリリースし、中国にも強い需要見込みがあり回復基調となっている。
- ブラジルでカメラ市場から撤退した。
- 今年のSONYは大きくアップダウンを繰り返しており、会社全体でのコスト削減が続けられている。
- SONYのカメラビジネスは他社よりも強固と言えるが、SONY全体を見ると例えばPS5のような大きな利益をもたらしているものでは無い。
- 彼らは誰よりも早くフルサイズミラーレスカメラへの移行を行うという良い判断を下した。
- 対するPanasonicは5年も遅すぎていた。その結果SONYはハイエンドとプロフェッショナルカメラの市場を獲得するに至った。
- しかしSAMSUNGかつてそうしたように、全体でのより大きい釣果を目指すことになるだろう。
Panasonicの現状
- 11月に発表されたQ3の収益は、2019年と比較して増加している。
- その一方でLマウントアライアンスはPanasonicにとっていびつなスタートとなった。
- カメラ開発チームはハードウェアに関しては良い仕事をしているが、新SシステムはSONYから5年の後塵を喫することになり人々にマウントの変更を受け入れてもらうのは困難である。
- 更に同時期にNikonとCanonが独自のフルサイズミラーレスシステムを立ち上げた。
- Panasonicは長い間参入を躊躇していた為、競合他社は独自の地位を築くに至ってしまった。
- Panasonicはマイクロフォーサーズのようにフルサイズミラーレスでのニッチで安楽のポジションを獲得出来ないでいる。
- それは飽和した市場であり、オートフォーカスの弱点を持ちながらも多くの強豪と戦うことに陥っている。
- Panasonicは更なる間違いを犯すことは出来ない。
- プロシネマとフルサイズカメラの売上は特に欧州において苦戦している。
- 企業全体では良い状態を保っていることから、カメラ部門の収益改善やコスト削減の措置を講じる可能性がある。
- GH6はどこに行ったのでしょうか?
SIGMAの現状
- 全てのカメラメーカーの中で、SIGMAは私に最も希望と将来性を感じさせてくれた。
- 彼らは大企業の傘下ではなく、物申す株主の気まぐれなコスト削減の圧力にも晒されていない。
- 彼らは長い間熱心でビジョンを持った家族経営を継続している。
- SIGMAは世代間で受け継がれ、その間会社の存続の為の機会を獲得し、安定した雇用を維持してきた。
- 2020年においてもビジネスと収益は良好である。
- シグマのレンズ販売は刷新したレンズで、Canon、Nikon、やSONYなどのベストレンズを低価格で打ち負かした。
- ARTシリーズは愛好家、プロフェッショナル、からもハイエンドであるとみなされている。
- 加えてAPS-Cシリーズ、16,30,56mm F1.4単焦点などでも低価格の大衆市場から目を離すことはなかった。
- SIGMA fp は日本で好調で立ち上がり、映像製作者の熱心な層に支えられている。
- Lマウントについては、SIGMAにとっては黎明期であり、今後数年間のリリースを待つ必要があり、現時点では未だ大きな成功はもたらしていない。
- 私は、将来フルサイズLマウントについては彼らが唯一成功を収めることは疑い無いと考えている。
- PanasonicのSレンズはコストパーフォーマンスに劣る。
- LeicaのSレンズは多くのプロにとってさえも天文学的な価格である。
Leicaの現状
- 米国の投資会社が45%を所有している。
- 収益は約4億ドルとなり、Leicaは富裕層向けの市場に対して正しいことをしていると思われる。
- 私はカメラ市場の危機が彼らにどこまで影響を与えるかは判らない。
- プロとニッチなお金持ちの顧客だとすると、スマートフォンの世界からは隔離されているのだろう。
- ここ最近のLeicaのカメラは本当にエキサイティングであり、特にSL2が好きだ。動画向けとしてはSL2-Sも良いと思う。
- ただ、SONYと比べるとオートフォーカスに弱点を持っているが、Leicaを使うという経験は他のメーカー一線を画するものである。
2020年の振り返り
- 巨大なCanonとNikonは一眼レフ市場を去りミラーレスシステムにチャンスを懸けた、これら長期的には保証されたものでは無い。
- 彼らが今後カメラ以外の部分でどれだけ多様化するかに掛かっている。
- 平均的な消費者がカメラを購入する理由となる、結婚式、休日、旅行だが、これらはパンデミックによって閉ざされてしまった。
- これら全てが正常に戻るには未だ時間が掛かることになるだろう。
- この間プロは酷い時を過ごすことになった。2021年においてはSONY FX9を購入するような身であっても、仕事を維持出来る者は更に少なくなるだろう。
- 2020年に起こったことは、誰もが撮影する機会が減り、家の中に留まる理由が増えたことだ。
- スマートフォンの進化も続いている。
- これらの背景から、4つのメーカーと1つの予測外のブランドにとって大きな問題が生じることになるだろう。
今後の各社予測
- PanasonicはLマウントカメラの方針を変えない限り、厳しい状況に陥ることになるだろう。
