Z9の名称の意味がわかった!ニコンはインフルエンサー重視、そして撤退報道について(GetNavi web)
GetNavi web がNIKON 映像事業部 UX企画部長 大石啓二氏、ニコン イメージング ジャパン執行役員 マーケティング本部長 若尾郁之氏へのインタビュー記事を掲載しました。
去る3月に、カメラ市場を支えるメーカー・ニコンの2021年3月度における連結決算予想をもとにしたニュースが報じられました。市場全体と同じく、コロナ禍の影響を色濃く受けたその内容に多くのニコンユーザーが、驚きの声を上げたのは記憶に新しいのではないでしょうか。
Via:GetNavi – ニコンの見る「映像とカメラの未来」(前編)
後編では、メーカー目線で見たコロナ禍の実態から、「センセーショナルな報道」を受けて、今考えている思いについて伺いました。インタビューに答えて頂いたのはニコンから、映像事業部 UX企画部長 大石啓二さん、ニコン イメージング ジャパンから、執行役員 マーケティング本部長 若尾郁之さんです。
Via:GetNavi – ニコンの見る「映像とカメラの未来」(後編)
Nikon Z9について
- ”9″は一桁で最大の数字を冠したZ 9は、Zマウントフラッグシップ機を表している。
- Nikon初の8K搭載、静止画と動画を区別せず、シームレスに撮影できる製品とする。
何故新機種では無くZ 7II 、Z 6IIだったのか
- 縦位置撮影対応のバッテリーグリップやカードスロットの増設などハードウェア面の要望に対応
- 全く新しい機種をイチから作るか、Z 7、 Z 6をベースかは相当議論を行った
- より早く要望に応えることを優先しZ 7、Z 6をベースとしたZ 7IIとZ 6IIに決めた
現場が認識した新いユーザー像
- ここ数年で急速な撮影ニーズの変化、自己表現ができる機材が求められている。
- 以前はメーカー発信の情報を受け取る方が多かったが、最近はインフルエンサーからの情報を取りに行っている。
- YouTubeを見て自分で学ぶ、情報に対して能動的な若い世代の存在を感じている
インフルエンサーについて
- インフルエンサーが使っている機材を見本にする傾向も強まっている
- インフルエンサーの人たちも機材の始まりはスマートフォンからという方が多い
- フォロワーの人たちはその過程を見てきている
- いつかは同じ機材を買って、その世界を体験したい”という想いが芽生えていく
NX Studioについて
- 閲覧ソフト『ViewNX-i』と編集ソフト『Capture NX-D』を統合
- 自分の思い通りの表現を実現できる、体験価値を体験してほしい
コロナ禍で起きたこと
- ニコン製品は“触ってもらえれば良さがわかる”と言われるのでグリップ感など試してもらえないのが残念
- 販売店の要望を伺えなくなったは痛手
- お客様と販売スタッフの会話に色々なヒントがあった
- カメラの購入意識が下がったがSNSなど自己表現のニーズは変わらなかった
- 世界でマイクロレンズが大きく売り上げを伸ばし室内撮影を楽しむニーズを強く感じた
- 家の中で撮影を楽しむコンテンツ、オンライン講座『Nikon School』の無償化など大変好評
- リモート会議のWebカメラのニーズも新しく生まれた
CP+2021でのオンラインへの確かな手応え
- 今年のCP+には非常に手応えを感じた
- お客様が多彩な撮影体験を求める傾向にありアプローチした
- 登壇者と視聴者の一体感を生むことができた
- オンラインならではのコミュニケーションの可能性を強く感じた
- 今後も動画コンテンツは増やしていきたい
- オフラインの対策として「airClosetMall(エアクロモール)」貸し出しサービスを開始
センセーショナルな報道を受けて
- 「ニコンがカメラ事業から撤退」報道で多くのお客様にご心配をいただいているということを実感
- 若いユーザーの方も愚直にモノ作りをしてきたNikonを応援たことに感動している
- だからこそ責任を強く感じている
- 長くカメラを作り続けてきた経験から『感覚性能』の企画、開発を行っている
- ツールの完成度は変えてはいけない部分だがニーズは時代とともに日々変わる
- 耐久性への信頼、グリップ感、性能に対する安心感などは維持すべき
- 一方でこれまでのカメラでは被写体や撮影シーンによってストレスに感じることも出てくる
- 動画と静止画を問わず様々なニーズがある
- それぞれの用途に使いやすい機材が求められている
- 従来のような上位機種の機能を下位機種に展開していくモノ作りではカバーしきれない
- “ストレスフリーなカメラ”を作り続けていくというのが大事
ニコンという会社と2種類の顧客
- ニコンは頑固な会社というイメージはYesでありNoでもある
- 両方の側面をもった面白い会社
- ニコンはチャレンジングな企業
- 守るべき歴史は守りながらもニーズを反映したモノ作りを行うメーカー
- エントリー、ミドル、ハイアマチュアといったリテラシーの軸だけでなく『ニーズ軸』でも見ている
- ニコンのお客様の2つの種類
- “カメラ趣味層”
- 機材に対する信頼性、愛着を重視
- 機材そのものや性能も価値
- “表現趣味層”
- カメラで撮影した画像を楽しむ
- 『撮れること』に重きを置いている新たな世代
- ぜひニコンのファンになっていただきたい
- “カメラ趣味層”
- 双方に、感動と驚きを感じていただける商品を企画することに全力を注ぐ
このインタビューは前後編に別れての記事ということで、なかなか多くのことを伝えられたかったようですね。
まずZ9のコンセプトはSONY α1と同じ方向性のようで、とにかくオールインワンで最高のパッケージをしたカメラを提供し、ユーザ側がそのパフォーマンスを引き出す必要があるということですね。
そしてZ9に名称については多くの方の予想通り、9の数字は最大=最高ということのようです。
これはSONYやCanonの最初の数字1がリーダー?という意味とは逆なのが面白いです(^^
次にNikonが、最近の若い層、新しいニーズ、SNSとインフルエンサーの効果に目を向けているのも面白いです。
ただちょっと穿った見方をすれば、これはSONYがこれまで粛々とやって来た戦略でもありますし、Canonも昔から得意としていた部分でもあります。
さらに両者ともに一歩進んで組織構造から新しい時代に対応するということまでやっている状態です。
そういう意味では今回の記事の中だけあえての部分だとも思いますが、Nikonの回答で独特なのは、(私のような?)心地良いグリップが気になる古いカメラ好きのユーザーにせよ、SNSのインフルエンサーフォロワーにしても、結局コンシューマーユーザーの方をかなり意識していることを示したことだと思います。
これは、某経済新聞が撤退報道を流したことで、Nikonの歴史を築いて来た大切なユーザー層が分解してしまうという危機感なのかもかもしれません。
Nikonはチャレンジする企業ということですが、コンテンツ制作やその他の産業分野にもチャレンジしているニュースも流れていますので、そちらも注目が必要だと思います。
というか、撤退報道に対してトップの方がちゃんと答えられたインタビュー記事はこれが最初だと思いますが、昔からの写真・カメラ関係媒体ではなくGetNaviの媒体が使われたのも面白いと思いました。
これも新しい流れを示しているということなのでしょうか、、、
でGetNaviってカメラ媒体のCAPAと同じ、ワンパブリッシングというグループのようです。
ちなみにあのムーも同じグループのようです(^^
といういことで、Nikon Z9が今回のインタービューをなるほど!と思わせるようなカメラになっていると思いますのでめちゃ楽しみです!
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