ニューヨークで活動するポートレート写真家であるPete Coco氏がYoutubeでCanon EOS R5からFujifilm X-H2へ移行する理由を説明する動画をアップしています。
はじめに
- 1年以上Canon EOS R5で撮影してきた。画質、パフォーマンス、作りの良さ共に素晴らしいカメラだ。
- 一方でFujifilm XT-4は自然光のポートレート撮影などで使用するバックアップカメラとして使用しており、また家族用のカメラとして最適でだった。
- その後X-H2が発表されるまでEOS R5の競争相手になり得るカメラは見当たらなかった。
- 今回X-H2がEOS R5を押し除けて私がFUJIFILMをエコシステムとして使用するに値するかを検証したいと考えている。
- 今回の動画でオートフォーカス、画質、ハンドリング、システムとしての価値、について比較してみる。
- ただこのビデオで注意して欲しいのは私はスタジオでの人物ポートレート撮影を行う写真家であるということだ。
オートフォーカスの比較
- これまでFujifilmのカメラに改善を望んでたのはオートフォーカスシステムである。
- CanonのAFシステムであれば滅多に被写体を逃すことは無く、アイトラッキングシステムの機能はほぼ完全に動作していることである。これは箱から取り出して微調整する必要も無く直ぐに使用することが出来た。
- 私はX-H2のAFが大きく進化して同じようになっていることを期待していた。
- 結果としてX-H2のAF明らかにEOS R5に追いついているようだ。
- 私はスタジオ撮影ではアイトラッキングシステムを常にONすることを好んでいるが、両カメラでそのスピードに関しては顕著な違いは見当たらなかった。
- しかしFUJIFILMはメニューインターフェイスに関してはCanonに遅れをとっていると感じた。
- 主な不満はFUJIFILMでは右目優先/左目優先/自動の切り替えをカスタムボタンで行うことは出来無いことだ。
- ジョイスティックを用いて手動で右目/左目を切り替えることは出来るが、ポーズの変化ごとにそれを行うのは非常に厳しい。
- またFUJIFILMの癖でもあるのが、アイフォーカスが動作している状態でも、大きな四角のフォーカスエリアで表示されるということで、これを解除する方法が見当たらなかった。
- おそらくファームウェアの更新でこれらは解消することが出来る筈なので、FUJIFILMの方がこの動画を見て頂ければと思っている。
- 改めて言うとFUJIFILM X-H2のAFは全体的に素晴らしく、速度と被写体追従に関しては全く問題なく、大きな改善を遂げていたが右目/左目の選択が素晴らしいAFを台無しにしてしまっている。
画質の比較
- 色彩再現性について
- Canonは少し寒色傾向でわずかに緑がかっている。
- 対するFUJIFILMはやや暖色傾向で、またわずかな差ではあるが実際の色を忠実に再現出来ているようだ。
- 個人的にはCanonのクールな色調が好みである。しかしこれは個人的な好みの問題であると考えている。
- シャープネスについて
- 私は等倍信者では無いが、あえて比較して見ると、2つのカメラの違いを見分けることは難しく、これはFUJIFILMのカメラに感銘を受けた。
- ただCanonの方がエッジ描写がわずかに上回っているように見える。
- ダイナミックレンジについて
- Canonが非常に優れている。明度を引き上げてもまだ多くのディテールが残っている。
- FUJIFILMは僅かに及んでいない。Canonの方が僅かにダイナミックレンジが広く余裕があるようだ。
- ただ、FUJIFILMでも露出をプッシュしても必要なディテールは残っているので、通常はそれほど大きなダイナミックレンジは必要ではない。
- ダイナミックレンジについてもFUJIFILMには感銘を受けており、評価して良いと考えている。
- 画質全体的な評価
- ポートレートの写真を比較して見るとCanonの方がややオーバーエッジ処理が行われている分、少しざらざらしているように感じる。
- 画質についてもFUJIFILMは小型センサーにも関わらず非常に感銘を受けた。
ハンドリング・使い勝手の比較
- グリップについて
- この2つのカメラは同じようなサイズとなっていて。どちらも深いグリップを有している。
- X-T3やX-T4から移行した人はX-H2が嵩張って分厚く感じるだろうが、より手に馴染む形状となっていると思う。
- 両方のカメラ共に人間工学について非常に優れいていると思う。
- 操作性について
- FUJIFUIMのカメラ上面の方が好みである。X-H2の背面コマンドダイヤルによってよりシンプルで簡単に絞りとシャッタースピードを設定することが可能になっている。
- Canonの方がより多くのボタンやダイヤルがあるが、これはカメラをどのように使用するかによってプラスでもありマイナスにも作用する場合がある。
- 私がスタジオ撮影を行う時はよりシンプルなレイアウトを好んでいる。
- メニューについて
- Canonのタッチスクリーンはとても良く機能しており、多くの機能へアクセル出来すぐに設定変更すること可能になっている。
- メニューレイアウトはCanonの方が素晴らしいが、FUJIFILMも過去のモデルから改善を遂げている。
- ただCanon EOS R5を一年間使い続けているがたまにどうすればいいか考えてしまうこともあるがFUJIFILMのメニューはシンプルであり好ましい。
- ボタン、ダイヤルについて
- FUJIFILMのボタンで気に入らないのはレリーズ後の3つ縦方向に並んだボタンである。
- ISO、ホワイトバランス、カスタムファンクションボタンで、これらは非常に奇妙な場所に配置されいるが、これでは人差し指でも親指でも持ち替えずに操作することは出来ない。これらボタンは背面配置して欲しかった。
- FUJIFILMユーザーの多くの方はPASMボタンを嫌っているようだが、私は気にならない。