- マイクロフォーサーズを無視してフルサイズに向かったのは間違いだったのだろうか?それはNoである。
- 5年の後塵は遅過ぎたこと、コントラストAFしか無いこと、これが間違いとしてYesである。
- RICOHとPENTAXはOLYMPUSの行き着く先と同じになってしまうかもしれない。
- PENTAX製品が上手く行くかもしれないが、或いは完全に名称が消滅することになるのかもしれない。
- 全ては経営陣の判断と投資額に依存することになる。
- 大衆向けのカメラとして生き残るには向いていないが、素晴らしい光学ファインダーで、愛好家に向けたハイエンド機としてクラシックなデジタル一眼レフになることで、Leicaのように、ニッチな存在になれるかもしれない。
- カメラ業界全体もますますニッチになり、ますます高価になり、主に愛好家の層がアップグレードを続けて行くことになるだろう。
- PENTAX製品が上手く行くかもしれないが、或いは完全に名称が消滅することになるのかもしれない。
- Nikonはビジネス全体に大きな課題を有している。
- 私の意見では彼らが生き残れる確率は50対50と考えているが、2025年頃にはカメラ市場においてより小規模のプレイヤーとなるのはほぼ90%確実であると読んでいる。
- まずは彼らが2021年にどうやって行くのかに注目したい。現時点で確実な予測を立てるのは困難である。
- Nikonの経営陣はこの数年間問題を上手く処理できていないようなので見通しは良く思えない。
- SONY、そう、SONYだが、株主にとってミラーレスカメラはそれほど重要では無いと考えている。
- 市場には将来の可能性も低く、成長の余地は残っていないように思える。SAMSUNGがそうしたように。
今後の予測まとめ
- イメージセンサー市場とスマートフォンの資金の流れはどうなるのか、SAMSAUNGはかなり前にそれを認識していた。
- 将来仮にEマウントの売上げは減少することになるとすると、SONYが顧客に対して忠誠心を示すことを期待できない。
- SAMSUNGが大魚を釣り上げることが出来ており、より能力が高い工場で収益性の高い商品に移行しているように。
- SONYにとってカメラは必要なのか?
- かつてカメラはTV部門と共にSONYが4Kに参入するにあたり重要な部門であった。
- しかし市場は変化しておりSONYはオーディオビジュアル市場への関与を縮小している。
- 私の意見ではあるが、生き残るのはCanon、FUJIFILM、そしてSIGMAであり、長期的に見てカメラ市場のリーダーになるだろう。LEICAもまたほぼ今のまま継続する。
- 勿論そうならないことを願っているが、これまで日本がカメラ市場の90%を支配してきたのだ。
- 他の国が立ち上がり、我々にカメラ会社を救うことを望みたい。
- Leicaの他のドイツの企業は?Zeissは?中国のDJIがステップアップするか、オーストラリアのBlackmagicももハイエンドミラーレス市場に参入する可能性もある。
- 倒れた日本の巨人に代わるような更なるカメラメーカーが必要であると考えている。
この記事は、あくまでもEOS HDの編集者の予測ということですのが、納得出来るのは今後のカメラ市場が拡大することは無いということ、そして今後は熱心な趣味層がターゲットになるということですね。
そうなると上場企業は、株主の利益が最優先されますので現状のカメラビジネスは投資対象としては魅力が薄いことになります。
そして先日Nikonが国内でのカメラ生産を終了するというニュースが流れました。
それに対するSIGMAは完全にMade in Japanを企業方針と出来るのはやはり山木社長のカメラに対する情熱と従業員の雇用が最優先に出来るのはやはり上場企業では無いからということですね。
また他の事業分野が絶好調なFUJIFILMもハイエンドカメラは国内生産を続けられています。先日のX Summit OMIYA 2020では大宮を開発と製造の拠点にされたことを示しています。(海外で生産も行なっていますが)
こちらが日本製のFUJIFILMカメラのリスト
カメラファンの心情的には、このような国内生産されているカメラメーカーの方を応援したくなることがあるのかもしれませんね。
勿論、各メーカー共に日本で生産されても、品質は全く問題はないと思いますが、LeicaがMade in Germanyを証としているように日本のカメラメーカーも独自の製造を続けて頂きたいとも思いますが、、、、まぁ企業そのものが無くなる状況においては致し方ないのかもしれませんね。
ピンバック: 2021年のカメラと業界を予測する動画(Tony & Chelsea) | Dmaniax.com
FUJIは国の文化財資料(フィルム撮影指定)インスタントカメラ市場を独占
NIKONは防衛産業及び宇宙開発市場を独占
ソニーはテレビカメラの技術を組み込んで、紙媒体の報道シェアも拡大中
シグマはレンズが絶好調
canon長年変化なし急激に市場縮小中
バナソニックは動画の時間制限を取り払った動画対応のカメラ
2020年の動向見る限り一番ユーザー離れたのがニコン、増えたのがソニー
新規顧客増えないのがcanon