北米SIGMAがニューヨークで収録された山木社長へのインタビュー動画をYouTubeにアップしました。
COVID-19の流行から2年が経過した2022年も他の業界と同様にカメラ業界も未だに影響を受けているがSIGMAはどのような状況にあるのか?
顧客がカメラとレンズに関心を失うのでは?ということを懸念したていたが、幸いにも彼らの写真とカメラに対する関心は失われていなかった。
製造側にとってもとても厳しい状況であったが、工場のスタッフがCOVIDの影響を最小限に抑えフル生産を継続出来たことにとても感謝している。
パンデミックの中で多くのフォトグラファーだけでなく多くの人が趣味としてのマクロ写真や、特に望遠レンズを用いる野生動物撮影が拡大したがこれらのユーザーから得たものは?
私もそのような新しいカテゴリとして、庭でのマクロ撮影、近隣での花、鳥、小動物の撮影が行われようになったことにとても驚いている。
動画は確実に新しいトレンドである。特に若者世代は動画撮影を好んでいる。よって我々はそのようなレンズ需要に対応している。
ミラーレスカメラが完全にフォトグラファーのプラットフォームとなった。SIGMAもDG DNでフルサイズミラーレスレンズを投入しているがどのようなアドバンテージとして新技術を付加しているのか?
基本的にミラーレスレンズと言えどもこれまでの一眼レフレンズとの技術的な違いはあまり無い。
しかしカメラの画素数は増えており、イメージセンサーのコントラストなどの性能も高くなっていることから、レンズ光学性能をそれに合わせて向上させる開発を継続する必要がある。
ミラーレスカメラのもう1つのアドバンテージはよりレンズ補正を活用出来ることだ。SIGMAのレンズもコンパクト化にさせる為にそれを進化させるのか?
これは各レンズのコンセプトによって異なる。もし本当にコンパクトが優先されるなら我々もそのようなテクノロジーを用いることになる。
しかしこのようなテクニックを好まないユーザーも存在する。それに対して我々はトラディショナルな設計手法を用いてレンズ補正を行われない製品を提供する必要がある。
未だに多くの人々が一眼レフカメラを用い、また一眼レフレンズも良く売れている。SIGMAは未だ一眼レフレンズの開発を続け、これらのユーザーの対応を続けるのか?
もちろん対応する。未だに多くのフォトグラファーが一眼レフカメラを用いているし、今でも一眼レフカメラを購入する顧客も存在している。
私個人もソリッドなボディ一眼レフボディを好んでいるので、多くのユーザーがこれからも一眼レフカメラを使い続けられることを望んでいる。
シグマは需要がある限り出来るだけ長くこのようなフォトグラファーのサポートを続けるつもりである。
SIGMAはfpとfp Lの2機種のミラーレスカメラを持っているが、これらのカメラのコンセプトについては理解されていないような気がするが、ユーザーに伝えたいことは?
これらのカメラのは3つの特徴がある。
- コンパクト。最小のフルサイズミラーレスカメラである。
- シームレス。静止画と動画あるいはシネフィルムの両方をサポートする。
- スケーラブル。3つのスクリューを備え様々なアクセサリを付けることができ、スタイルに応じた構成にすることが出来る。
私はアメリカに来る際に小型のレンズを選択しアクセサリ無しの構成でカバンに放り込んで来た。
このカメラは多様性があり、使うのが楽しくなるカメラである。
これまでSIGMAはFOVEONを用いて他には無いユニークなカメラを作って来たが、sd Quattroはもはや製造されていない。しかし多くのFOVEONファンが存在している。数ヶ月前に三層構造センサーについてステートメントを流したが、その続報はあるのか?
現在、三層X3センサーのプロトタイプを開発しているが、年内にもお披露目したいと考えている。
FOVEON X3は決して多様性があるセンサーではなく低照度などは苦手であるが、明るい場所ではとても美しく印象的な写真が生むことが出来る。
実際に私はここ20年の間実際にFOVEONセンサーカメラを使い続けている。その殆どは家族写真の撮影だが、SD9、SD10、SD14、SD15、SD Quattroを使って来た。よって私自身も新型のFOVEONセンサーを心待ちにしている。
SIGMAのメインビジネスはレンズであるが、多くのユーザーは新レンズが投入されることを心待ちにしている。新レンズの要望についてはどうか?
製品ラインの拡充を継続的に続けている。
これまでの一眼レフ用で馴染んでいるレンズを同様のスペックで置き換えるのに加え、これまで存在しなかったような革新的なレンズも生み出している。
革新的なレンズが顧客の要望であることも知っている。そのような新製品を出すので忍耐強く待っていて欲しい。
SIGMAのファンは先代から引き継がれた60年以上の会社の歴史について良く知っている。しかし父親から引き継いだ後にどのように成長させたかについてはあまり知られていなようだが?
小さい頃からずっと父のビジネスを継ぐように言われて来た。また自宅は事務所ビルの最上階にあり、私の人生は常にSIGMAと共に過ごして来たのだ。私はこのビジネスを引き継ぎ、その責任を背負っている。
10年前に父親は亡くなったことで、この事業を引き取ったが、それより前に学校を卒業してすぐにSIGMAで働き始めてから約20年が経過していたので私自身もSIGMAのことは深く理解していると思う。
私は、SIGMAの製品品質と性能をより向上させることが出来ると信じSIGMA Global Visionというプロジェクトをスタートさせた。
Art、Sports、Contemporaryのラインを進め、それが顧客に受け入れられたことでこのビジネスを継続することが出来たと認識している。
写真と人生との関わりをどう考えているか?
写真を撮る時間を設けることは少し難しいが、ストリートフォトを取るのが好きだ。
私は人々が大好きだ。写真へ街中や周辺の風景と共に人々を共に収めることを好んでいる。
ストリート写真を撮る時の一番好きなカメラは何か?
現在はSIGMA fpを使っている。その前はdpカメラも好きだった。
それ以前は主にDP2 Merrillとdp2 Quattroを使っていた。
fpで使うレンズは何が好きか?
多くのレンズを使うが、その中でもIシリーズ35mm F2を好んでいる。また65mm F2も好きである。
Iシリーズは七本のレンズがラインナップされているが、今後それが増えるのか、それともこれで完成なのか?
我々はこれからもIシリーズレンズの拡大を行う。
ユニークかつ高品質なミラーレスカメラのレンズとして顧客のニーズであるコンパクトさを追求する。
ボデに相応しいクオリティを求めるユーザーに対しては金属製部品を使うことで高品質を感じられるようにしている。
私自身もIシリーズレンズを手にして、それを使う時間を楽んでいる。
SIGMAは今後どのような企業になるのか?
3つのゴールを設定している。
- 最高の品質で最高の性能のイメージング機器(カメラ及びレンズ)を提供すること。
- 顧客とビジネスパートナーから認められ愛されるブランドになること。
- 従業員が幸せになれる最善の組織を構築すること。
————————
いかがでしょうか?
製品情報としては、新FOVEONセンサーが、おそらくフルサイズの所謂FFFセンサが年内にお披露目されることが改めて表明されたのがポイントかと思います。
2月に発表されてからの続報ということですが、いよいよステージ3へ進むことが出来たということでしょう!多分!
またIシリーズのレンズも今後拡大されるということですので、山木社長によれば忍耐強く待っていて欲しいということですね!
私も一SIGMAユーザーでありファンとしてはFOVEONも新Iシリーズレンズもどんどん出して欲しいのですが、忍耐強く待つようにします。
楽しみですね!!