キヤノン EOS R7とEOS R10って実際どうなの?DPreviewのレビュー記事
本日からCanonの新RFマウントAPS-C ミラーレスカメラのEOS R10と、EOS R7の予約が開始されています。
で、発表と同時にDPreviewがこの2台のカメラを同時にレビューした動画がアップされていましたが、興味深い内容でしたのでご紹介させていただきます。
共通ポイント
- 高速読み出し化はされているが、積層型でも無い古いイメージセンサーを使っている。
- メカニカルシャッターでも十分に高速な連写を実現している。
EOS R10のボディと操作性
- EOS R10のボディはとても軽く感じる。
- グリップはやや薄いがホールドするのに十分な深さがある。
- レリーズ上部のダイヤルと上部に配置された親指コマンドダイヤルの構成はトラディショナルな操作性である。
- 背面上部のジョイスティックはAFエリアの選択が快適でとても優れた操作性をもたらしている。
EOS R7のボディと操作性
- EOS R10よりやや大きくなっているが、その分快適なグリップ形状となっていてより望遠レンズの装着に適している。
- これまでのカメラとは大きく異なる操作系を持っている。
- 背面のAFオンボタンのすぐ近くに配置されたAFダイヤルはこれまでのカメラで見たことも無いそ操作系だ。AF-Onボタンに触れながら親指のエッジでダイヤルを快適に操作することが出来る。
動物撮影でのAF性能など
- EOS R7とEOS R10は同じAFシステムと同じアルゴリズムが搭載されている。
- ユーザーインタフェイスはEOS R3やEOS R5と似ていて、AFエリアが被写体に応じて随時拡張される表示が行われている。
- ジョイスティックでAF対象を決めた後は被写体を追従し続ける。
- Canonの動物モード優れているが、これらのカメラも同様で鳥やワニの瞳をとても正確に認識していた。
- ただ、鳥の背後に多くの枝がある場合は被写体認識が上手く機能しない場面もあったが、鳥の瞳が開いているところは捉えることが出来るようになった。
- 野生動物はスポーツなどでAPS-C1.6倍のクロップファクターは非常に便利になる。
- ただ、野生動物撮影などで気をつける必要があるのは、EOS R5などに搭載されているシャッターによるセンサー保護機能が搭載されていないのでレンズ交換の際は注意してほしい。
EOS R10の連写性能
- EOS R10は2400万画素でメカニカルシャッター時15コマ/秒という印象的な連写速度を実現している。
- しかし搭載されているバッファが少ないようで2秒でつまり30コマを撮影した時点で連写速度が遅くなる。
- また電子シャッターの23コマ/秒で撮影すると26コマで撮影速度が遅くなる。
EODS R7の連写性能
- 3250万画素の圧縮RAWでメカニカルシャッター15コマ/秒では100コマ撮影可能である。
- 電子シャッター30コマ/秒では65コマとなる。
- このようにEOS R10より連写はかなり使えるの代わりにより多くの投資をする価値はある。
EOS R10のバッテリ性能
- EOS R10のLPE10バッテリはとてもコンパクトだが、EVFでの撮影可能枚数は450枚である。
- この値は悪くなく、まぁ1日撮影するにはこの半分くらいのことが多いので十分だろう。
EOS R7のバッテリ性能
- EOS R7のバッテリーはELE-6HはEVFで660枚となるので、1日の撮影でも十分となりとても良い値である。
- SONY α6600(EVF 720枚)までの領域には達していないがいずれもAPS-Cカメラの中ではかなり良い方だろう。
AF性能
- 今回多くのシーンで動きの速い状況などでも撮影したが、野生動物の被写体検知、ポートレート、スポーツ撮影で、このAFシステムのシンプルさがとても気にっている。
- SONYα6100やα6600にとても似たシステムでトラッキングとコンティニュアスAFを設定するとCanonでも99%の撮影シーンに対応することが出来ることを体験出来た。
- EOS R7とEOS R10を使い分けてもそのAF性能の差に差を感じない性能であり、かなり高いヒット率で高精度だった。
- AFの総合性能としてはおそらくFUJIFILMやNikonのAPS-Cよりも上のAF性能だろうし、SONYのカメラを彷彿させる性能であり、かつシンプルであると感じた。
動画機能・画質
- 4K30pの撮影では両方のカメラ共にオーバーサンプリング処理による動画記録となる。
- よってとても精細で、低照度でも優れた画質で記録出来ている。
- 安価であるEOS R10では4K60pでは1.6xクロップ処理が行われる。
- EOS R7の4K60pはクロップは行われないが、オーバーサンプリング処理も行われない為、ディテールが少し失われるようだ。
- 4K60pのクロップ撮影が出来るが画質がソフトになってしまうことが判った。
- いずれにしても4K60pでは僅かに画質が低下することになる。
- 両方のカメラ共にセンサー全域で1080 120pで撮影することが可能であるが、かなりソフトになるので画質を重視するようなケースでの使用は控えた方が良いだろう。
- 二台の最大の違いはEOS R7の方はボディ側手ブレ補正が搭載されていることだが、これはかなり良い仕事を行なっている。
- 120mmのレンズになると少し厳しくなり揺れが発生することもあったが、大部分の状況では素晴らしい結果となった。
- EOS R10の電子手ブレ補正では画面がクロップされ画質も低下する。
- また遅いシャッター速度が設定されていると奇妙はゼリーエフェクトが発生することがあった。
- EOS R10はマイクロフォンジャックはあるが、ヘッドホンジャックは搭載されていない。
