ニコンプラザはよりカジュアルに改装されていた
コロナ流行の前に行った時よりもかなりカジュアルな雰囲気に改装されていました。
打ちっ放し空間+廃材利用的なウッドなテイストがエコでカジュアルな雰囲気を醸し出していますね。
これまではちょっと製造会社のショールームという感じでしたが、これならより若い方、クリエイターの方も落ち着いて入れそうです。
ということで早速展示されているNikon Z fcを眺めてみたいと思います。
Nikon Zfc デザインコンセプトのコーナー
このように、Zfcのモックアップや素材、そして、コンセプトスケッチを展示するコーナーが出来ていました。
そして、ここで判明したのはNikon Zfcを担当されたデザイナーの鈴木舟氏のメッセージボードです。
鈴木氏のお写真を見る限り、お若い方のようですね。
おそらくですが、このように新カメラを代表してNikon社内のデザイナーの方が製品イメージのトップに出られて来るというのはあまり無いのではと思います。
そしてこのメッセージボードを見る限り、Nikon Z fcはやはり、高機能や、高性能を持つカメラというより、より多くの方が好きになるデザインを実現したカメラということになると思います。(というか皆さんお判りだと思いますが)
コンセプト01 形状
Zfcの形状は銀塩フィルムカメラFM2のデザインをミラーレスカメラとして昇華させたということです。
こちらはデザインスケッチですが、このスケッチのように直線で構成されたデザインですね。
特に、Nikon FM2はフィルム一眼レフであり、ボディのサイズも、マウントのサイズも異なっていると思いますが、そこで生まれたデザインを、ミラーレスカメラの寸法、しかもZマウントという巨大なマウントという寸法制限の中、まるで兄弟のカメラのように見せるというのは、かなりの造形センス必要ということですね。
コンセプト02 細部
FM2の外装パーツのようなプレス整形によって生じる細かい面形状の変化を再現したということです。おそらくZfcはプレス整形ではなくダイカストによる金属製のボディ(トップ部とその周辺)だと思いますが、CADモデリング時点で微妙な形状の味を付加したということでしょうかね。
確かに、Zfcの写真を見た時、他社のクラシックテイストのカメラよりも、よりクラシックな雰囲気が出ているのは何故なんだろう?と考えていました。
それが、このメッセージを見て、その秘密の1つが解ったような気がしました。
FM2が生まれた当時はおそらく3D CADやモデラーのようなものは無く、まず2D図面を引いて、そこから職人の方がプレスの型として手作業で作られていたと思います。そして実際のプレスでは金属のスプリングバックによって生じる微妙な形状のブレが発生するということですね。
現代では3D CADでモデリングされた形状データから、NCなどのコンピューター制御の加工機で型を制作しマグネシウムダイカストで流し込むという工程だと思いますのでこのFM2のような表面の張りみたいなものを再現するには意図的にモデリングする必要があるということですね。
もし他社がここまでの形状を作り込んで無いとすればやはりNikonのデザインチームは素晴らしい仕事をされたということだと思います。
このデザインは3Dプリントで試作して検証ということで、石膏と樹脂でしょうかね。
コンセプト03 カッティング
ダイヤル類の切削加工と塗装について、、、、
ダイヤルは切削されたままでは無く、アルマイトによって着色されているということです。
ペンタ部は塗装のようですが、ダイヤルはアルマイトによる着色ですので、これらの異なる仕上げの表面反射率から反射分光特性そして粒状感の雰囲気を合わせ込むのは至難の技だと思いますし、高い品質管理技術も必要だと思います。
ただダイヤル類の上面がブラックになっているのは、平面部分をそこまで追い込むよりもブラックにする方が良いという判断もあるのでしょうかね。
Zfcのデザインの大きな特徴の1つはダイヤル上部がブラックが多くあることで上面の印象をより引き締まったコントラストが与えられていることだと思いますので、やはり素材感は適材適所ということだと思います。
コンセプト04 塗装
デザインコンセプト04は塗装ということです。
金属に本物の金属のように見える塗装を追求しました、、、、ちょっとシュールですね。
背面のブラック部の塗装にも触れられていますが、ここはプラスチック部品への塗装でしょうか?
