DPreviewにFUJIFILMの光学/電子映像部門の4名(ゼネラルマネージャー 山元氏 / プロダクトプランニングマネージャ 渡邊氏、大石氏 / シニアマネージャー 鵜殿氏)へのインタビュー記事が掲載されています。
This week, we sat down (virtually) with senior executives of Fujifilm, to learn more about the development of the new GFX 100S, plans for future lenses and what kind of a company they want Fujifilm to be.
Via : DPreview – Interview – Fujifilm:
GFX100Sのターゲット顧客は?
- GFX100はプロ向けだが、GFX100Sはより広いユーザーにアピールするカメラで、上級アマチュアもターゲット。
GFX100SのIBISメカニズムの軽量化はどのように実現したのか?
- GFX100は耐久性が優先だったが、GFX100Sではフルサイズと同じサイズにすることを目標としレイアウトを含めて全体を最適化した。
GFX100とGFX100Sの構造や品質の差はあるのか?
- GFX100は究極の耐久性を目指していることから、内部シャーシーを設け衝撃に耐えるような構造となっている。
GFX100Sに縦位置グリップオプションが無いのは?
- GFX100があるから
GFX100の顧客からのフィードバックは何だった?
- 多くのユーザーは小型、軽量、低価格を望んでいた。
- 操作のし易さを求める一眼レフユーザー向けとしてGFX100Sを開発した。よってモードダイアルも搭載している。
GFレンズの拡大は?
- 23mmから350mmの焦点距離をカバーしているが、その中でいくつか欠けている部分のレンズを開発している。
- GFユーザの多くは風景を撮影することを好むことかから広角側が求められている。
- 建築写真家も多くおり、ティルトシフトレンズの要望が多い。
- 最優先が何か?は検討事項
APS-C Xシリーズレンズの優先事項は?
- 現在の最大は400mmで超望遠、500mm、600mmが欠けている。
- 第一世代のレンズはAFが遅く、耐候性が無いので改善する必要がある。
X100Vの状況は?
- X100VはCOVIS-19の前後で変わらない。
- ライフスタイルに対する撮影の需要が高まっている。
X-T4の反応は?
- 画質だけでなく、手ブレ補正、バッテリー、強力なシャッター機能などで成功している。
- 動画も価格とのバランスが取れていることで高く評価されている。
- AFのパフォーマンスも好評である。
- しかし一部のスポーツ写真家はより優れたAF性能を要求している。
AFの改善は?
- 顔/瞳認識は良く機能しているが、被写体の移動に対する追従性を改善する必要がある。
- トラッキング中の割り込みなどのアルゴリズムが欠落していることを認識しており、改善する必要がある。
- 一部のレンズは旧式なので改善する必要がある。
- ファームウェアで改善するが、いくつかはハードウェアで改善する必要がある。
X-T4は強力な動画カメラだが、多くの人は静止画を撮影している、1つの製品で両方のニーズを満たす可能性はあるのか?
- X-T4の動画は水準以上の画質を実現しているが、動画撮影者とスチルカメマンでは、フォームファクターの要件が異なる。
- X-T4は静止画向けに開発されている。
- ビデオグラファーは関節タイプの可動液晶を好むがスチルカメラマンはそれが嫌いである。
- ビデオグラファーには別のフォームファクターが必要と考えられるので研究している。しかし市場規模やユーザー数を考慮する必要がある。
コンピューショナルフォトグラフィーについて興味はあるのか?
- 簡単な質問では無い。4、5年後のことを常に考え、研究をしている。
- 技術的にはセンサー速度と処理速度が高速化しているので多くのことが出来るようにはなっている。
- 将来的にはこれらの種類の処理は可能になるだろうが、カメラシステムとして統合するのは非常に難しい。
- 顧客が何を望んでいるのかを考える必要がある。
ピクセル数が増えてもX-Transには未だ優位点はあるのか?
- 解像度が高くても十分機能する。モアレや偽色に有効である。
- しかし中判1億画素ではX-Transは必要では無い、一方で2600万画素のXシリーズにはX-Transが必要である
COVID-19の影響は?
- 影響は一時的なものであった。予測よりも小さかった。
- 一方で顧客の行動に変化をもたらした。
- 1000ドル未満の製品は減少したが、ハイエンドとGFXの需要は増加し、これらはパンデミックによって加速している。
- ハイエンドに焦点を当てており、顧客の声に耳を傾け続ける。
2021年にカメラメーカーとして直面した最大の課題は?
- 2021年のみならず開発は常に困難なものであり、ブレークスルーし革新することは常に挑戦的なものであるが、世界を変えるチャンスでもある。
- 最大の差別化ポイントは、フィルムシミュレーションがもたらす色再現性である。
- FUJIFILMの画質が他社に対していかに異なるか、というポイントを顧客に認知してもらうのが重要である。
- GFX100Sにおいては、コンパクトと優れたデザインを低価格で提供したことで多くの顧客に受け入れられている。フルサイズだけがフォーマットでは無い。
今後はGFXカメラとGFレンズをフルサイズと価格競争力のあるものにするのか?
- 価格は1つの要因だが、機能、サイズ、使い易さも重要なポイントとなる。
- 価格をフルサイズ並みにすると、更に需要が大きくなることは認識しているが、しかし多くのパーツはフルサイズよりもコストがかかる。
- よって、フルサイズより少し高い価格にする必要があるが、市場を刺激するためにはそのギャップを最小限に抑えるようにしているのが戦略である。
山本氏のビジョンは?
- 写真と映像はコアビジネスであり、ブランドの力となっている。
- カメラ事業が継続して繁栄し、成功することを約束する。
- 写真家の為にデジタルカメラと画像システムを作り続けたいと考えている。単なるカメラ会社であはなく、イメージング会社である。
- プロからアマチュアまであらゆる種類のユーザーに対し価値を示すようにする。
- スマホで写真を撮り始めた人は、写真の価値と力を理解し、瞬間を共有している。我々の製品とソリューションをこのような方にも共有して頂く努力をする必要がある。
新しい顧客をどのように獲得するのか?
- X-S10はスマホで撮影を始めた人にとってはとても良いステップアップ商品である。
- インスタントカメラのチェキも2018年に1000万台を販売し、Xシリーズを購入する可能性があるFUJIFILMファンの大きな基盤になっている。
- 我々のプロモーション戦略は、若い世代を含め全ての人にリーチすることである。
FUJIFILMのインタビュー記事でいつも感じるのは、答えられている戦略とコンセプトが理論的に繋がっていて、製品にその通り反映され結果を出しているということです。
今後の戦略は、高付加価値の製品にも注力するということで、その役割を担う次のカメラは何になるのでしょうか?
GFXシリーズはインタビューにもあるようにフルサイズよりもやや高めに設定するということですが、APS-Cカメラとそのギャップが大きいのも事実です。
現時点でGFX100が中判のフラッグシップとして。APS-Cのシリーズにも誰もが納得できるフラッグシップ機が必要だと思うのは私だけでしょうか?
(味があるカメラはX-Proで追求出来ますし)
他社のミラーレスカメラはAPS-Cは入門から中級的な扱いになっていますが、FUJIFILMこそハイエンドのAPS-Cシステムが実現できる唯一のメーカーだと思います。
既に、X-T4では30コマ秒の連写もできている(ただしクロップですが)ので4000万画素程度ならスピード性能ならα1を超えることも実現可能だと思います。
そして、インタビュー中にもあるように動体追従のAFが強化されれば完璧ですね(^^
個人的には最近噂に出て来たX-H2がその候補になれば良いと思っていますが2022年になるんでしょうかね。。。