- よって会話しながら撮影する状況ではEOS R7に頼ってしまう。
- EOS R7の方はハイコントラストのシーンに対応できるC-Log3記録が可能であり、より高ダイナミックレンジでの撮影が出来ることになる。
- 他の動画カメラに対してEOS R7で気に入らない点は、動画記録を開始するとヒストグラム表示と電子水準器が消えてしまうことだ。
- 気に入っているのはクイックメニューから実行できるホワイトバランス設定が出来る点である。
- Canon EOS R3と同様にタップで被写体追従が開始した後、追従ボックスが現れている限りAF性能は非常に優れていた。
- 但し、この2台のカメラの共通の問題点はこのタッチスクリーンの位置がたまにドリフトすることである。
- タッチスクリーンでトラッキングを設定した後にEVFに切り替えると、AFを元に戻す方法が無くなってしまうのも問題である。
- AFエリア選択でジョイスティッククリックして被写体追従を開始、構図を変えて追従しているAFエリアが移動した後、ジョイスティックを再びクリックすると選択ポイントが戻ってしまい、構図が台無しになる。これは本当にイライラしてた。
- ニコンではfnボタンを当てると、その時点でのAFエリアから移動が出来るようになる。
- これら2台のカメラでオーバーヒートテストを行いたいと思っているが、それよりも前にバッテリー撮影時間の方が制約になっているようだ。
- カジュアルな動画撮影でグレーディングしない場合はEOS R10の選択もあるが、もしより上級の動画撮影にステップアップしたい場合は絶対にEOS R7を選択することになる。
- しかし同じ価格帯でPanasonic GH6が存在していて、より良い4K60p動画撮影が出来、撮影をアシストするより良い機能が備わっているが、AFの面ではEOS R7と選択を迷うことになるだろう。
まとめ
- 静止画の画質は伝統的なCanonのカメラでありこれは悪くは無い。
- ただEOS R10の画質はRebel(Kiss)のように感じ、EOS R7はEOS 90Dのように感じた。
- 二台のカメラは積層型センサーが搭載されていないことから電子シャッターではローリングシャッターも目立つことがある。
- よってこれらのカメラは古典的なメカニカルシャッターで撮影するカメラであると言える。
- 二台のカメラを比較するとすれば、より多くのお金をEOS R7に投資する価値がある。
- 頑丈で防塵防滴のボディ、ボディ側手ぶれ補正、3250万画素、より高機能の動画が搭載されている。
- よって多くのカメラ愛好家はEOS R7を選択することになるだろう。
- EOS R10は軽量で低価格なのは理に適っているが、正直言ってRebel10(Kiss10)という名称にすべきだったのでは無いかと思う。
- Canonがこれらのカメラでろうとしているのは必ずしもAPS-Cカメラを刷新することでは無く、EOS 90DやRebel(Kiss)を購入していたユーザー層をミラーレス市場でも獲得する役割でであると考えられる。
- 最新のカメラを求めるのなら問題はないが、最大の問題は、EOS R10の価格帯でFUJIFILM X-S10を手に入れることが出来るということである。
- X-S10はよりセクシーなボディを持ちFUJIFILMならではのハンドリングと良好な操作性を有しボディ側手ブレ補正が搭載されている。
- さらに画質は同等か少し優れていると思う。
- さらに重要なのはより多くの交換レンズ群をがある。
- 結局、最大の弱点は搭載されているイメージセンサーである。
- また、EOS R10では50mm F1.2や100-500mmズームレンズ搭載するとレンズとグリップの間にスペースが無くなり、また重量バランスも悪く上手くホールドすることができない状態になる。
- RF 18-45mmキットレンズがあり、RF18-150mmレンズもオプションで選択できるがこのレンズは完全な入門向けレンズである。
- Canonが将来APS-C用のRFレンズを更に準備するということなのでそれを待つ必要があるが、既存のRF単焦点も非常に良いコンパクトなレンズが揃っている。またマウントアダプタで他のレンズも使うことが出来る。
- 結局より高価ではあるがEOS R7の方がより理に適っていると感じた。
- ある程度大型のレンズでもバランス良くホールドして撮影することが出来るので、APS-Cによって望遠側に寄ることも含めて野生動物やスポーツ撮影に適している。
- これら二台のカメラいずれも持ち運びが快適で、最も重要なのは、効果的で高精度で簡単に使えるAFを備えているということである。
CanonはEOS R7でマジックナンバーの7として、EOS 7D Mark IIの後継であるということを暗に示していると思いますが、DPreiewはEOS 90Dの後継機という表現をしています。
また、EOS R10はRebel10つまりKiss 10とした方が良かったのではということで、確かに総合性能を現代の基準で見ると、EOS 7D Mark IIのようなハイエンドのAPS-Cカメラでは無いようにも思えてきました。
しかし、EOS R3を引き継ぐAF性能や連写速度はかつての一眼レフよりも確実に優れているポイントですね。
また、価格にしてもここ最近のミラーレスカメラの価格高騰でカメラファンの方の金銭感覚がちょっと上昇していると擦れば、まぁ納得なのかもしれませんね。
一方で、EOS R7は既に初期配布分が無くなっているようですので、やはりR7は皆さんの支持を得て大人気のカメラになりそうですね!
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