またスタッフの方に聞いたのですが、金属のように見える底面もプラスチックということでした。
つまり、ペンタ部の塗装、ダイヤル部のアルマイト着色、そして、プラスチックへのブラックとシルバー塗装、これら全てが同じ素材のように感じられるという、Zfcはもう徹底的に外観に拘りまくったカメラということが解って来ました。
下の画像は、金属、プラスチック、そして塗装と人工皮革ののマッチングを取るためのテストピースということでしょうかね。(ただのショーアイテムかもしれませんが)
コンセプト05 人工皮革
Zfcを、多くの方に印象つけるアクセントとなったのがこの人工皮革ですね。
ふた昔前は、人工比較というと安物という感じもあったかもしれませんが本革以上に高価な素材もあるようですね。(Zfcの人工皮革は高いのか安いのか(^^知りませんが)
更にもう現代的にも動物愛護やSDGsなどの観点からもメーカーがレザー素材を採用するのが難しい時代ということかもしれません。
とにかく決して安っぽく見えない、かつ他のパーツと調和が取れるように選び抜かれた素材が採用されるということですね。
ちなみに、アマゾンなどで売ってる貼り革キットをカメラに貼っちゃうと、期待を裏切るような安っぽさになる場合があると思いますが、Zfcの各色は、いずれも安っぽさ、人工’感は皆無でちょっと海外ブランドのカラーのようにも見える(個人的感想)のが素晴らしいかと思います。
したの写真を見ると、ブラウンのカラーでもパントンカラーの中からもう微妙に指定されているようですね。
プレミアムエクステリアの展示コーナー
これも、話題になったパステルテイストの貼り革のカラバリ、プレミアムエクステリアの各カラーが展示されていましたのでざっと見て行きます。
ホワイト
ナチュラルグレー
サンドベージュ
コーラルピンク
ミントグリーン
アンバーブラウン
全部
個人的な感想というと、まさかFM2テイストのデザインをカラフルにしても、安っぽい感じが全くしないのに驚きました。
ということで皆さんはどのカラーがお好みでしょうか?どれも魅力的で1つ選ぶのが難しそうですね!
ニコンプラザに来てNikon Zfcの魅力がちょっと解った
Nikon Zfcが正式発表された時、まぁZ50と同じスペックで、レトロデザインにした程度(失礼しました)のカメラかなぁと思っていましたし、すでに他社にも金属的なシルバーだったり、レトロな一眼レフのデザインのカメラ、或いは、女子ウケでパステルカラーのレザーを採用したカメラは沢山ありましたが、何故、Nikon Zfcだけが強烈に歓迎されているのか、というのが全く判りませんでした。
しかし、今回ニコンプラザ東京で、Zfcの実機や、関連の展示を見て解ったのは、そのレトロスタイルのカメラに作り変える為の徹底した細部のモデリング、マテリアル選択、加工方法、塗装方法、に対する追求が行われていたということが判りました。
またデザインや素材だけで無く、fというタイポを持って来たのも強く、エレガントなアクセントになってるように思えます。
そして驚いたのは金属のプレス加工によって生じるほんの僅かな歪みを形状に反映されたということまでして、、、ということです。
このようにZfcの徹底した外観への拘りは、機能設計者主導では無く、マーケッティングとデザイナーが主導して作られたカメラのようで、このようなアプローチはこれまでおそらく技術主導、質実剛健だったNikonにとってかなり画期的なのでは無いでしょうか?
そして、その結果はZfcは発表してわずか数日で初日予約分が売り切れてしまうほどの大人気になっていることで証明されました。
しかも特定の性別や年齢層の方だけでは無く、プロのフォトグラファーも含めた老若男女の方々全てに人気になっているということも凄いです。
実際の想定されていた販売数は不明ですが、いずれにしてもNikonがこのカメラに期待していた数量よりも遥かに多い注文が来ているということは間違い無いと思います。
さらりと当日の動画をアップしてみました
ということで次の記事で、実際に触ってみた感想のページをアップする予定ですので宜しくお願い致します。