キヤノンのクアッドAFセンサーの特開情報>2層センサー?斜めの位相差が高精度で検出可能?
j-platpatのHPで”キヤノン 位相差”のキーワードで検索すると面白い特許公開情報が出てきました。
CanonのクアッドピクセルAFの公開出願情報のようです。
【解決手段】 撮像素子であって、複数のマイクロレンズと、前記複数のマイクロレンズそれぞれに対して、光の入射面から第1の深さに構成された複数の第1の感度領域と、前記第1の深さよりも深い第2の深さに構成された複数の第2の感度領域と、前記複数の第1の感度領域と、前記複数の第2の感度領域とを、互いに異なる組み合わせで電気的に接続する複数の接続部と、を有する画素部を備えたことを特徴とする。
つまり、この特許のクアッドピクセルは、従来のデュアルピクセルと同じ2つの感度領域となっている部分が90度で2層に配置されることで2×2のクアッド領域となっているように見えます。
【0003】
特許文献1には、複数の光電変換領域を2方向に並べることで、2方向に瞳分割された瞳分割信号を取得する撮像素子が開示されている。
そして1方向しかない従来型のデュアルピクセルではピクセル配置と異なる方向ででAFの精度が低いということですね。
【0005】
一般的に、位相差方式の焦点検出において、被写体の明暗パターン、すなわち、輝度が変化する方向が瞳分割信号の分割方向に近い場合に、焦点検出の精度が低下するという課題がある。
ただ、4方向のクアッドピクセルにするだけは、今度は斜め方向の検出もバラつきが出るということですね。
【0006】
瞳分割信号の分割方向を増やすために、特許文献1に記載の画素を組み合わせて縦横斜め合計4方向に分割する撮像素子を構成したとしても、分割方向の異なる画素間で特性が揃わず、瞳分割信号を画素ごとに加算して得られる画像信号にばらつきが生じてしまう。
でこの2層のクアッドピクセルセンサーは上面と、下面で別の色を受光するということなのでしょうか。これはまるでSIGMAのFOVEONセンサーと同じ原理で色分割が可能になるということでしょうかね。
【0040】
可視光用の撮像素子に広く用いられるシリコンにおいて、入射光は、波長が短い程シリコンの表面近くで吸収され、波長が長い程深くまで侵入する。例えば、入射した光の半分が吸収される深さは、赤色光に含まれる波長700nmでは約3.2μm、緑色光に含まれる波長530nmでは約0.8μm、青色光に含まれる波長450nmでは約0.3μmである。
その結果FOVEON Quattroセンサーは3層で4x1x1=4でしたが、Canonのクアッドピクセルセンサーは2層で2×2=4ということになるのでしょうか。
ところがFOVEONとは異なりこのセンサーは各ピクセルにこれまでと同じ3色のカラーフィルターが設けられているということ。
で赤色のフィルタでは下層まで光が到達するので斜め方向の検出も可能にということでしょうか。
【0043】
また、第2画素P2においては、感度領域102と103で生じた電荷が混合され、感度領域101と104で生じた電荷が混合される。従って、第2画素P2から得られる瞳分割信号の分割方向は、第1の方向D1に対して直交する第2の方向D2となる。このように第2画素P2においても、第1画素P1と同様に、感度領域101,102,103,104の分割方向とは異なる方向に瞳分割された瞳分割信号が取得される。
更に緑と青のピクセルを使って縦横情報を得るということでしょうか・
【0052】
GフィルタまたはBフィルタを透過した緑色光、青色光は、赤色光と異なり、そのほとんどが第1の深さの感度領域で吸収され光電変換されるため、第1の深さの感度領域の分割方向と略等しい方向に瞳分割された瞳分割信号が取得される。従って、第3画素P3から得られる瞳分割信号の分割方向は、第1の方向D1及び第2の方向D2と異なる第3の方向D3となる。また、第4画素P4から得られる瞳分割信号の分割方向は、第3の方向D3に対して直交する第4の方向D4となる。
そして緑色ピクセルで第3の方向を演算、青色ピクセルで第4の方向、つまり斜めの2方向の演算を補完するということでしょうか。
【0059】
更に、画素領域10に配された第3画素P3のうち、Gフィルタに覆われた各第3画素P3の第1のフォトダイオードPD1及び第2のフォトダイオードPD2からは、第3の方向D3に瞳分割された一対の瞳分割信号G3A,G3Bがそれぞれ出力される。
【0060】
更に、画素領域10に配された第3画素P3のうち、Bフィルタに覆われた各第3画素P3の第1のフォトダイオードPD1及び第2のフォトダイオードPD2からは、第3の方向D3…
【0061】
更に、画素領域10に配された第4画素P4のうち、Gフィルタに覆われた各第4画素P4の第1のフォトダイオードPD1及び第2のフォトダイオードPD2からは、第4の方向D4に…
【0062】
更に、画素領域10に配された第4画素P4のうち、Bフィルタに覆われた各第4画素P4の第1のフォトダイオードPD1及び第2のフォトダイオードPD2からは、第4の方向D4に…
【0065】
上記の通り第1の実施形態によれば、より多くの被写体の輝度が変化する方向について、焦点検出の精度を向上することができる。
更に、これまで像面位相差AFが苦手だった低輝度の状態においても、精度が高くなると、、、、
【0077】
このように、第2の実施形態においては、各色成分の瞳分割信号を用いて得られたデフォーカス量に加えて、白色光に基づく瞳分割信号を用いて、デフォーカス量を取得することができる。このように白色光に基づく瞳分割信号を用いることで、被写体の輝度が低い場合に、より精度の高い焦点検出を行うことが可能になる。
ということで、このタイミングで出てくる特許公開情報ですので、もしかしたら近いうちにCanonのカメラにこの技術を採用した2層クアッドピクセルAFセンサーが搭載される可能性もあるかもしれませんね!
そして、これが最強のAF性能を実現するとすると今年後半または来年に出るというフラッグシップミラーレス機にこれが採用されるかもしれませんね!
ちなみに、位相差AFセンサーとしては従来通りであるNikon Z9については、あるフォトグラファーの方が、縦横以方向の位相差検出はNikon D6に負けているのでは?という書き込みをされて話題になっているのを見かけたような気がします。
ということで、キヤノン御手洗会長がフラッグシップ一眼レフ終了宣言をしたからには、Canon EOS R1、もしくはCanon EOS-1R では完璧に一眼レフを超えるAFが実現されているスーパーミラーレス機となるかもしれませんね!
とは言え今回の特許情報については、読み取れない部分もありますので、有識者の方のご意見も聞きたいと思います!
楽しみですね!