追記あり>こだわりが仇?>40年継続した仙台ニコンのMade in Japanカメラの製造が終了と報道されたのでここ最近の流れを振り返ってみた
【2021年4月2日追記】
メディアがニコンの一眼カメラ国内生産終了を報じました。
ピーク時の1999年には年間約71万台の一眼レフを生産したが、近年はスマートフォンの普及でカメラ離れが進み、生産台数が大きく落ち込んでいた。現在生産している最上位機種「D6」はタイ工場に生産拠点を移し、仙台ニコンはカメラ部品の製造を続ける。
Via 読売新聞 名機「F5」「D1」も、ニコン一眼の国内生産に幕…スマホ普及で
- 最上位機種「D6」はタイ工場に生産拠点を移す
- 仙台ニコンはカメラ部品の製造を続ける
- キヤノンは、大分、宮崎、長崎の九州3県で一眼レフ本体やレンズなどを生産している
カメラ大手のニコンは、一眼レフカメラ本体の国内での生産を年内で終了します。
Via 朝日新聞 ニコン、一眼レフの国内生産を終了へ 「こだわりが仇」
調査会社BCNの道越一郎・チーフエグゼクティブアナリストの分析
- ニコンは3位となりコストを軽くするためにも完全な生産移管が必要だった
- 最大の要因は、間違いなくスマートフォンの性能向上
- 高性能機は二代巨頭時代だったがソニーが台頭へ
- キヤノンはかろうじて追いついたが、ニコンは完全に出遅れ
- ニコンらしさのこだわりが仇
- コロナ流行で高性能カメラを買う動機もなくなり、各社正念場
日本カメラ博物館(東京)の山本一夫学芸員の分析
- 学芸員は「若者」「女性」「動画」が復権のカギ
- 写真を撮る機会は増えているので、復権のチャンス
- かつて中高年男性ばかりが、若い方や女性が増えている
- 動画が大きな可能性を秘めている
- ユーチューブへの投稿などスマホでは物足りなさを感じる筈
こだわりが仇というのはちょっと厳しい指摘かと思います。
ニコンらしさにはこれからも拘って欲しいとも思いますが、NikonはSONYに比べてカメラ事業の比率が圧倒的に高いというのが弱点になっているのかもしれませんね。
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先日、朝日新聞AERAのサイトでニコンがカメラ本体の国内生産を終了へという、衝撃(すでに予告もされていましたが)のニュースが流れました。
ついにニコンは、70年以上続けてきたカメラボディーの国内生産に幕を下ろす。これまでボディーの製造は、宮城県にある「仙台ニコン」と、タイの「ニコンタイランド(NTC)」で行ってきたが、コスト削減のため、タイ工場に集約する。
Via : AERA – ニコンがカメラ本体の国内生産を終了へ
- ミラーレスカメラZ 7、Z 6の生産は9月末で完了
- 10月からタイへの生産移管準備を開始
- D6も2021年度中にタイへ生産を移管する予定
- 震災で、被害が大きかったカメラの組み立て工程の現場
- カメラの製造は熟練した職人技によって支えられているというイメージだが斎藤社長はそうあるべきではないと言う
- カメラは工業製品で従業員であれば誰にでも作れることを目指している
- ニコン固有のものはほとんどグループ会社内で作っておりニコン品質のカメラを海外メーカーが作ることはない
- 仙台ニコン今後のカメラ製造に関する役割
- 映像製品に必要な高機能・高精度な部品生産を継続
- 新規事業のスタートアップ工場
- タイの生産工場は1990年に設立、約30年もの間カメラや交換レンズを生産
仙台ニコンのHPはこちら。
宮城でカメラを生産してまもなく半世紀ということですが、仙台ニコンのあゆみのページをみると、設立は1971で創業開始は1973年ということで、当時は部品を製造していたようで、1978年にNikon EMの生産を開始したのが仙台ニコンでのカメラ製造の始まりということですね。
仙台ニコンの場所はこちら
これまでの記事を振り返ってみた
ということで、これまで仙台ニコン関連の記事を幾つかアップさせて頂いていましたので、それらを振り返ってみました。
AERAの記事にもあるように、ニコン仙台は2011年の震災で甚大な被害を被られたということで、操業が停止した経緯もあります。
その震災を乗り越えた、仙台ニコンは2012年のデジタルカメラ最盛期には従業員1600名で月産3万5千台もの一眼レフカメラを製造されていたということでした。
そして2018年は月産2万台ということで、その頃にはカメラ製造の自動化が76%に到達していました。
この時点で一眼レフのNikon F6、D5、Df、D850、そしてミラーレスカメラZ7やZ6が仙台ニコンで生産されているということでしたが、いつしかD850は既にタイ生産に移管されていたということですね→こちら
そして、デジタルカメラの販売台数が年々減少する中、その頃から厳しい状況になっていたNikonに追い討ちをかけたのが、コロナウィルスと半導体製造装置事業の不振でした。
今年の11月の決算発表の時点でタイに生産移管することが決定していたということですね。
仙台ニコンで生産されていたNikon Dfは少し前からもう製造されていなかったようで、11月にはおそらく在庫の販売も終了。
そして、12月に最後のフィルム一眼レフカメラNikon F6も旧製品になっています。おそらくそれよりも前から仙台ニコンでの生産も終了していたということですね。
Nikon Z7, Z6も仙台ニコン製のMade in Japanだったのですが生産は9月で終了、10月発売のNikon Z7II、Z6IIからタイ生産のカメラに完全に切り替わったということですが、これもIIにマイナーチェンジした大きな理由ということになると思います。
そして先週、Nikon D6が宮城県仙台市のふるさと納税の返礼品として登録されたことをお知らせしましたが、AERAの記事の通り、現在工場で生産されているのはD6だけということですのでD6だけ返礼品になったのが理解できました。
ということで、これらのニュースを今から振り返ってみるとNikonが10月にはタイ工場へのカメラ生産集約を決定していたことが再度判りました。
これまで続いていた、Made in JapanのNikonブランドのカメラが無くなることは残念ですが、タイ工場も30年の歴史を誇るNikonの工場ですので、クオリティも絶対に今まで以上のものを出して頂けるということですね。
こちらが仙台Nikonで生産されていたカメラの一覧ページ、、、、こんなに多くのカメラが生産されていたんですね。
そして、最後にMade in Nikon はD6ということで皆様いかがでしょうか?
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