- C1に自然光での撮影、C2にビデオ撮影、C3にスタジオ撮影を割り当ており非常理に適っている。
- FUJIFILMのボタンで気に入らないのはレリーズ後の3つ縦方向に並んだボタンである。
- EOS R5のダイアルとボタンは独自の癖があると感じる時がある。カメラ上部のコマンドダイヤルの用な冗長なボタン/ダイヤルが備わっている。
- 全体的にややこしいと感じるの年齢的なものなのかもしれない。
- 総合的にFUJIFILMは非常にシンプルであり直感的で気に入っている。
システムとしての価値比較
- FUJIFILM XH2は1999USドル、Canon EOS R5は3699USドルである。
- それより最近のCanonで厳しく感じているのが、RFレンズが非常に高コストになっているということある。
- 写真で生計を立てている私あってもそれは法外なレベルとなっている。
- Canonのハイエンドレンズの価格は25300ドルを超えており、加えて重く大きくなってしまった。
- RF50mm F1.2をテストしたが、画質は素晴らしかったが本当に大きくて嵩張ってしまった。
- その一方でFUJIFILM 56mm F1.2は、RF 50mm F1.2の価格の半分でありはるかに小型である。
- カメラシステム全体の価値を判断にするには画質だけでは無くこれらのことも考慮すべきである。
- 画質的に関しても、私の仕事ではFUJIFILMは間違い無くより良い結果となる。
- シャープ、ダイナミックレンジ、色再現性についても両カメラでは明確な違いは感じられ無かった。
- これらのカメラの主な違いは色彩をレンダリングする方法であるが、ここでFUJIFILMはCanonより優れているように感じられた。
- EOS R5はよりフレキシブルという利点はあるが、基本的には寒色系となっていた。
- FUJIFILMの色彩は典型的なポートレート撮影用であり好ましい。
- フィルムシミュレーションを用いることでカラーグレーディング作業の時間を節約できるのは大きなプラスとなっている。
- ポートレート撮影ではFUJIFILMが勝利していると感じた。
- EOS R5とRFレンズがより手頃な価格になることを願っている。
- それに加えCanonはサードパーティのレンズを制限しており、その結果FUJIFILMの方が利用出来るレンズの種類が豊富となっており、それもFUJIFILMの方が価値が高くなっていると考えている。
- また、サードパーティレンズは種類だけで無く価格に関してもユーザーが得られるものが大きい。
- 価格に関しては、どのような仕事に用いるのか?予算はどれくらいなのか?それに対して皆さんはどれくらい投資をして行くのかについて異なって来ると考えている。
PetoさんがX-H2を選択するに至ったまとめ
- どちらのカメラが優れているかについて多くの要素があるので決めつけるのは難しいことである。
- EOS R5を購入した時点で私は既に多くのCanonのシステムに投資をしていた。つまりその時それは理に適っていたと考えている。
- Canon EOS R5に投資した理由はオートフォーカスシステムである。その結果EOS R5には全く失望していない。
- しかし現時点でカメラの造り、画質、画像処理、使い勝手、パフォーマンスに関してX-H2も競争力が高くなった。
- ただ最大の不満は瞳を簡単に選択出来ないというフォーカスシステム機能の使い勝手である。
- もし皆さんが現時点でどのブランドに投資していない場合、FUJIFILMを選択すれば画質を犠牲にすることなく大量のお金を節約出来ることになるだろう。
- 結局、私もX-H2には本当に感銘を受けたので、全てのCanonのシステム全てを売却したいと思っている。
- 現時点でそれは出来ていないが、その最大の障壁は古い道具を全て売却し、多くの新い道具を購入して、切り替えることに多くの時間とエネルギーを費やす必要があるということだ。
- しかし本当に幸せなのは今後この新しいX-H2が私のスタジオワークのメインカメラになるということである。
- 私のようなポートレートフォグラファーにとって全く問題は無い。
Pete Cocoさんのウェブサイトはこちら。
またPete CocoさんはFstoppersのエディターとしても活躍されており、ミュージシャンという経歴もお持ちのようです。EOS 5D IIIとX-Pro1から両方のシステムを使われているようですね。
こちらはPeto Cocoさんのミュージシャンとしての情報、プロのコントラバス奏者のようです。音楽と写真という2つの才能がある方多いですね。羨ましい、、、
ということで米国では(日本でもそうかもしれませんが)企業のVIPや著名人の方にとってプロフィール画像はとても重要なアピール要素であり、優れた技術を持つフォトグラファーに撮影を依頼するのが一般的になっているようですね。
それだけにフォトグラファー間の競争も激しく、より高いギャラを得るためにも最高の道具、つまりカメラとレンズも最高のものが求められていると思います。
その一方で、そのような一流フォトグラファーにとっても、近年のカメラシステムの価格も、その性能も過剰気味になっているようです。
ということで、アマチュアフォトグラフーにとっても撮影対象やシーンによっては、ただ最も高価なカメラを購入することが最高の満足感を得るというこには必ずしも繋がらないということかもしれませんね。
その分、カメラは性能的に十分以上のものが得られることになった最近はカメラ選びが楽しいことになっていると思います!
ちなみに、換算焦点距離も開放値も違う比較になるかもしれませんが、F1.2レンズとボディを揃えると、Amazon価格では、FUJIFILが合計40万円、Canonが合計90万円の差は大きいですね!
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