NikonRumorsによれば米国RED社が5月25日にビデオ圧縮技術の特許を侵害しているとしてカルフォルニア中央地方裁判所にNikonを提訴したということです。
The ’967 patent discloses, for example, a video camera that can be configured to highly compress video data in a visually lossless manner. The camera can be configured to transform blue and red image data in a manner that enhances the compressibility of the data. The data can then be compressed and stored in this form. This allows a user to reconstruct the red and blue data to obtain the original raw data for a modified version of the original raw data that is visually lossless when demosaiced. Additionally, the data can be processed so the green image elements are demosaiced first and then the red and blue elements are reconstructed based on values of the demosaiced green image elements.
Via : 8:22-cv-01048 | California Central District Court
ということですが、原文を斜め読みすると(申し訳ありません)視覚的損失を与えない方法で、赤色と青色のデータを高度に圧縮し保存し、それをデモザイク処理で赤色と青色の要素を緑色の値に基づいて再構成する技術。
のようなことが書かれています。(間違っていたら申し訳ありません)
これは、映像圧縮技術において結構包括的な内容なのかもしれませんね。(有識者の方のご指摘があればお願いいたします)
ということで、今後どうなるのか、これはNikonだけの問題なのかを注目したいと思います。
追記>Twitterでのご意見とか過去のニュースを振り返ってみると
本件は、NikonがZ9のファームアップで圧縮RAWを搭載したことに対する訴訟ということで、過去RED社は各社の圧縮RAW技術に関して色々対応されているようですね。
「Z 9」用ファームウェアVer.2.00では、2021年10月28日の「Z 9」のプレスリリースで予告をしていたオーバー8KのRAW動画内部記録に対応します。豊かな階調表現を実現する12bitでの8.3K/60pに対応したRAW動画内部記録をはじめ、映像制作ニーズに応える様々な動画機能が大幅に進化します。
Via : Nikon – フルサイズミラーレスカメラ「ニコン Z 9」のファームウェアVer.2.00
ARRIはREDに敗北し、さらにREDはSONYを訴えた
REDは丁度、カメラ市場競合会社のARRIとのメールハッキング訴訟で調停が終わったところだった。ARRI側は、同社元幹部が代理店のメールアカウントを使って、競合先REDの情報へ非合法にアクセスしたことを全面に認め、ARRIの敗訴で終わっている。
Via : PRONRES – RED、ソニーを特許侵害で提訴
AppleはProResを使用する場合REDに使用料を払うことになった
アップルは、独自に開発したProRes RAWをプロモートする方針で、他のカメラメーカーにアプローチしている。このコーデックは、REDの特許取得済みの圧縮されたRAWコーデック記録に似たものだ。そのため、カメラなどでこのようなコーデックを使用する場合は、REDと契約する必要があり、使用料を支払う必要がある。
中国のKinefinityはREDから圧力によって圧縮RAWの搭載を制限した
DJI Ronin 4DもまずはProRes RAWの搭載を回避しApple ProRes 4444 XQに
BlackMagicDesign社は独自のBlackmagic RAW圧縮技術を開発して対抗
簡単に説明すると、2007年にRED ONEカメラと一緒に新しい圧縮RAWコーデックを発表した際、REDはこの技術の特許を取得した。この特許の結果、カメラメーカーが自社製品に圧縮RAWフォーマットを搭載しようとすると、まずREDに許可を求めなければならず、許可された場合には一定のコスト(ライセンス料と呼ぶことにする)が発生する。そのため、カメラメーカーの中には、圧縮RAWコーデックを自社製品に搭載することを避ける場合もある。